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似た者同士同盟

俺と周防は楓たちのまつ図書館へ向かっていた。

二人きりで話していると楓にあの目を向けられてしまう事が容易に想像できる。

とは言え、何も話さないのはつまらない。話を振るのは苦手なんだけどな。ここはやるしかない。


「えっと周防さん、その本面白いですか?」


ほら、絶対本の話になる。


「そ、そうですね、これは魔人たちと人間たちの歴史について書かれている部分もあるので、戦いに備えてという部分もありますが、一番は神話が好きというところでしょうか。」


少し戸惑っていた。やはり本の話は良くない。

だが意外だ、周防は神話が好きらしい。


「家柄ですかね、特に日本神話が好きなんですよ。」


「そうなんですか、ここの神話はまだ読んだことがないので、機会があれば読みたいですね。図書館にはあると思いますし。」


そう言っているとすぐ近くに図書館が。周防は驚いているように見える。外見もそれなりに大きいからな。

中に入った時が楽しみだ。


ピーンポーン


『どちら様ですか?』


「サイラ、今戻った。」


『治か、ちょっと待ってろ。』


「ああ。」


短いやり取りの後ゴゴゴという音とともに扉が開く。


「治くん!……と、周防さん?」


『ジトッ』が自然に聞こえる目で睨んでくる。はぁ。


「そういう目で見るな。周防は話があるらしいから連れてきただけだ。」


「ふーん」


「ほんとだって!」


楓は少々妄想が激しい。まぁそれも含めて好きなところなんだけど……うん、惚気過ぎるのは良くない。

とりあえず中に入ってからだ。


「村上くん、敬語使わないんですね。」


「まあ、仲良くなった人には。」


「じゃあ、私にも敬語はやめてくださいね。」


確かにそうだ。大人っぽいから何気なく使っていたけど、周防も同い年じゃないか。

楓が訴えかけるように視線を向けてくる。機嫌を損なうのは怖いが長期的に見ると敬語をやめる方が賢明だな。


「わかりまs……わかった。改めてよろしくな。」


「はい!」


えぇ、その笑顔はちょっとずるいよぉ。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

周防は入った瞬間から目がキラキラしている。新たなる本好き仲間を見つけたかもしれない。

サイラから晩御飯の許可はでたらしく、楓は準備をしに行った。

せっかく図書館に連れてきたが、無駄だったらしい。


「で、周防からの相談ってなんだ?」


「実は職業についてなんですけど…」


え、もしかして俺の職業知らないの?稽古場には楓と俺以外は全員行ったはずなんだけど?

そんな言葉が口から出そうになったが、周防の次の言葉で納得がいった。


「実は、稽古場での話を聞いていたんですけど、私も同じ非戦闘職なんですよ。」


まさかの仲間。差し出してもらったクリスタルにはこう書かれていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

琴美

職業:踊り子

エクストラスキル:『神託』

         『無拍子』

スキル:『同調』

    『魅了』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

エクストラスキルの『神託』が気になる。神に捧げる踊りということだろうか。

とはいえ、琴美も非戦闘職だった。

『無拍子』は予備動作を必要としないというもの。職業:剣士が持つと剣術スキルと組み合わせることで予測ができない攻撃を繰り出せるためかなり強いが、踊りだったら戦闘もクソもない。


「この通り、私も役立たずなんですよ。だから、一緒に同盟を組んで欲しくて。」


「同盟?」


「はい。似た者同士、自分のできる形でサポートをするというものです。」


学級委員長はここでもみんなのためを思っている。上目遣いって最強の戦闘スキルじゃないだろうか。


「わ、わかった。参加する、よろしくな。」


「はい」


おぉ花が咲いたよ、笑顔という名の綺麗な花が。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そのあと、親睦を深めるという意味でも一緒に晩御飯を食べることになった。

楓の説得に苦労したことも書いておこう。


「治くん、料理の方はいいけど、お城に報告しなきゃ。」


「そうだった…めんどくさ。」


「僕が行くよ。ちょうどお城に用があったし。」


「サイラ、頼んだぞぉ」


サイラは気遣いができる子である。


「じゃあ、そんなにかからないから。」


「おう、行ってらっしゃい。」


「僕が外出している時は鍵のレベルを最大にする決まりなんだ。だから中から開けたりするなよ?」


「そうなのか、わかった。」


管理人ってめんどくさそう。

サイラは鍵をたくさんかけて出て行った。


「楓、ご飯っていつ頃できそうだ?」


「あと一時間したらパンが焼けるから、それまでは食べれないよ。」


まさかの自家製パンである。


「わかった、俺は本読んでるから。」


「はーい」


そうだ、周防をガイドしてよう。


「周防、案内しようと思ってるんだけどいいか?」


「あ、ぜひお願いします。」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一時間ぐらいたっただろうか?昨日までより一時間ほど遅い食事ということもあってか、お腹がなってしまった。

俺は周防を連れて楓のところに戻ろうとした。その時だった。万年筆を振り上げ、自らの腕に突き刺そうとしていた周防を見たのは。


「周防ッッ!!」

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