『め』力(ぢから)コンテスト
早速反動出ました。さ、次のアホ話は、と。
のっぺらぼう「皆様お待たせしました!『第7回「め」力コンテスト』!開催いたします!」
場内アナウンスが響くと、客席からは大きな歓声が上がった。
の「実況はワタクシ、のっぺらぼうと━━」
お歯黒「何で呼ばれたの?と言いたいお歯黒がお送りいたします」
の「それはモチロン。この競技に目がねえ、と言う━━」
歯「実家に帰らせていただきます」
の「あーっ!待った待った!!ってか実家って何処?遠野?」
歯「冗談です。去年の二の舞を防ぐためでしょう?」
の「あ~~そうですねぇ。去年の優勝者のメデューサさんが観客の半分を石にしてしまってパニックになりましたから、目を合わせられない私らが念のために配置されたようです」
歯「因みにメデューサさんは今年から出場停止になってしまいました。それだけに激戦が予想されます」
の「ではでは巻いて行きましょう!トップバッターは……おっと、彼は大きなひとつ目が特徴の巨人サイクロプス!」
歯「足元に大きな岩がありますね?ほうほうそれを網で包んで縛り、繋げたロープの先には……あれは吸盤でしょうか」
サイクロプス『うりゃぁ!!』
きゅぽん。
の「なんとその吸盤を自分の目に張り付けた!そしてそのまま岩を手を使わずに……上がりました!」
サ『ふん!ふん!ふん!』
の「サイクロプス、大岩を目だけでくっ付けて回す回す振り回す!!」
サ『どりゃーっっっ!!』
ぱっちぃぃぃん!
の「吸盤が取れて岩が飛びました!そして……地響きを上げて落ちました!これはスゴい『め』力です!」
歯「いやいや、これ目力の意味が違うでしょ!?」
サ「はっはっは、どうだ!」
の「サイクロプスさーん?ぶっちゃけ目が痛くないですか?」
サ「へーきへーき」
の「めっさ目が充血して涙がちょちょぎれてますが……とにかくお疲れさまでしたっ!」
歯「ちょちょぎれる!?死語の世界を垣間見ましたね……」
の「お次は━━おや?これは見事なイケメンのご登場です!俺らに対するイヤミか!ぶーぶー」
歯「はいそこ!お仕事放棄してひがまないの」
の「人間とは珍しいですね。━━というか彼は俳優の各戸英也氏じゃないですか」
英也「フッ……」
女性陣『キャーッ!』
男性陣『ブーブー!』
の「なんとこれは!流し目で女性のハートを鷲掴み作戦か!?」
歯「半分の男性を敵に廻してでもポイントを稼ぎにきましたね。これが後々どう影響するか?━━では、お疲れさまでした(後でサイン貰おうっと)」
の「何か言いましたか?」
歯「いえいえ何も。さ、次は━━ずいぶん小さな子ですね?そのわりに態度はふてぶてしいような?」
の「しかも、あの服装は変形のメイド服でしょうか?ネコ帽子に鈴……って、どっかで見たような??」
で○こ「フッフッフ……。ここで一発ビームをぶちかましてやればで○この優勝間違いない○ょ。賞金は頂きに○ょ!」
の「なにやら危ない目でブツブツ言っていますが……とにかくどうぞ!」
で○こ「目にもの見せてやる○ょ!くらえ!目からビー━━」
ブブーッ。
で○こ「━━む?」
の「残念。版権モノはアウトです。で○こさん失格!」
で○こ「なんで○ょ━━━━━━っっっ!!」
ぷ○こ「こんな所で何してる○ゅ。さっさと帰る○ゅ」
で○こ「離す○ょ!で○こはこの賞金でコーラとポテチの食生活から脱出するんだ○ょ~~~~っ!」
ずるずるずる。
の「…………さあ、次の選手はっと」
歯「もうやっつけ仕事感だだもれですね」
の「おや?また小さな子供ですか?確か次はひとつ目入道さんだったような」
歯「これまた力押しできそうですね」
その子供が被っていたフードを取った。その途端に客席が一気にざわめいた。
の「おおっ!あれは!?」
歯「蛇の髪の毛?それじゃあれはメデューサ!……にしては小さい?」
子メデューサ「よくも母さんをのけ者にしてくれたな!去年の優勝者の母さんを!!」
の「なんと!あの子は昨年優勝のメデューサの子供のようです!」
歯「母親に似て美形ですね。将来が楽しみです」
の「いやいや問題はそこじゃなくね?これは去年の事件の再来になるのか!?なにしろ相手は小さくともメデューサ!とにかくこれは避難を!」
子メ「これを喰ら…………」
??『止めなさい!』
子メデューサの魔力が高まった所で多きな声が上がった。
の「あれは……お~~っと、今度こそ正真正銘昨年の優勝者メデューサです!」
同じようにフードを取ったメデューサがステージに上がった。
子メ「か……母さん」
メ「急に居なくなるからまさかと思って来てみれば……。いったい何をしているのですか?」
子メ「だって、去年一番すごかった母さんが出られないなんて……」
メ「はあ……やはりですか」
メデューサは子メデューサの前まで行き、目線が同じ高さになるまでしゃがんだ。そして━━。
メ「めっ」
こつん。
子メ「あぅ」
子メデューサの額を軽くつついた。
メ「そう思ってくれるのは嬉しいけど、いけませんよこれは。それにちゃんと賞金は頂きましたし、私が出られないという事はそれだけお母さんが逆に凄かったという証明にはならない?それに、さすがに去年はやり過ぎたと私も思うからこれで良いのですよ。分かりましたか?」
子メ「……はい」
メデューサは立ち上がり、客席に向かって言った。
メ「我が子がご迷惑をお掛けしました」
子メ「ごめんなさい」
その瞬間。
のっぺらぼうがマイクを掴んで立ち上がった。
の「今年の優勝は━━メデューサさんです!!」
歓声が上がった。
の「何という「め」力!何という愛情!やはりやはり母は強し!文句無しの優勝です!!」
メ「あ、あら?いいのかしら??」
子メ「母さん、おめでとう!」
の「以上!第7回「め」力コンテストでした!」
歯「……………………もう何でもいいです」