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目覚めたら最強の魔法戦士だった ~学校のクラスで異世界転移〜 (略称:めざまほ)  作者: 今野よーよー
めざまほ第三部 黒騎士ユウトを追え! ~サトル転生篇~
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第三部最終話 神話となるブークモール

 城にいた魔王の息子"ザラキ"は捕虜としておき、何かあった時に交渉に用いることで一致し、魔王軍征伐隊の本部のもとに送り届けることになった。


「くっそー!

 パパがお前らをとっちめるからな!」


 征伐隊の伝令の兵士が手錠をかけられたザラキを連れようとする中、ザラキは声を大にして足掻き声を出していた。

 それを見て、ふと僕は思い出した。

 このザラキとかいう奴、僕が小学校時代に嫌いだったガキ大将に似ている…。

 そっくりだ。

 たまたまだろう、と僕はその件を片付けた。



 スルドサガ城での戦いが終わってから一週間後、リナが回復するのを待って開いた方針会議。



「魔王のいる城まで行く方法は何通りかあるけれど、サトルがいるなら、正面突破で最短距離の道で大丈夫そうね」

 レーンが一同を見渡して言う。

 青い目が今日も冴えている。


「俺とチャゲもいるぞ」

 文句をたれるシマダ。


「サトルはシマダ100人分の力はあるわ」とリナ。

 100人は大げさでも、10人分くらいの力はあるかもしれない。


「ちぇっ、どうせ俺なんかダンゴムシ以下の取るに足らない存在ですよー」

 シマダがふてくされる。

 なぜ、ダンゴムシ?

 シマダのワードチョイスがこの頃ツボだ。


「魔王軍の支配下である山岳都市フジャルを突っ切ってそのまま魔王城まで行きましょう。

 明日の朝、出発よ。

 山岳都市フジャルまでは、ボディサポート(身体強化)歩数×回復(ステップバイステップ)を使って一か月ほどね。

 何か質問ある?」


 レーンが聞くと、 


「一か月かよ!

 野宿がキツいぜ。

 リンゴの私はジェット(高速飛行)があればなぁ」

 シマダの言うことももっともだ。

 一か月は長い……。


「他の魔王軍征伐隊の力は借りないんですか?」

 とチャゲ。


「少人数の方が敵に見つかりにくいという利点があるわ」

 レーンが答える。


「いざとなったら、レーンのボディサポート(身体強化)を解いて、俺の秘匿する魔術師(カメレオンステルス)を使えば大丈夫だな」


 秘匿する魔術師(カメレオンステルス)は身体や装備が透明色になるシマダの魔法だ。ただし、透明になっている間は魔法は使えない。


「では、また明日」

 そうレーンが言って散会になった。



 その日の夜、僕にあてがわれた部屋で――


 リナがやってきて「仲良ししよう」と言う。

 その後、レーンもやってきて「仲良ししよう」と同じことを言う。

 リナは「じゃあ、3人で」なんて言い出す。


 リナの巨乳ボディとレーンの美しいスレンダーボディをかわるがわるに相手しながら、その晩は甘美な夢のようなひとときだった。



 山岳都市フジャルまでの1か月は長かった。

 だが、1か月の行程を通して、不思議と5人の絆は深まっていった。

 モンスターを倒す度に、日々を終えるごとに、団結力が高まっていることを実感する。


 そうして、僕達は山岳都市フジャルを奇襲した。

 高原の心地よい風が吹いている。

 僕は気持ちを引き締めた。

 まあ、引き締めなくても勝てるのだけど。


高度×攻撃(ハイロウズ)!」

 チャゲの高度×攻撃(ハイロウズ)は高度が高いほど威力が上がる風属性の攻撃魔法だ。

 山岳都市だけあって、威力は絶大だ。

 僕の賢人の蒼き閃き(ウインドクロス)とタメを張れるかもしれない。いや、それは言い過ぎか。


 山岳都市フジャルは広域だが、チャゲの高度×攻撃(ハイロウズ)と僕の賢人の蒼き閃き(ウインドクロス)の活躍もあって、一時間で片が付いた。


 山岳都市フジャルにも地球から転移してきた人たちがいた。魔法の素質もあるようだが、魔王軍の兵士の多さに勝てず、奴隷労働をさせられていた。



 次は魔王城!

 待っていろ、黒騎士!!

 お前を殺す。



 その頃、魔王城では――


「説得は難しいかもしれないな」

「そうだね。

 力づくでもやるしかない」

 黒騎士とダイゴが二人だけで話をしていた。



 山岳都市フジャルから森に囲まれた魔王城までは一週間ほどで着いた。フジャルから連絡を受けた魔王軍がサトルたち5人を狙うが、サトル達の前では一発で葬られる蠅以下の存在だった。


 魔王城の中はシマダの秘匿する魔術師(カメレオンステルス)で行動した。黒騎士や魔王との戦いを前に余計な魔力を使いたくはなかったからだ。


 そうこうしている間に、魔王城の魔王の間までたどり着いた。


 サトルは驚いた。

 玉座にいる魔王の姿は、サトルの父親と瓜二つだったのだ。

 母親に暴力を振るい続けて離婚して家から消えた、アル中の父親。


「サトルよ……」

 薄暗い照明の中で魔王が言う。


「私は観念したよ 

 黒騎士の話で私も自分が何なのか思い出した。

 私は地球ではお前の父親だった。

 地球が大変なことになる。

 黒騎士の言うことを聞くんだ 」

 続けざまに魔王が話す。


 魔王の隣には黒騎士とダイゴがいる。

 黒騎士はうつむいていたが、サトルの姿を見て、静かに前を見て語り始めた。



「この世界"ブークモール"は、サトルさんの妄想が作り出した世界なんだ。

 サトルさん、"小説家になりたい"ってサイトを知っている?」


 サトルが首を横に振ると、黒騎士は優しく言葉を紡ぎ続けた。


「そっか。

 忘れているのかもしれないね。

 サトルさんがそのサイトに書いた小説の世界が"ブークモール"なんだ。

 サトルさんには、ブークモールを現実にするという魔法の素質があった。

 サトルさんは、ブークモールを作り、そこで魔王軍と終わらない戦いをしながら、幸せな日々を送るはずだった。

 サトルさんの魔法が最強なのも、そこにいるリナやレーンがサトルさんのことを好きなのも、サトルさんの妄想の中だからさ。

 この世界の女の子はすべからくサトルさんを好きになるというプログラムをされているんだ。

 日本語が話されているのも、一日が24時間なのも、日本人のサトルさんの頭の中で描いた小説だったからだよ。

 魔王がサトルさんの父親なのは、サトルさんの最も憎んだ人間が父親だったからだ。

 そして、サトルさんはブークモールの存続のために、自分の書いた小説のことを忘れたんだ」


「そんなことが…」

 僕は絶句した。


「そこに目を付けたのが魔法軍さ。

 宇宙にあるビバルゲバル星系という場所では、魔法軍と呼ばれる組織が科学軍と戦っている。

 しかし、戦争を嫌う中立の人たちが、音楽と科学と魔法を組み合わせた音楽兵器を作ってね。

 それを使うと、兵士たちの戦意を喪失させることができるんだ。

 双方の軍の戦意が喪失して魔科大戦と呼ばれる大戦が講和に終わった後、魔法軍はサトルさんの魔法の才能を用いて再び戦争を始め、戦局を打開することにしたんだ。

 ブークモールを現実の地球の世界に侵犯させ、魔法を使える人たちを拉致して、自分たちの戦力に加えるという決死の作戦さ。

 ブークモールを地球に侵犯させれば、地球にいて魔法の素質がある人たちは魔法の素質が手っ取り早く開花する。周りにモンスターがいて命の危険がある場所だからね。それに、ブークモールの世界では魔法石を持つ必要がない。

 魔法の素質が平均的に高いとされる地球人を魔法の才能に目覚めさせ、拉致して魔法軍の自軍に加えれば、科学軍の優勢をくつがえすことができる。いくら中立軍が音楽兵器で戦意を喪失させたとしても、中立軍の数の何倍も地球人はいるから、焼け石に水さ。

 俺とダイゴ達は、以前に惑星ババロアという場所で魔法軍に一年かけて魔法の訓練をさせられていたけど、そんなに長期間訓練させる必要もない。(めざまほ第一部を参照してね!)

 ブークモールに地球人がいるのを見たでしょう?

 ブークモールと地球の間の人や物のやり取りは加速している。

 このままじゃ、ブークモールと地球が融合する」


「ちょっと待って。

 なんで、ユウトはそれらのことを知っているのさ?」

 チャゲが黒騎士の話を遮って質問する。


「俺は宇宙警察から依頼されたんだ。

 空間跳躍が使えるのも宇宙警察から調達した科学機器があるためさ。

 でも、地球を救うという目的以上に、ユカがブークモールに転移してしまったから、ブークモールに救いに来たという理由の方が大きいかな。

 ユカはまだ見つけられていないけど。

 ダイゴ達を呼んだのは、サトルさんが無事にこの魔王城までたどり着くのを見届けてもらうためさ。

 ここでサトルさんに魔王を倒してもらい、ブークモールの世界をハッピーエンドに終わらせ、地球との融合を防ぐ」


 そう言ってユウトは一息置いた。


「サトルさん、思い出してくれ、本当のあんたを。

 サトルさんを説得し、ブークモールを消滅させ、ブークモールにいた地球人を地球に返す方法もあるんだ」


「そんなこと!

 そんなこと突然言われてYesと言えるか!

 僕はリンゴの柔らかい肌に確かに触れた。

 リンゴもリナもレーンも、僕の妄想が作り出した人間かもしれないけど、生きているし、生きていたんだ!

 それに、地球なんかに戻りたくない!!!」


 僕はあふれる思いで訳が分からなくなりながらも叫んだ。


 その時だった。


 ブークモールの世界は突然震動を始めた。


「まずい…!

 刺激し過ぎたか…!」

 黒騎士が揺れている天井を見上げる。


 震動は徐々に激しくなり、魔王城は轟音を立てながら崩れ始めた。

 辺りの景色がガラリと変わる。

 僕がいた日本の都市の光景とブークモールの光景が混ざっていく。

 絵の具の様々な色を混ぜるかのように。



 その日、ブークモールと地球が融合した。

 魔法が身近になり、モンスターが生息している摩訶不思議な世界。

 ブークモールは新たな神話となった。


 そして、その世界でも、僕はチートでハーレムな生活を送った。

 リナとレーンがそばにいるだけでいい。

 僕はそう思った。


 僕の始まりの地である民家でーー


「愛してるよ、リナ」

「ふふっ。ダーリン、私もよ」

「私もサトルを愛してる!」

「分かってるよ、レーン」


 僕はリナとレーンに代わる代わるキスをした。

 快感の渦はめぐる回るめぐる。

 チートでハーレムの日々は終わりそうにない。



〜第三部完〜

 ここで更新を一旦ストップします。

 現在、第四部構想中です。

 第四部では3年B組の生徒達が魔法を使って殺し合うバトルロワイアルなストーリーにしようと思っています。

 ただ殺伐としたものにせずに、読後には温かで優しい気持ちになれる、そんなストーリーにします。

 お楽しみに!

 半年以内には第四部の更新を始める予定です。

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