表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

1話

 目を開けたら、何も見えなかった。


 というよりも目を開けられなかった。


 体が動かない。その代わりに持ち上げられているような浮遊感がある。遠くから声が聞こえる。


 これはもしや転生フラグ。っていたい。なんかたたかれた。超いたい。なく。マジなく。


「おぎゃああああああああああああ。」


 というか。泣いた。うん。泣いたけど、思っているのと違う。


 もしかして、転生後?



 ~~~~~~~~~~~~


「おめでとうございます。産まれました。しかも、男の子ですよ。男の子。苦労して共学行ったのに会えなかった男の子。まさか、こんなところで会えるとは。」



 手術室にいた看護師が大声を上げる。言っていることはわかる。今のご時世そうなるのは当然。なのだが、その子は私のだ。


「こんなところで悪かったわね。貴女、減給ね。それにしてもこの子泣かないわね。その子返して。」


「ちょっ、先生。」


 姉よ。貴女にそんな決定権ない。第一、この中で減給されるなら貴女だ姉さん。それと、返してではない。貴女は付き添いであって私ではない。職場に戻れ研修医。


「おぎゃああああああああああああ。」


「よかったないたわ。」


 おい、何をしたバカ。バチンってすごい音がしたぞ。お前ほんとに医療従事者か。周りに無駄にある機材は置物か。案山子か。張子の虎なのか。バカなのか。バカなんだな。


「泣かないってことは生命に危険がある、」


「知ってますけど、それ女の子の処置でこの子、男。」


「おい、やぶ医者。人の患者に何をする。お前はこの最新機材を見て何も思わないのか。バカなのか。バカなんだな。」


 そうだ。もっと言ってやれ。主治医。そして、ありがとう。この場で唯一私を気にかけてくれて。さすがプロ。どっかの姉とは大違いだ。


「男女平等。我が家の教育方針にしようと思う。」


「それを決めるのはお前じゃなくて、お前の妹。この子の母な。というか、職場に戻れ研修医。「産婦人科研修中ですが」うちにそんな連絡は来ていない。一昨日、手術の見学して外科無理って言ったの誰だよ。あと、早く妹さんにその子を渡せ。おばさん。」


「先輩より若いですよ。」


「喧嘩売りに来たのか。研修医。」


 なんだ、このピリピリした空気。お前はほんとに何しに来た姉よ。というか、そろそろ私に返して。


「あの。」


「ごめんね。茜ちゃん。2000ぐらいかしら。ちょっと重いって感じる程度だけど気をつけてね。」


「この子が私の赤ちゃん。」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ