02話 限界だ。
「なんだ。理解できてない顔をしてるな。」
「いきなり妹とか言われても分からねえよ。お父さんは、俺に妹とか居ないと言っただろ。もしかして、それも嘘なのか?」
俺のお父さんは、よく嘘をつく。なぜ、嘘をつくのか聞いたけど答えてはくれなかった。
「正解だよ。隆人も少しは学習したか。この子達は、俺が雇った子達だよ。」
「学習もなにも、毎回騙したりするから自然とわかるようになったんだよ。」
「なら、話は早い。」
お父さんは決まって、俺を騙してから絶対に言う言葉がある。
「この子達は、隆人の好きにしていいんだぞ。」
そう、これがお父さんが決まって言う言葉だった。
「何でお父さんが、その子達の未来まで決めようとする。その子達だって、やりたいことあるんだぞ。」
「そんなの、この子達の親に言え。」
「え…、何で、親が出てくるんだよ。」
「この子達は親に売られたんだよ。貧しい生活がイヤで、自分の子を俺に売ったんだよ。」
そんな事知りたくなかった。
「いくらで、買ったんだよ。」
俺は怒ってる。お父さんはいつも、俺の知らない人から子供を買って連れてくることに。
「なんだ。知りたいのか。教えてやるよ。この子達を買うために使ったお金は30万だ。」
それは、俺がお父さんから生活費とかでもらう金額と同じだった。
「何で、お父さんは人を物みたいに扱うんだよ。人だって生きてるんだぞ。」
俺はお父さんが、人間はお金を出せば買えると思ってることも嫌いだ。
「そんなの知ってるよ。けどね、隆人の生活を手伝ってくれる人だっているだろ。だから、お金を出して子供達を連れてきてるんだよ。そこは、分かってくれるよな?」
「わからないね。そんなのお父さんが、決めたことだろ。こんな家はもう限界だ。その子達も俺が連れていく。」
「何を言ってる。隆人に、30万が払えるのか?払えもしないのに、俺から連れていくのか?」
これが、お父さんの嫌いなところ。自分が買ってきた人に対しても払ったお金を要求してくる。だけど、俺はお父さんが言ってくることがわかっていたから準備はしていた。
「これで、いいだろ。」
それは、金のクレジットだった。クレジットでは、ブラックが一番上だと思う人が多いが俺には金の存在が知っていた。そして、その金のクレジットは限度額もない素晴らしいクレジット。
「何で隆人が、このクレジットを持ってる?」
「まあ、教えてないからわからないよな。お父さん。あんたからもらった生活費を元に増やしたんだよ。まあ、お父さんが言うならギャンブルて言うのか?」
「何だと隆人ー。」
お父さんの後ろから鳴き声が聞こえてきた。それも一人ではなく全員だった。
「何お前ら泣いている。」
「それは、親から売られて自分の進みたい人生を1度なくした子供達の涙だよ。もう1つ、それは自分の自由が戻ってきたからだよ。」
「何だよ。隆人、お父さんを捨てるのか?一緒に暮らそう。」
お父さんは、俺にゆっくり近づいてきた。
「悪いね、お父さん。あんたとは、暮らせない。」
俺は、お父さんの肩を1度手で叩いてすれ違った。
「何で何で、隆人が俺より上にいるんだよ。」
「もう、自分が溺れていたことに気づけよ。」
そして、お父さんに投げた金のクレジットをひろって女の子達と一緒に屋敷から出ていった。それに続いてクビになったメイド達も屋敷から、出ていった。