七
どこで区切るかは
あなたの自由
*
鉛筆
やわな炭素の塊
描くのは
みんなへの
メッセージ
*
鎮魂歌
恨んでる?
憎んでる?
顔もおぼろげにしか
思い出せないよ
怒ってる?
許してくれる?
笑顔で話した記憶が
無くなってしまいそう
*
羽
白くても黒くても
羽が生えて
空を飛べるなら
まずは君に
会いに行こう
*
文字
それは
ラブレターでもなく
不幸の手紙のはずがなく
書置きというわけでもない
ただの
白い紙だった
*
隣り
時折ぐっと
くっついたりして
間に誰もいなければ隣にいるのは僕だから
なんて
下らないこと
言いながら
見えなくなるまで
離れていく
*
乾く
乾ききった私を
絞っても何も出てこないよ
血も涙も汗も
元々無いんだから
喘ぐように
嫌い
と言うだけ
*
眠る
見たくないから
目を閉じて眠るんです
未練があったり
見ておきたいものがあると
人は目を開けたまま
眠ります
*
待つ
無意識に
手足がリズムを取っている
愉快なんかじゃないわ
もう日が落ちてしまったというのに
なかなかあの人
来ないんだもの
日が上るまでに来なければ
私は
私は
*
霧氷
森に氷が降りました
人柱が結晶に包まれました
風が走り
静寂に
辺りが輝きます
寒い
という言葉さえ
見当たりません
日に当たって
緑が還ってくる前に
*
窓
どうして
夜になると
この窓には
雲が映らないのかしら
*
見たことある?
あら ありがとう