04話 羨ましい
「いらっしゃい。何名様ですか?」
レストランに入ったらスーツ姿の男性が出迎えた。
「えっと、5人で……す。何でお前がここで、働いてるんだ?」
出迎えた人は俺の知り合い。名前は谷村健。
「いや、色々あってさ。今はお金稼ぐためにバイトしてるんだ。それにしても、隆人お前が犯罪者なったんだな。」
「おいおい、ちっと待て。俺がいつ犯罪者になったんだよ。」
「お前の後ろの女の子達に、(お金あげるからおいで。)とか言ったんだろ。」
「そんな事言ってないよ。勝手についてきたんだよ。」
「ひどいですよ、お兄ちゃん。私達はお兄ちゃんの妹なんですよ。」
「え…………、隆人ホントなのか?」
もう、説明しないといけないから俺は5人の妹達を座らせて「好きに頼んでいいよ。」言ってから俺は健を引っ張ってレストランから出た。
「おい、隆人。少し待てよ。いきなりどうしたんだよ?」
「悪い。いきなり引っ張ったりして。あの子達は、俺のお父さんがお金で買った子供達なんだよ。だから、俺がお金を支払いして5人を自由にしたんだけど…。名前を聞いたら、俺と同じなんだよ。」
「ちょっとまて。隆人には妹とかいないはずだよな?」
「それが、ホントなのか嘘なのかもわからないんだよ。」
「まあ、わかった。てぇ、その5人はどうするんだ?一緒に暮らすのか?」
「いや~、今のところありえそうだよ。」
「なんだよ。隆人ばかり、羨ましい生活して。俺にも、一人ぐらいわけてくれよ。」
「それは、俺が決めることではない。5人に直接聞いたらいいよ。」
俺と健は、レストランの中に戻り5人の元に向かった。俺が目にしたのは、テーブルいっぱいに食べ終わった皿がたくさんあった。
「お前らはどんだけ、たくさん食べるんだよ。」
「お兄ちゃん、お帰りなさい。お話は終わりましたか?」
雛だけが、話しかけてくれた。他の子達はずっと食べ続けていた。
「えっと、話は終わったけど俺の知り合いが君達に話があるんだって。ほら、健言えよ。」
「いいですよ、お話聞きますよ。」
「ありがとう。それでは言いたい事を言います。俺の妹になってください。」
健が言い終わった瞬間5人は、「イヤだ。」健に向かって言った。健は、ショックで俺に一言言った。
「隆人。俺にできることがあったら言ってくれ。」
「わかったよ。なら、1つお願いがある。マンション売ってくれ。」
「どうしたんだ?お前たくさんマンションあるだろ。」
「そうだけど、頼むよ。」
「しょうがないな。金額の上限はないだろ?」
「ないよ。だけど、家具とか服とかも合わせて今日中に揃えてくれ。」
「全部だと。急すぎるだろ。」
「もしも、できるなら2倍の金額で買う。」
「ホントに、隆人は変わらねえな。」
雛が、健さんが言った言葉に興味をもった。
「健さん。お兄ちゃんの昔知ってるんですか?」
「知ってるよ。知りたいのかな?」
「はい、教えてください。」
「なら、今度俺の家で楽しくお話しようぜ。」
雛は、イヤそうな顔で言った。
「すいません。やっぱりやめときます。何か健さんから危険な感じがしますから。だけど、お兄ちゃんになら何をされても嬉しいです。」
頬を赤らめて俺の方を見ながら言った。
「クソー、隆人ばかり羨ましいなこのやろ。覚悟しろよ。マンションとか色々全部合わせて5倍だからな。」
「わかったから、よろしくな。」
「何でお前は、そんなに爽やかなんだよ。」
健は、バイトを途中でやめてレストランから出てった。そして後ろから、俺の服を軽く引っ張られてる感じがしたので俺は振り返った。
「どうした?鈴美。」
鈴美は、俺に長い紙を渡した。
「えっと、もしかして請求書かな?」
鈴美は、縦に顔をふった。恐る恐る金額を見た。
「凄いね。」
金額は、10万5872円だった。俺は、5人がこんなに食べると思わなかった。5人はニコニコしながら「お兄ちゃん、ごちそうさまでした。」言われた。
「わかったよ。さあレストランから、出るよ。」
俺は紙を持ちながらレジに向かった。紙を渡してお会計済ませた。そして、レストランから出た。
「まだ、知らないことが多いから話してほしいんだよ。いいかな?」
「はい、わかりました。」
「いいよ、お兄ちゃん。」
「……うん。」
「何から聞きたい?」
「ははは、はい。」
とりあえず、俺達は公園に向かった。