05話 目的
公園に着いてから、俺は後ろを見た。
「何で一列に並んでるんだ?」
「え!、お兄ちゃん知らないの?歩くときは、一列が基本なんだよ。」
お前らは小学生か!!
「でぇ、お前達は何で家に帰りたくないんだ?」
「えっと、言わないといけませんか?」
雛が、なぜか代表で言った。どうやら、5人の中で一番歳上は雛だと確信した。
「言ってくれないと、今後の事とかあるから教えてくれないか?」
「少し待って下さい、お兄ちゃん。」
雛は、皆を集めて相談し始めた。そして、すぐに話し合いが終わったのかわからないけど雛が俺に近づいた。
「なんだ?教えてくれるのか?」
「教えるけど、逃げたりしないでくださいね。」
俺の予想とは違うことが、雛の口から出た。
「私達は、お兄ちゃんと結婚したいから家に帰りたくないんです。」
他の4人も俺の方を見ていた。
「いやいや、ちょっと待て。それが、ホントに帰りたくない理由なのかよ。」
「はい、私は本気ですよ。」
「お兄ちゃん疑いすぎたよ。」
「本気。」
「お兄ちゃんと結婚したいから、ここに居るんだぞ。」
「ほほほほ本気です。」
なんでなんで俺が、こんなにモテてるんだ。それも、妹にモテるとか危険だろ。
「待て。俺は妹に恋愛感情とかはない。それに妹との結婚はダメなんだよ。」
「妹だから、ダメとかはありません。だから、真剣に私達を恋愛対象として見てください。」
雛が、頬を膨らませながら言った。
「は~、わかったよ。」
俺のポケットに入ってる携帯がなったので、俺は電話にでた。
「なんだ、準備できたのか?」
電話の相手は健だった。
「そうだよ。お前の望んだ物は全て用意したぞ。」
「すまねえな。金額はいくらだ?」
「聞いて驚け。18億だよ。」
「は?、どんだけ準備したんだよ。」
「庭にプールと温泉。家政婦とメイドと執事。部屋は6ヵ所。だけど、悪いか?」
「いや、プールと温泉はいいけど。家政婦とか、いらない。よけいな人達まで雇うな。」
「ちぇ、わかったよ。そしたら、金額は10億だよ。」
「わかったよ。支払いはカードでな。」
「そんなの、知ってるわ。お前がカード以外持ってる所見たことないからな。」
「おう、よろしくな。」
電話を切って、妹達の方を見た。
「家とか決まったぞ。」
5人は、嬉しそうな顔で俺の方を見た。
「ありがとうございます。お兄ちゃん。」
何でそんなに、純粋な目で俺を見るんだよ。何か、ホントに妹に思ってしまうだろ。
「……、家……何処?」
鈴美は、両手をもじもじしながら聞かれた。
「この近くだよ。もう、家に行く?」
「……うん、……お兄ちゃんと……同じ…部屋に……暮らす。」
鈴美が、言った言葉に驚いた様子で4人は鈴美の方を睨んだ。
「鈴美抜け駆けはダメだよ。」
「同じ部屋に暮らすのは私だよ。」
「お兄ちゃん、私を選ぶよね。」
「おおおおお願いします。」
どうやら、鈴美が抜け駆けしようとしたみたいだ。
「ちょっと待て、お前達の部屋もあるから同じ部屋はダメだ。」
5人は「イヤだ。絶対に誰か選んで。」
女が5人も、揃うと恐ろしく感じた。
「わかった。なら、1日ごとに決める事にする。月曜日は雛。火曜日は可那子。水曜日は鈴美。木曜日は林。金曜日は奈美子。土曜日は全員。日曜日は休み。これで、いいだろ。」
妹達は、喜んだ顔で「私達の言うこと聞いてくれて、ありがとうお兄ちゃん。」
「よし、家に向かうぞ。」
向かい始めたが、ホントに俺の言った事を守ると俺は思っていたが裏切られた。