第一章ー2『次へ』
「──お? レベルアップ?」
全国民が知っているであろう、某人気ゲームのレベルアップ音に思わず声が漏れた。
「っあー……やっとかよ。クッソ、まだ始まったばっかだってのにいきなりハードすぎるでしょ? 思ったより魔人が弱っちかったのには拍子抜けだったけど、いくらなんでも魔神さんは強過ぎ。うん。初心者殺し?」
少年が見つめる画面上に、一つのウィンドウが表示される。
「んぉ? これは……、……あ? どうなってんの? あんだけの奴倒したんだからもっとレベル上がってても良いでしょ。なにさ、たった一つしか上がらないなんて」
ボヤく少年。彼が見たモノは──
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【特性】に《黒猫使い》が追加されました
【呪い】《魔獣の侵食》が追加されました
【今回得られた称号】
《魔神殺し》
【上昇ステータス】
レベル:2(+1)
魔力値:999OVER(+???)
【下降ステータス】
再生値:0(ーALL)
【現ステータス】
《黒猫使い》ユキムラ クロネ
Lv.2
体力値:50
精神値:317
魔力値:999OVER
再生値:0
筋力値:50
頑丈値:58
経験値:9999(×1)+3833
スキル:《三度目の正直》
呪い :《魔獣の侵食》
獲得称号《魔神殺し》
《虐められた黒猫》
《不吉の象徴》
スキル効果《残機×1》
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「んー……レベルが上がりにくいのは呪いのせい? ……っと、残機は相変わらず1か……どうやったら増えんのかなこれ。それがわかればもーちょい楽に……でも、この残機使って生き返っても結局最初の場所からなんだよなぁ……これ意味あんの? どっかでセーブポイントみたいなのがあって、そこで生き返る……とか?」
ブツブツと何かを呟きながら、画面を見つめ続ける少年。
不意に画面が切り替わり、新たなストーリーが表示される。
「……こっちも、やっと進みますか」
そこに映っていたのは、真っ白な髪をした、細身の少年だった──
続くかわからない、なんて最初に言いながら《魔界編》第一章終了です。次は第二章。ここまで完璧に脇役扱いのアイツが出てきます。
ここまではテンポが早いながらも、拙い文章力ながらも、割と王道的かなぁ……なんて自分で思っている訳ですが。少しずつ『自分らしさ』っていうのをこの作品で出して行けたらなと思います。




