九
笑ったり
泣いたり
怒ったりして
きみは
ぼくを
どう思うだろう
*
首を振る
いいよ
縦に振る
いや駄目かも
横に振る
どっちでもいいや
縦横無尽に振る
*
置き手紙
誰が書いたとか著作権とか
難しい事は
どうでもいいんだ
ただこの文をそのまま
誰かが文字として
ずうっと未来に
残していってくれたら
僕はまだまだ
ヒトを見ていられる気がする
*
止まれ
平らに
びよーんと
歩く人には
見えないから
歩く人は
止まらない
*
おこたにミカン
あっ
大変だ
親指の爪が
ミカンに
侵食されている
*
吐き出し吐息
ふっと漏れた息が
白く燃えて
消えてゆきました
青くなった爪に
かかってくれたら
良かったのに
*
こわいはなし
真夜中に
鏡を見たら
動き続けなさい
目を合わせちゃいけない
止まってもいけない
吸い込まれて
帰ってこれなくなってしまう
よ
*
アナログ時計
流れるように
回る秒針
僕は
境目探しを
楽しんでいる
*
違い
あなたはどうでもいいと言うけれど
わたしには切り捨てられない想いなの
あなたはどうでもいいけれど
わたしはわたしが大切なの
*
だから
目的地があるから
迷うんだってば
当ても無く歩いているつもりでも
迷ったと思ったら
家に帰りなさい
あなたは
帰りたがってるだけでしょう
*
手を振る
またいつかどこかで
今日一日を笑えるくらいの未来に
振った手を握り合えたらいいのに
*
きいてくれてありがと