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魔王と勇者と黒猫と。〜GAME SIDE〜  作者: 紅条
《魔界編》第一章
8/30

第一章ー1『YES』

「あー……クッソ」


 暗い部屋に一つ、ため息が溢れる。

 やや低めのその声に覇気は無く、気怠げな印象を受ける。


「誰だよこんな設定にしたの……無理ゲー鬼畜すぎ。いつになったら先に進むのやら……」


 呻くその声の色は、気怠げな様子を抜いても曇っており、声の持ち主がいかにご機嫌斜めであるかを表している。


「はーぁ、また死んだ・・・・・──残機いくらだっけ。……あと一つか。ホント無理があるだろ。どんだけ死亡イベントあんの? しかもフラグもどこで立ってるんだかわかんねえって……」


 頭にやった手は白く痩せ細っていて、不健康であることが見て取れる。


「ま、ボヤくだけ無駄か。……これ創ったの、俺だしなぁ」


 割り切った様子に次いで声も明るいものになる。といっても、意識しなければわからないほどの些細な違いではあったが。


「んー……でも、いくらなんでもあのバグは俺のせいじゃねーよなぁ……? いちいち動作が止まってやり辛いったりゃありゃしねえ……ん? 待てよ? 記憶喪失にしたのは俺か。……となると、やっぱ俺のせいなのかねぇ……」


 と思ったら再度、瞬く間に声の色が濁って行く。上がり下がりが激しい。


「しゃーない。とりまキリの良いとこまで行ったらどうにかしますか」


 この声の持ち主である少年がいるのは、現世、魔界、天界、機界きかい、霊界、時空界じくうかい、創世のどれでもない。

 ただただ暗く、狭い部屋。


 少年の前にある画面に浮かび上がる文字。


『コンティニューしますか?

 残機×1

 スタート地点:草原


 YES/NO』


 少年はYESを選択した──




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