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目覚めたら最強の魔法戦士だった ~学校のクラスで異世界転移〜 (略称:めざまほ)  作者: 今野よーよー
めざまほ第二部 ルーシュの一族 ~アクマ死闘篇~
20/31

●第七話● アクマとの死闘

 辺り一面焼け野原になったユウト達の学校。


「みんな、大丈夫か?

 学校の生徒や文化祭への来場者たちは、俺の緊急避難(エスケープ)で他の場所に転移させてあるから大丈夫だ。

  緊急避難(エスケープ)は決められた区画内の人間を他の場所に転移させることができる俺の特殊魔法だ。

 ただし、その衝撃やダメージで命を落とす危険性のある人物にしか効果は及ばない。

 そして、この特殊魔法を発動させるには、俺がその区画内にいる必要がある。

 校舎は後でミント先生の「一つの光景(パスト・スケープ)」で爆発前の状態に戻すことができるから心配はいらない。

 おそらく、これはクロマの仕業だ。

 クロマを探せ!」


 シャノからの長い通信を聞きながら、ユウトはユカが無事であることにほっとしていた。


「ユウト君!」

「ユカ!」


 二人は抱き合って、お互いの無事を喜び合った。


 先ほどの爆風で3年B組の生徒は半数程度、 緊急避難(エスケープ)により、他の場所に転移したようだ。

 すごい威力だ……。

 ユウトは言葉を失った。


 焼け野原になったため、視界を遮るものがない。

 クロマはすぐに見つかった。

 隣には大柄の男がいる。


「ヒャッフー!

 こりゃあ爽快だぜ!

 この景色、この威力!

 最高だ!!!」


 一日に三回まで使える特殊魔法である大爆発(サドン・インパクト)により、学校を破壊しつくしたアクマが気持ちよさそうに言う。


「アクマ、気を付けて。

 敵はまだ15人以上いるよ」


 警戒するクロマ。


「この力があれば、どんな奴らもちょちょいのちょいよ」


 アクマは自分の力に酔っているようだ。


「クロマ!

 お前の悪事も今日までだ!」

 アカマが三本の尻尾を逆立てながら、叫ぶ。


「ほう。

 アカマもいるんだね。

 好都合さ。

 君も殺してやるよ」

 薄笑いしながらクロマが言う。



「水舞撃!」

「大・雷撃!」

「聖破撃!」


 3年B組の生徒達の攻撃魔法が炸裂する。


 だが、魔法が命中した後でも、アクマは何も起きていないかのように、平然とそこに立っていた。


悪の結界(イビルフィールド)があれば、俺とクロマに与えられた一定以下のダメージはゼロにすることができる。

 お前らに勝ち目はない。

  大爆発(サドン・インパクト) !!!」


 爆風が一面を覆い尽くす!


「とどめにもう一発くれてやるよ。

  大爆発(サドン・インパクト) !!!!!!」



 二度の 大爆発(サドン・インパクト)により、味方側で立っているのは、ユウト、ユカ、ダイゴ、ユキ、シャノ、ミント先生、アカマだけになってしまった。チームがバラバラになってしまったため、四人一組のフォーマンセル戦術が使えない。シャノが模擬戦においてチーム戦だけではなく個人戦も重視していたのはこのような状況を見越してのことだ。

 ユウト以外のメンバーは三回の 大爆発(サドン・インパクト)により、かなりのダメージを負ったが、自分一人に限り敵の特殊魔法を無効化できる道化の臨終(ピエロズエンド)により、ユウトは二回のダメージで済んだ。

 一回目と二回目の大爆発(サドン・インパクト)はふいうちだったので、道化の臨終(ピエロズエンド)は使えなかったのだ。



「みんな、大丈夫!?」


 と、そこへやって来たのは木口君。

 木口君は(文化祭は陽キャのイベントでしょ、僕には関係ないね)と思い、学校近くの書店で時間を潰していたのだ。


「木口君、私たちしか、もう残ってないの!」とユカが答えた。


「激・炎撃!」


 シャノの攻撃魔法は、 悪の結界(イビルフィールド)を突き破ったようだ。

 ダメージを受けるアクマとクロマ。


「骨のある奴がいるようだね」とクロマ。


「アイドルにあんな事件を起こさせたのもお前らなんだろ!?

 許さない!!

 お前らの横暴もこれまでだ。

  路上の戦士(ストリートファイター) !!!」


 殺気立ったダイゴが格闘ゲームのキャラクターを召喚する。


「破壊拳!」

 キャラクターの攻撃はクロマに確かなダメージを与えたようだ。


「こういう場合は、召喚された者ではなく、召喚者を殺るのがセオリーだね。

 死の触手(ブラック・タッチ)!」


 クロマの三本の尻尾が伸び、ダイゴに襲いかかる。

 即死のダメージを受けたダイゴは 緊急避難(エスケープ)により、別の場所に転移した。


「君も戦線離脱しろ。

  死の触手(ブラック・タッチ) !」


 ダイゴの近くにいたミント先生にクロマの尻尾が猛襲した。


「えっ!?

 私、何もしてないのにもう終わり!?」


 ミント先生も 緊急避難(エスケープ)により、その場を離れた。



「激・炎撃!」


 シャノの再びの 激・炎撃がクロマに命中する。


「ちっ。

 君だね、人間を別の場所に転移させて命を守っているのは。

 魔力の気配で分かるよ。

 くらえっ!

  死の触手(ブラック・タッチ) !」


見切り(ホワイト・ブレード)!)


 シャノのもう一つの特殊魔法である 見切り(ホワイト・ブレード)は、一度見た特殊魔法を見切り、回避することができるというものだった。

 模擬戦の時にユウトの核心烈撃アトミックハートを無効化できたのは、シャノが 見切り(ホワイト・ブレード)を使ったからだ。

 ユウトの 道化の臨終(ピエロズエンド)と効果が似ているが、違うところは、 見切り(ホワイト・ブレード)は一度以上見た特殊魔法に対してしか使えない点と、 道化の臨終(ピエロズエンド)は武器現出型の特殊魔法は無効にできないが、見切り(ホワイト・ブレード)は武器現出型の特殊魔法も無効にできる点だ。


「なぜ、効かない!?

 もう一度!

  死の触手(ブラック・タッチ) !」


見切り(ホワイト・ブレード)!)


「クロマ、俺が殺る。

 神・邪槍!」


  見切り(ホワイト・ブレード) を使った直後の隙をつかれたシャノはアクマの神・邪槍の一撃で葬られ、自身の 緊急避難(エスケープ)により、別の場所に転移した。


「神・聖破撃!」


 そこへ、ユカの攻撃魔法が炸裂する。聖なる光のエネルギーにより、深手の傷を負うアクマ。


「大丈夫か、アクマ?

 敵もなかなかやるね。

 でも、これからが本当のショータイムだ。

 こんな時のために用意していたのだよ」


 そう言ったクロマが口笛を吹くと、大勢の人間がユウト達がいる場所へ歩いてきた。


「うぐぐ、うぐぐ、うぐ……!」


 刃物を持った人間達がうめきながらユウト達に近寄ってくる。

 クロマが操っているのだろう。

  シャノが学校の区画内にいないので、 緊急避難(エスケープ)は使えないため、攻撃魔法を使って彼らに即死のダメージを与えてしまったら、本当に死んでしまう。

 ユカの蘇生魔法「 黄泉へのキッス(リバイブザハート) 」があるが、こんな100人以上もの大人数相手には使えない。

 クロマの作戦はよく練られていた。


雪原の(スノー・マジック)妖精(・ファンタジー) !」

 ユキの特殊魔法だ。

 隙のある対象を眠らせることができる。

 操られている人間が集まっているところへ、雪に降られながら無数の妖精達が舞う。

 操られている人間達はその場に倒れて眠り込んでしまった。


「なに!?」と驚くクロマ。


「君を殺す。

  死の触手(ブラック・タッチ) !」


 伸びる尻尾に触れたことにより、ドサッと音がしてユキは倒れた。


黄泉へのキッス(リバイブザハート) !」


 ユカの蘇生魔法により、ユキは息を吹き返す。


「蘇生魔法を使えるのだね……。

 厄介な君から死ね!

  死の触手(ブラック・タッチ) !」


「今だ!

 神・雷撃!」


 クロマの尻尾がユカに届くのよりも早く、ユウトは叫んだ。

 ユウトは相手に最も大きなダメージを与えるタイミングを見計らっていた。

 ユウトの 神・雷撃はクロマに大きなダメージを与え、クロマはその場に倒れこんだ。


「よしっ!

 熱の触手(レッド・タッチ)!」


 アカマの尻尾が伸び、耐えられない高熱によりクロマに再起不能のダメージを与えた。


「くっ、こいつがどうなっても良いのか!?」


  黄泉へのキッス(リバイブザハート)を使ったばかりで体力を消耗したユカをアクマが力づくで押さえつける。


「俺を攻撃したら、こいつを殺る!」


ピチベの哲学(ポジションチェンジ) !」


 木口君の特殊魔法が命中した!

 以前、惑星ババロアの戦闘の際にも使ったこの特殊魔法は、自分の近くにいる対象の一体と自分の位置を入れ替えることができる。

 アクマはふいを突かれたのだ。

 木口君のいた位置にアクマが現れる。


「大・風撃!」


 ユウトの放った風の衝撃がアクマに突き刺さり、アクマは呻いた。


「トドメだ。

 核心烈撃アトミックハート!」


 心臓を射抜く衝撃波により、アクマは吹っ飛び、その場に倒れた。


「俺たちの勝利だ!」


 ユウトの勝どきに、その場にいたユカ、ユキ、木口君が歓声を上げた。


「クロマ、私たちルーシュの一族は人間に害を与えてはいけないんだ。

 邪悪な感情を栄養分にするお前には酷な話だと思うがな。

 さあ、宇宙警察の元へ共に帰ろう」


 アカマは倒れ込んで動かないクロマに優しく諭すように言った。

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