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もう一人の勇者と……

「どこに行くのかな?小説家さん。」


明らかに悪意があった。孝介たちの手合わせの直後である今、他に手合わせをしているものはいない。

そこによく通る声で一言。当然みんなが耳にする。

こちらには蔑みの視線しか送られてこない。


ーー さすが一高だぜ。 ーー


ーー ここでも落ちこぼれかよ ーー


ーー あれで今井チャンの彼氏かよ。 ーー


嫌になる。ここにも俺の居場所はないのかよ。


「なぜ知っている。」


俺は睨みつけながらきく。


「俺の側近に職業:魔獣使いがいてね。少し『鑑定』させてもらったよ。」


神降聖人、孝介と並ぶイケメン。勇者候補だったもの。

『鑑定』とは、魔獣使いがテイムさせる前に魔獣のスキルを知るために使うものである。

だが、今の俺にはそれは頭の隅にしかない考えだった。俺は目の前の男が孝介と同じような光を帯びていることが気になってしまう。

だが、そんな疑問の答えとも取れることをご丁寧に教えてくれた。


「そういえば、自己紹介がまだだったな。俺は神降聖人、職業は勇者だ。」


その場にいる側近たち以外の人間は驚きを隠せない。当然、治も。

職業:勇者が二人、そんな話は図書館の文献の中にはなかった。少なくとも、600年前まで(・・・・・・・)の文献には。


「嘘だ!勇者は孝介だぞ。テキトーなこと言ってんじゃねぇ!」


珍しく橘と同意見だ。だが、まだ確認していないことも多い段階で決めつけるのは良くない。


「これが俺のクリスタルだ。第一、勇者が一人だけなんて誰が言った。二人以上の可能性は捨てきれないだろ。」


そういってクリスタルを取り出す。


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聖人

職業:勇者

ユニークスキル:『天才』

        『限界突破(リミット解除式)』

エクストラスキル:『卓越者』

スキル:『思考力強化』

    『必中』

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思いっきり才能型だな。孝介のもこの際見ておくか。


「おい、孝介。お前のクリスタル見せてくれ。」


俺は少し頼んでみる。やはり突っかかる奴がいる。


「ちょっと、本かきが何言ってんのよ。」


「美嘉、そういうのは良くないぞ。差別のもとだ。治、これが俺のスキルだ。」


孝介の差し出したクリスタルを確認する。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

孝介

職業:勇者

ユニークスキル:『逸材』

        『限界突破(底上げ式)』

エクストラスキル:『挑戦者』

スキル:『腕力強化』

    『間合』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

見事に反対だ。

『天才』、自分の使うスキルなどの扱いが達人レベルになる。普通に修行をして100年は必要な境地だが、才能だけでそこに上り詰めるというスキル。修行など1秒もしなくていい。達人レベルになると、一つのものに二つ以上のスキルの重ねがけが可能になる。

それに対し『逸材』、成長のスピードが尋常じゃなく早い。一度習ったものはメキメキと上達する。

スキルにも個性は出るのかもしれない。孝介は努力型、聖人の方は才能型。この二人が対魔人戦の要だろうな。


「それより話の続きだ、小説家さん。君の彼女、いまどこにいる?」


「知らない、それに教えてやる義理もない。」


なんてくだらない。こんなやつに俺は守られるのか。ナチュラルに嘘が出るほど俺はこいつが嫌いだ。


「嘘はよせ、じゃあ勝負はどうだ?俺とお前で。チップは楓ちゃんの居場所で。」


嘘だろ、テンプレどうりじゃあないか。

すまん、口調が乱れた。それにしても、『楓ちゃん』って言ったかこいつ。


「お前、小説家に勝って嬉しいか?勇者さん。」


「関係ないね。楓ちゃんに会うこと以外。」


「俺は賭けから降りる。じゃあな。」


「逃げるのか?」


「なんとでも言え。」


あぁむしゃくしゃする。あいつにアッパーでも決めたいけど、実力じゃまず負ける。

俺は扉に手をかけ、稽古場を離れる。もう疲れた、ここにはもう来たくない。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

俺は図書館までの道の途中で周防を見つけた。というより周防が待ち伏せしてた。

どうやら、5新神についての本を読んでいたらしい。手にはそれらしき書物がある。俺はまだ読んでないんだよな。

俺に気づくと周防は本を閉じ、こちらに近ずいてきた。


「村上くん、相談したいことがあるのだけれど。」


頰をほんのり染められると少し誤解されそうで怖い。壁に耳ありだからな。きっとこの前のが気まずいだけなんだろうけど、楓と一緒に聞いた方が命の危険は少ないだろう。誤解で死にかけるのは嫌だ。

俺は周防を図書館に連れて行くことにした。本が好きなのかもしれないし。






◇視点あの時の執事


「国王様、小説家の無能が今夜の夕飯はいらないとのことです。気づかれたかもしれません。どういたしましょう?」


小説家の無能……村上治、まさか一番最初に気づくとは。誰かに言いふらす前にどうにかしなければ。


「無能なら構わん、適当な理由をつけるか事故に見せかけるかして今夜のうちに始末しろ。なんならもう一人の無能も潰してこい。今回は勇者が二人もいるからな。治癒術師も突っかかってきたら殺しても構わない。戦闘には使えないからな。」

「わかりました。」


久しぶりの戦闘。今夜が楽しみです。

スキルのところに『バント王国語理解』は書いてません。これからも省略すると思います。


※少し前の話しと辻褄を合わせました。

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