3話
1歳になるらしい。
誰が工作したのかわからないが、誕生日まで後○○日という日めくりカレンダーがあるので多分あってる。
だた、このカレンダー30日前や10日前始まりではなく、60日前始まりだった。気づいたのが57日だったからそう思っただけ。本当はもっと前から開始日が設定されているのかもしれない。謎だ。
本当、誰作ったのだろう。
前世、クリスマス当日に合わせてカレンダーに手を突っ込んでお菓子を取り出すやつを見たことがある。確か3週前からのだった。
今世でもそれを見たし家にもあった。抱っこされながらカレンダーに手をずぼっとした。なんか楽しかった。
あと、クリスマス当日、家族皆で親戚?から怒られてた。原因は、名前が決まってないからだ。
気づいたのは家の人が僕の名前を好き勝手よんでいるから。仕方ない。しかも日替わり、いや、半日置きかな? それを聞けば怒る。何故か、役所から苦情は来ていない。実際は僕の知らないところで来ているはず。多分、きっと。
ちなみに、名前を別々に言うのは、一番反応が良かったのを名前に決めるためという理由があるらしい。あー、とか、うー、とかキャッキャウフフしている子にそんなこと決めさせるのってどうよ。紙飛行機を飛ばして一番長く飛んでいたのが勝利すると同レベルなような気がするのだけれど。
1歳になるころにはきっと名前が決まるだろう。このままいくとネット相談、知恵袋なんてこともあり得る。個人的に俗にいうキラキラネームでなければいいかな。漢字一文字名前とかかっこいいかも。けど、これは漢字によるか。
そんなこんなで、名前が決まった。「アリカ」というらしい。名づけは母だ。母はつよいのだろう。
漢字で書くと在処になるならからカタカナでアリカとなる。所在確認でもしないと迷子になるとか思われているのだろうか。
あと、友達も出来た。名前は、シフ君。生まれは多分ドイツ。モフモフでフワフワないい毛並みをしている表情を崩すことのない無口な奴だ。足に番号が刻まれている。ヤンチャ系かな。身長は同じぐらいか、少し小さいくらい。思ったよりも高い。きっと高い。あとでかい。箱もでかい。1歳児だからかな。飛行機とトラックで家まで来たようだ。狭いところに座り大変だったことだろう。長い付き合いになりそうだ。
このこいくらするんだろう。
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家の天使が1歳になるのにまだ名前も決まっていない。退院後、なるべく早くといわれているが、まさか半年過ぎても決まらないとは役所の人も思っていなかったらだろう。私もそう思わなかったけどね。2歳を過ぎても決まらなけれど公募するという本気か冗談かわからないことを言われた。その際、大昔に1歳半過ぎても名前が決まらず公募した過去があるとかなんとか。公募したからといってそれをそのままつけなくてもいいのだが公募した事実は癪に障る。
そんなわけで私の一存で名前を決めた。クリスマス前に決めたのだが、せっかくなのだから元日か1歳になる日のどちらかに届けをだすかを役所の人含めて相談し、元日からのすべての書類に名前が書かれるようにした。めんどくさくて申し訳ない役所の人。あと、クリスマスの日におばあちゃんから名前を決まっていないことで怒られた。届け自体は出したのにちょっと納得がいかない。
名前は、アリカ。漢字で書くと在処。漢字は使わないけどね。ただ、この子には、一人ではないということを忘れないで欲しいと思ったからだ。帰る場所があって迷子に迷わないように。自分を忘れないようにと。
あと、おばあちゃん。そのクマのぬいぐるみいくらした。素人目でも高いのはわかる。私でも名前だけは知っている有名なぬいぐるみだし。シリアルナンバーつき。番号は8。末広がりで縁起がいいってことだろうか。5万以上10万未満? もしかしてもっとする? すごいなクマ。汚れたら簡単に洗濯機に投入はできないな。業者に出してクリーニングかな。
ぬいぐるみ、侮ってた。