09話 親
「何で人を殺したりする。人を殺すのは犯罪なんだぞ。」
「知ってますよ。でも、私達は産まれた時から暗殺の方法を教えられたんです。そして、その方ほでお金を稼ぐのが一番儲かると聞いたから。だから、私達は犯罪を実行しているんです。」
他の4人もうなずいた。そうだとしても、誰がお前達に教えたんだ?産まれた時から?もしかして…。
「雛、人を殺して儲かる話を教えてくれたのは俺のお父さんか?」
「すごいですね。正解です。お兄ちゃんの、お父様から教わりました。」
そんな。何でこんなに可愛い妹達に、人を殺す方法を教えたんだ。
「なら、なおさらやめるんだ。」
「ごめんね。それは無理なんだ。」
5人はそれぞれ肌を見せた。
「何だよそれ。」
目にしたのは、赤くて丸い物が肌とつながっていた。
「これはね。爆弾なんだよね。」
爆弾?爆弾とは、爆発したら大変な爆弾なのか。
「この爆弾は、私達が任務に反論したり断ったりしたら爆発するんだよ。」
「それなら、脅されてやってるのかよ。」
「初めは確かに怖かった。」
「……、いつ…起爆するか…わからないから。」
「でも、今は全然怖くないよ。」
「だだだだから、私達は人を殺したりする事が平気になったんだよ。」
5人は、1人1人話した。それは、脅えていることを忘れようとして人を殺す快楽を覚えてしまった。
「そんなの、間違えている。お金に困ってるなら俺があげる。だから、それでいいだろ。」
雛は、首を横にふった。
「ごめんね、お兄ちゃん。お兄ちゃんの気持ちは分かるけど、私達はお兄ちゃんのお父様にばくだいな借金があるんだ。」
「なら、その借金を俺が全額払うからやめろ。」
「……、お兄ちゃんでも…無理。」
「何で無理なんだよ。金額を教えてくれ。」
その金額に俺は、無理だと確信した。
「1000兆だよ。お兄ちゃん。」
「え……、ホント?」
5人は、首を縦にふった。そして、俺はベットから立ち上がりベランダに向かった。
「お兄ちゃん。気にしなくっていいよ。」
「……私達が、コツコツ支払い……してるから大丈夫。」
その言葉に、俺は立ち止まった。
「そそそそ、そうだよ。だから、お兄ちゃんが悩まなくっていいんだよ。」
「安心して楽しく暮らしましょう。」
「そうだぜお兄ちゃん。楽しく暮らそうぜ。」
何で、そんなに明るく俺に言えるんだよ。ホントに辛くないのかよ。
「ふざけるな。俺の妹かもしれない5人を、犯罪にして支払いをさせるなんて許さない。それに、普通に人を殺すことができないだろ。ホントは、辛いだろうが。」
俺は振り返ってみた。そこには、ベッドで泣きそうな目で俺の方を見ていた。
「何でお兄ちゃん、そんなに優しいんの。」
「……そんなに優しいと、惚れるよ。」
「何カッコつけているんだよ。お兄ちゃんのくせに。」
「ホントに、お兄ちゃんがお兄ちゃんでよかった。」
「わわわ、私達の心配してくれる人初めてだよ。」
俺は、1つの目標を決めた。お父さんから5人完全に引き取ることを決めた。
「は~、息子も出ていったし暇だな。」
お父さんは1人で、広い屋敷にいた。
「おい、イスケ。」
「はっ。」
「息子の監視はどうだ?」
「順調でございます。」
「ふん、息子よ俺から逃げれると思うなよ。」
お父さんは、次の行動に移動していた。