20話 反論
「百合、お兄ちゃん移動させよう。」
「里奈、そうだね。」
2人は隆人お兄ちゃんの両腕を持ちながら資料室の所に向かった。
「おい、お前達どこに運ぶつもりだ?」
「資料室。」
「何で知ってるんだ。」
「私達未来を見ることができるから。場所とか知ってる。」
未来?もしかして、未来とは世界の未来が見えると言うのか。
「そんなことが、可能なのか?」
「ちょっと百合、言ってはダメ。」
その能力は、自分の記憶と命を削って使うことだから。
「そんな、すごい能力を使って大丈夫なのか?」
「大丈夫じゃないはずだよ。」
「うん~、特に問題はないかな。」
「百合言ってはダメだよ。」
「さすがに、わかってるよ。」
何かを隠した。
「ディン。お兄ちゃんの治療してね。」
それは、答えを断ることができないほどの威圧感だった。
「わかった。」
そうして、資料室に着き隆人の体の状態を確認しているとわかった。健が言っていた、無数の傷を見つけた。
「特に問題ありません。」
「ありがとう。」
「ディンありがとう。」
そして、ディンはブンに確認ができたからブンに報告した。
「ブン、本部に連絡する?」
「やめておこう。」
ブンは、もう理解している。もしも、本部に連絡しようとしたら確実に殺される。だから、バレないように連絡してもバレてしまい殺される。だから、選択肢は1つ。連絡もなにもしない。それが、ブンの答えだった。
「わかったブン。」
「私達は、こんなに弱いんだね。」
「2人が強すぎるんだよ。」
健は自分が弱いけどデータとか敵の強さは1回見ただけでわかるんです。それが、健の能力アイキル。アイは目。キルは記憶。
「君達もしも、ガルンの事バラしたら殺しますから。」
いきなり百合は、言った。それは、冷たい目だった。
「わかった。」
「わかってるよ。」
だけど健だけは違った。
「断る。」
その言葉に、ブンとディンは振り向いた。
「へぇ、凄いね。」
「断ることができるなんて、生意気です。」
百合と里奈は、笑顔で言った。
「言わないかわりに、条件がある。お前達が、僕の目の前から消えることだ。」
もちろん、答えは「断る。」だった。そして、2人は、殺意を出して構えた。




