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自殺の末  作者: jouken
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リバイバル

今回で現在編のある程度の説明は終わらせたいと思ってます。


「こいつは地獄。こいつも。こっちは天国……」

光の差し込む方へ曲がった俺の視界に鬼なんて者はいなかった。

居るのは白装束の人間達。こいつらはみんな一列に並んでる。先頭のやつは探していた声の主に天国か地獄か言われて……消えた!

なんだ。声の主って。唯の……ただの…人間じゃねぇか。にしてもどうなってんだ?

「あの…あの!!……あの!!!!!」

「こいつは天国…こいつも天国で、こいつは地、あ?なんだ?お前。」

こちらを向いた声の主は、やはりシルエット通り人間だった。無愛想な顔にメガネをかけたクラスに1人は居る真面目キャラみたいな顔。にしては口悪いな。

「迷子か?でも、死んでるよな、お前。」

うぅっ。

やはり、死んでるのか……

真正面から言われるとキッツイな。これ。

白装束を着てる事に気付いてから悟っていたけれど。

にしても、暗闇の中じゃここは地獄だと思ってたけど違うのか?

「うーん、取り敢えず、お前の人生見るわ。ちょっと待っててくれ。」

人生を見る?

どうやって?録画でもしてるのかよ。笑いが込み上げてくる。何が何だかわからねぇ。

まあ、待ってろと言われたし、待たない理由もないから待つか。

俺が死んだのは分かったけど、どうやって死んだんだっけ?全く思い出せない。

ん?なんだこれ。なみ……だ?おいおい、駄目だ、両目から溢れてくる。止まれよ、なんだ急に。思い出そうとすると涙が止まらないのか。俺は一体、どんだけ悲しい死に方したんだよ!

「おい、…なに泣いてんだ?行くぞ。」

もう待たなくていいのか。涙を拭いながらそいつに着いて行く。

連れて行かれた部屋は巨大なモニターと巨大なコンピュータ、その周辺に複雑な機材。すげえ近未来だな、この部屋。

「そこに横たわれ。」

言われてみると指を差した先には鉄製のよく研究室にあるベッドがあった。ヘルメット型機械がついてる方が頭だな。

指示通りその機械がついてる方を頭に横たわる。

「じっとしてろよ。」

そう言うとそいつは俺の頭にその機械を付けて、コンピュータをいじった。

「うっ…」

その瞬間、激痛が頭を襲った。

「もう大丈夫だ。頭のやつ取れ。」

「はい。」

そう言われて取るが、思ったよりすぐ済むんだな。

「お前、生きてた頃の記憶あるか?」

「あります。でも、死んだ時の記憶がありません。」

「なるほど、お前、自殺者だな。」

え?自殺?俺が?嘘だろ……

仮にそうだとしたら、なんでだ?

「お前、死んだ時というか、自殺の原因になる出来事が記憶に無いはずだ。」

そうか、原因を失ってるのか。

「よし、終わったな。」

「終わった?」

「ああ、お前の記憶から失われた記憶を足す作業だ。お前の人生はこの機械上ではなおった。」

そう言ってデカイ機械を撫でた。

「これからお前の人生を見る。正しい人生をだ。お前は見なくても良いんだが、どうする?見てもいい。」

そんなの!決まってる!

「見ます。」

どんなに哀しく、辛いものだろうと。

俺の人生だから。見るに決まってる。

思い出さなきゃいけない。そんな気がする。

「覚悟、しろよ。」

俺は首を縦に振り、無言でプロジェクターの前に出された椅子に座る。

「じゃあ、始めるぞ。」


こうして、俺の人生はプロジェクターの中で再び始まった。

次回からいよいよ男の人生が始まります。

最終的には涙腺持っていこうと思ってます。

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