シーズン1 小学生編
輩の意味
輩は「やから」や「ともがら」と読み、「同類」「仲間」「よくない連中」という意味の言葉です。
この言葉は悪い意味で使われることが多く、「不逞の輩」という表現もよく耳にします。
不逞は「勝手に振る舞うこと」という意味の言葉なので、不逞の輩は「勝手に振る舞う連中」という意味になります。
さらに、輩は熟語として使われることも多く、「先輩」「年輩」「朋輩」「時輩」など、多くの熟語に用いられています。
この場合は「はい」や「ばい」や「ぱい」と読みます。
シーズン1
『小学校編』
キーン コーン カーン コーン。
キーン コーン カーン コーン。。
今日もコールが鳴り響く。
俺、小6。
YAKARA
START
俺は、小学校の頃から、周りの奴とは違う。
周りのへっぽことは違う。周りのヘタレとは違う。
周りのうんこちゃんとは違う。
俺は違う。
と思い、毎日を過ごしていた…
小学校の時、みんなは、黒いゴキブリランドセルをしょって、上履きか、謎のメーカーのカスいスニーカー(コーチャー)に、ひざ上短パンか、ダイエーのスポーツ売り場で親が勝手にチョイスしてきた無名のジャージのセットアップに、黄色い帽子に募金の赤い羽根でアクセント、たまに緑の羽根、そんな格好を、無理矢理、いや、なんにも考えないで着てる奴らがほとんどだった。
ノータリン共が。
全然グッとこねーよ。
赤い羽に関しては何個付けてるかがステータスだ。
知るか。
そんなのステーカス。
カス+カス=カス。
そう。
だが。
俺は違う。
ランドセルはしょわない、上履きシカトで、市民体育館で盗んだエアジョーダンかアディダスのスーパースターを履いて、ジーンズメイトでパクった、リーバイス501の赤耳に腰パン、古着のネルシャツに冬はMA-1、時計はG-SHOCK、か親父の金の時計、パンツもラルフのトランクスで通学してた。
俺、小6。
通学はカマチャリのハンドルを絞って、族車風にして、2ケツが出来るように、地域によって呼び名は変わると思うが、ギアボー、ステップなど、を付けて、後ろの奴は立って、前の奴の肩を持つという、何とも今じゃ有り得ない、中国雑技団スタイルで学校の下駄箱まで乗り付けて行っていた。
ギアボーが無けりゃ、いつも持ち歩いてる、モンキーレンチで他のチャリンコからパクる。
常識だ。
無けりゃ根性乗りだからな。
足を内股にして踏ん張って耐えるスタイルのことだ。
段差はキケンだ。
マッポに追っかけられたら尚更のこと。
足を踏み外したら、新しい形のケガをするからマジでリスキーだぜ。
もちろん他のペーペー達は歩きスタイルだ。
チャリ通がバレたら怒られるからな。
根性がナッシングすぎるぜ。
ざまぁねーよ。
ルール?校則?
拘束すんなよ。
信号は赤?
止まるかバカ。
シカが10匹だべ。
シ、カ、ト♡
兄貴がいるオレは、お下がりで、服やチャリなど、なんでも、調子をコケるアイテムをゲトることが出来たので、ここぞとばかりにイキりまくっていた。
なんならアニキがイキってりゃ効果抜群よ。
普通に考えたらクソダセーいきがり方だけどな。
こればっかりはヤカラ業界仕方がねーのさ。
チャリをパクる。
ビニール傘を、破壊し、万能カギを作成し、窃チャリも(盗んだ自転車)勿論したが、その都度パクる事を続けていたら、ウチのアパートの前がチャリで満杯になり、ミンナからは名前が龍だから、ドラゴンサイクルと呼ばれる始末になってしまったんだ。
ノリタケかこのヤロー。
申し遅れたが、俺の名前は『竹原 龍』だ。
大体リュウって呼ばれることが多いな。
キラキラネームどころか
オラオラネームだろ。
そうそう傘カギは、持っているだけで、マッポ、オマワリには補導されたっけな。
ギアボーも没収だぜ。
だから、マッポの名前と住所を調べて、色々やってやったよ。
カギ穴にガム、玄関にラクガキ、ポストにエロ本。
何でもありだ。
俺、小6。
カマチャリを下駄箱に横付けしたら、早めの昼メシタイムが始まる。
給食室に勝ち込んで入って、食い放題がはじまるんだよな。
いわゆるビュッフェスタイルってヤツだな。
デザートのみかんクレープも食べ放題、ソフト麺も濃いめ硬め、ご飯お代わり自由の食い放題だ。
他の生徒のこと?ペーペーのことはモチのロン、シカが10匹シカトで気分はミッキーマウスマーチだな。
俺は右手で軽くコールもキメる。
食後はトイレでプクイチ(タバコ一服)マッカン(マックスコーヒー)でブレイクタイム。
ついでに腹もブレイク。
BGMは、
B’z?リンドバーグ?ドリカム?横浜銀蝿?
ちげーよ。
セックス・ピストルズこれ1本だぜ。
ヤカラはPUNKだからな。
モヒカンは重力にすら逆らってるだろ。
PUNK、好きな音楽を昼時間に流したいだけの理由で、放送委員会にオレは所属していた。
意外に真面目ちゃんなバイブスもあんだろ。
まあ、とにかく、この昼の時間のブレイクタイムがサイコーなんだったんだよ。
ちなみに言っておくが、学校に来ないスタイルの不参加型グレてる野郎は、オレから言わせりゃただのポンコツだからな。
あくまでも楽しむことが大事だ、調子こきながらも、女子にモテてーし、目立ちてーんだよな。
アメリカのラッパーちゃんみたいな感じって思ってくれよな。
だから、学校にこねーでピーチクこいてる奴らはアウトオブ眼中まちがいねー。
『家に帰って母ちゃんのオッパイでも吸ってろ』
とある、ポンコツが俺に放ってきた言葉だ。
本物のポンコツだが、言葉のパンチラインはパナい。
昼メシも給食だけじゃ飽きてしまうので、学校の近くのセブンコで一個買って、二個パクってこなしてたよ。当時はカメラもあんま無く、角に鏡が二個くらい付いてたくらいだな。
余裕のよっちゃんイカだぜ。
だけど、たまに下手こく時もある。
連れが、パクったどんぐり飴の当たりで、もう一個もらおうと思ったが、流石に相手はオトナだ。
気づかないはずがない。
どんぐり飴を買ってないんだから…
人生初のパクられただ。
連れは裏の事務所みたいなトコに連れてかれて、親からマッポから先生から、全部呼ばれていた。
いわゆる、親バレ、学校バレ、全部やられた。
見せしめだ。
連れは全否定していたが、通用せず御用。
どんぐり飴一個。
それから連れのアダ名はドングリになった。
本名は『タカシ』だけどな。
タカシakaどんぐりは懲りずに、その頃、爆発的に流行っていた、『ビックリマン』をおんなじ店で、箱ごと持ってダッシュでパクりやがった。
店への仕返しだ。
やられたらやり返す。
倍返しの走りだ。
オレには計画を内緒で、目の前で、いきなりブチかましやがった。
モチのロンのポンチーカン。
店員も追いかけたが、運良く逃げ切りバックれた。
そして。
オレがパクられた。
ビックリマンは俺だわ。
ザッケローニ。
それから、どんぐりタカシのアダ名は
『スーパーデビル』って呼ばれることになった。
悪いヤツだから。
本名は『タカシ』だ。
だが、スーパーデビルの呼びにくさに全員嫌気がさして、『ターボくん』になった。
足はえーし。
って事で俺らは親からもらった、ウンコみたいな小遣いと万引きには限界があることに気づき、自分らで金を作ることにきめたのさ。
100円200円じゃなく
まとまった金が欲しい。
金を直接手に入れることは、カツアゲって手段があることは知っていたが、小6の俺らにはまだまだた敵が多いって事で避けていた。
リスクヘッジは大事。
中学生、高校生には、暗黙でムダにビビっていたのだ。
恐らくチン毛パワーだ。(俺らはパイパン)
なので、モノを金に換えていくって手法が良いと思いこのやり方を思いついた。
名付けて、
『友達のゲームをパクって売ります』大作戦。
まぁただの迷惑行為だ。
子供にとってはゲームは財産だからな。
その時にちょうど、今で言うとこの、ブックオフ、GEO、みたいな、いわゆるゲーム漫画を買取りするお店がちょうど出来始めていた頃だった。
買取り屋は個人で経営しているオッさんも多く、
買取りする為のルールもユルく、身分証もいらず、紙に名前を書くだけで、誰でも売れたのだ。
もちろん小6のくそガキにもな。
チン毛は生えてねーぜー。
いわゆるグレーな商売だな。
それを利用して換金、換金の連続をしランニングしていくのだ。
分かりやすいだろ。
作戦としては、まずクラスの少し仲が良いくらいのヤツの家に、遊びに行くヤツらに便乗して遊びに行く作戦でいくことにした。
その時代は、とにかくハウスで、ゲーム、ファミコン、スーファミをやるのが大ブームだったのだ。
やらなくて見てるだけでも不自然ではなく、ギャラリーとして成立するのだ。
俺らはターボと2人でギャラリー側に回った。
持ち主と遊びに来たヤツが、対戦ゲームで夢中になってる時に、『ちょっとカセット見せてー』とかいいながら、カセットボックス(大量にカセットを入れられる箱だ)を持ち主の背後にサラっと持っていき物色開始だ。
50本くらいある内の3〜4本が無くなっても分かりゃしないのだ。
その当時はファミカセの貸し借りも当たり前で、意外とカセットが行方不明になる事は日常茶飯事だったからな。
だけど、これだけはNGだ。
親のカセット、名前が濃く書いてある(少しならベンジンで消せるので買取りOK)、ナウ進めているRPGゲーム、友達と対戦しそうな鉄板タイトル、
まあ理想は、信長の野望シリーズ、三国志、友達から借りてるクサいヤツ、箱付きであまり稼働させていないタイトルなどだな。
とにかく俺とターボーは緊張の中、慎重にチョイスしていた。
選んだら、持ち主の背後でバレないように、腹に忍ばせて、トイレを借り、トイレの中で完璧に収納だ。
パンツのゴムの間でロックして、デカめの服でボリュームが出ないように隠すんだ。
そのままトイレを出て帰る流れにもっていくのだ。
なぜかと言うと、座ると腹にファミカセが、箱付きなら、尚更のこと腹に突き刺さるのさ。
カセットとというドスが腹に。
だから、そのままの流れで、トンズラこくのが一番なのだ。
ヤツらは気づかない。スーファミから発売したばかりの、スーパーマリオブラザーズに夢中になっているからな。
ワリオがすぐ近くにいるのにな。
その頃からオレは気づいていた。
ゲームのレベル上げてる。
てめーのレベル下げてる。
だからTVゲームなんてやらねーのさ。
人生がゲームだぜ。
なんてなw
そのカセットを、そのまま、買い取り屋の『アイランド』って店に持って行って取り引き開始だぜ。
オッさんも俺らがガキだと思って足元をみてきやがるのだ。
2500円で売れるはずの『くにお君』が2000円とかホザきやがるのだ。
そうわさせねーよ。
オッさん、お前が作ったウンコみたいな買い取り表を、俺らは教科書代わりにに見てるからな。
こちとらガン見で暗記だバカヤロー。
どのカセットが高いのかくらいは頭に入ってんのさ。
『なめんなよ』
リアルくにお君
俺、小6。
俺たちは、アイランドを後にして、次に向かう先は、近所の当時の人気スポット、ミニストップのイートインコーナーだ。
たまに大好きなあの子も来るんだぜ。
エメラルドグリーンが光る、メロンフロートを呑みながら、金勘定して山分けタイムのはじまりはじまりー。
これをやってる時が一番楽しいんですよ。
当時の小6の小遣いなんて、1カ月2000円もらえりゃ、セレブ、ブルジョワだ。
ちなみに俺の履いてたリーバイス501xxは定価18000円するからな。
おめーの小遣いなんて
オレから言わせりゃ
誤差だぜ。
カセット売りで、小遣い3カ月分を1日で手に入れることが出来るんだからな。
やめられないとまらない。
カッパらいエビせん。
最初は金が無い時に、やってた、『友達のゲームをパクって売ります』大作戦。
だったが、調子こいてくると、いわゆるエスカレートしてくるってヤツなんだよ。
悪いことする上で一番の問題点の、マインドコントロールが出来なくなるパターンだ。
金が無い→カセットパクる→売る→金ゲトる→使う→金が無い→カセットパクる→この無限ループがハイペースになって、金があってもパクりに行きはじめ、自分がやるの面倒くせーから、連れにやり方教えて、半分抜く、みたいな事をしていた矢先だった。。。
仲間が遂に、パクった現場を見られて、バレちらかしやがったのだ。
油断した。
よりによって、パクレベルが低いヤツにセキュリティが高いヤツの家、親の滞在率が高いリビングが、ゲームやる部屋と近距離にある、難易度が高しなとこに派遣してしまったのだ。。
後悔しても遅い。
万引とは、わけが違う、組織犯罪、窃盗、計画的、まあ、何よりも、やり口が小学生らしく無いってところに、親と学校サイドはビックらこいて、この件はとにかく大問題になった。
全校集会での、そういった行為はしないとの、エミネムのラップ並みの校長からのロングトークからの、厳重注意もカラーのパンフレット付きで巻き起こった。
居場所がねーくらい気まづいわ。
白い目で見られてる俺らは赤い目だけどな。
それよか、普通のヤツらには、こんな犯罪のお話しをしたところで、
『グッとこねーよ』
なぁそうだろ。
俺らはというと、親同伴で、『アイランド』に行って、返金出来ますかの、訳の分からないウンコみたいな言い分、金を返すから、カセットを返してくれの交渉をしに行った。
アイランド側からしたら、知ったこっちゃなく、店頭に出てる、同タイトルのカセットを買ってくれよって話だ。
その通りです。
本当にすいません。
その事件後から、買い取り屋などの、法律みたいなものが変わりはじめ、未成年の場合は、親の許可証を取ったものを書いてもらい、その場で電話確認をしないと、買い取りが出来ないという、鉄板ルールが出来上がったのだ。
まぁそんな許可証なんてものと、電話確認なんてものは、ブッチギリの偽造で通してやったけどな。
イタチごっこのはじまりだぜ。
えっ?
俺らがなんでこんなのかだって?
まあ、子もワルなら親もワルなのだ。
アイランド
オッさん『もしもし、お子さんのリュウ君が、カセットをお売りに来ておりますが、大丈夫でしょうか?』
親父『かまわないっすよー、僕が売りに行ってくれと頼んだんでー』
アイランド
オッさん『かしこまりました、ありがとうございます。』
カセットの持ち主は、同じクラスの、田中の物だ。
合計4本
9300円
内訳
タカシ 3100円
リュウ 3100円
親父 3100円
さっき、子もワルなら親もワルと言ったが訂正だ。
親がヤカラなら子もヤカラだ。
それがどうした。
なんか文句あんのかよ。
ぶん殴るよ。
用がねーなら話しかけんな。
この先誕生日こねーぞ。
『あー小学校はつまんねーから
はやく中学いきてーな』
『YAKARA』
シーズン1
小学校編
終わり。
著者 テツヤンキー
"4649"

輩の使い方
夜中に公園で騒いでいる輩がおり、迷惑している。
表現の自由を振りかざし、ヘイトスピーチをするような輩は非難されて当然だと思う。
いまだに、暴走行為をする輩もいるようだが、着実に世の中からは減ってきている。
というように使います。