27話 1度の別れ
そして、走り続けて20時間が経過した。
「里奈、少しペースおとそう。」
「そうだね。それでも、間に合うからね。」
百合と里奈は、ペースをゆっくりとおとした。
「あれ?2人ともペースおちてるけど大丈夫?」
「大丈夫だから、気にしないで行っていいよ。」
「私達も後から落ち着くから。」
「わかったよ。先に行ってるから絶対に来てね。」
「わかってるよ。」
5人と差が広がり雛達の姿が見えなくなった。そして、2人は動きを止めた。
「どうしたの百合?」
「ごめんね。私はこれ以上先に行けない。」
「何で?何で行けないのよ。」
百合の体内にはある縛りがかけられている。
「里奈が、気絶してるときにガルンに1回蹴られたんだよね。多分その時に、縛りの呪いがかけられたんだと思う。」
「何でその事を早くに言わないのよ。」
「ごめんね。私はお兄ちゃんが一番だから。」
「お兄ちゃん一番なのはわかるけど、死んだら意味なくなるんだよ。」
「もちろん、わかってるよ。でも、ごめんね。私はここから、別行動するね。」
「別行動?何処に行くの?」
「私にかかってる縛りの呪いを解いてくれるところ。」
「知ってるなら、何で早く行こうとしなかったのよ。」
「知らないよ。だけど色々調べて探すわ。」
「なら、私も一緒の方がいいでしょ。」
「ダメだよ。里奈は、ウルの処を知ってるのは私と里奈だけなんだから。」
「……、わかった。けど、絶対に生きて再開しよう。これだけは、約束ね。」
「うん。そんなのあたり前だよ。」
百合と里奈は、お互いに逆の方に向かって移動を再開した。
「遅くない?」
「だね。」
「…帰った?」
「それは、ないよ。」
「そそそそうだよ。」
そして、里奈が追いついた時に5人は気づく。




