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ライジング・サーガ ~初心者エルフとチート魔人~  作者: 秋原かざや
第2章 こんなことって、アリですか!? 怒涛の2日目

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SAVE6 ドラゴンさんに暴走発動!!

 前回までのあらすじ。

 さっそくレベルアップのために、ハイシシ森へ来た私たち。

 薬草を求めて、森の奥へ向かっていたら……落とし穴に入って、さあ大変!!

 そ、それに…………大きな岩だと思っていたら、それは大きなドラゴンさんでした。

 ちゃんちゃん♪ じゃなくって、これって、これって、ひっじょーーーーに、ヤバイんですが!!?


 ま、まずは落ち着こう。

 そう、おさらいしましょう。折角だから。

 サナこと私には、隠しスキルがある。

 それが、『竜の姫』。

 ドラゴンさんにとっても好かれるスキル、らしい。お陰でハーフドラゴンの魔王さんに殺されずにすみました。


 けど。

 けどねっ!!?

 相手が喋らなさそうな、ドラゴンさんの場合は、どうしたらいいんでしょーーか!!?


『シギャアアアー!!』

「無理無理無理ーーーー!!」

 逃げようとしても、足がすくんで、なかなか思うようにいかない。

 って、もしかして、これって、『逃げられなかった』ってやつですか!?

 こんなときに、そんなの知りたくなかったっ!!


 危険な香りがギュンギュンします。やばいです。

 例えるならば、あと数秒で変身が解ける巨大ヒーローのカラータイマーみたいな?

 落ちていったら、ロープが付いていませんでした、バンジージャンプ?


 がすっ!!

 鈍い音して、体が吹っ飛び、洞窟の壁にめり込んだ。

 痛いってもんじゃない、気絶するかと思うくらい、強烈な一撃がわき腹を殴りつけた。

 いや、違う。

 正しいのは、ドラゴンがその尾で、私のわき腹を薙ぎ払ったのだ。

 それで、吹っ飛ばされた私は、洞窟の壁にぶつかった。

 っていうか、気絶したかったよっ!!

 痛みのせいか、倒れられなかったしっ!!

 よくよくみたら、私のステータス画面の枠が真っ赤に点滅してます。

 HPもたったの1だしっ!!


 もうもう、これって絶望的……。

 私、死んじゃったらどうなるんだろ?

 またあのファーストレインの町に戻されちゃうのかな?

 ごめんね、皆、またお手数おかけします。


 ……。

 ………。


 ゆっくりと、スローモーションを見ているかのように、ドラゴンがゆっくり近づいてくる。

 涙が、零れた。

 やっぱり……やっぱり、ダメっ!!

 ここで死にたくないよぉ……。


「助けて、ラナ君っ!!」

 ボロボロの体で、声だけ張り上げた。



「危ない、サナっ!!」

 瞳を閉じて、ドラゴンからの攻撃の衝撃を……あれ?

『キシャアア!!』

 ドラゴンさんがまだ居て。

「大丈夫? サナ」

 ラナ君が駆けつけてくれた。まるで、王子様のようだった。いや、顔は本当に王子様だから、思わず頬を染めちゃったけど。

「ラナ君……こ、怖かった……」

 ラナ君が、助けてくれたんだ。背中を向けて、私を抱きしめて、盾になってくれたのだ。

 しゃくりあげながら、私は泣いていた。幼い子供のように泣きじゃくりながら。

「もう大丈夫、大丈夫だから」

 優しく抱きしめて、頭を撫でてくれる。その間にラナ君は、私に向けて回復魔法をかけてくれた。

 たった1しかなかったHPが、すぐに満タンになった。

「でも、ラナ君、背中……」

「ああこれ? 平気だよ、かすり傷だから」

 ちらりと見えたラナ君のステータス。かなり鋭そうな爪。なんかしゃっきーんってすっごい良い音聞こえたんだけど、えっと、3だけ? 減ったの3ですか? 私、尻尾の攻撃で、根こそぎHP奪われたんですけどっ!?

「で、サナを泣かせたのって、あのドラゴン?」

「え、ああ、うん」

「そう」

 急に、何故か、空気が凍りついた。

 嵐の前の静けさってやつだろうか?

 あ、あれ? ら、ラナ君、怒ってる?


 ぷち。


 あっ!!

 不吉な音が聞こえた。


「へえ、俺の可愛いサナを、あんな風にするなんて、良い度胸じゃないか?」

 ラナ君はツインソードを鞘から引き抜いた。

 あれ? ちょっと華奢な剣だったと思ったんですけど………そのデッカイ剣はなんですかぁ!!??

 その二本の剣を一つに合体させて、おっきくて、格好いいグレードソードを作り出した。

 ……あれ? ラナ君、今、『俺』って??

 そ、そういえば……何かスイッチ入ったら目覚める、隠しスキル発動ですか!!?

「たかがレベル38のラウンドドラゴンの分際で」

 大地を踏みしめ、構える。

「可愛い可愛い竜の姫だからって」

 剣に光が集まってくる。その光が凝縮して……。

「こんなことが許されるなんて」

 すうっとそのオッドアイの瞳を細めた。充分、威圧的で迫力満点です、ラナ君っ!!

「思うなっ!!」

 カッと弾ける閃光!

「デッド・エンド・エターナル・クロス・ブレイダー!!」


 なにが起こったのか、よく見えませんでした。

 切り刻んでいたような気がしましたが、閃光でよく見えませんでした。

 動きもめっちゃ高速だったし。

 ただ……その後に残った巨大なクレーターと、ちょっと壊れた(いや、かなり)洞窟の壁が、その威力の凄さを語ってくれてます。


「ふう、良い汗かいた♪」

 汗を拭いて、でっかい剣を、いつものツインソードに戻したラナ君が、とても爽やかな顔で振り返った。

「怪我は無い? 悪は滅したよ」

 うん、滅したね。容赦なく、跡形もなくね。

「あ、ありがとう」

 一応、お礼を言っておこう。そうでないと、私がやられそうだ。

「おーい、二人ともだいじょーぶ?」

「あらあら、凄いことになっちゃってるわね」

「これはアレだな」

「暴走……」

 ぞろぞろと、落とし穴の入り口から、みんながやってきた。

「お陰で助かりました」

 たぶん、そういうことなんだろう。


 その後のことは覚えてません。

 あのぶちきりラナ君の怖さが、身にしみちゃって。

 けど、クエストはいつの間にか終わっていて。


 私はレベル30になりました!!

 まだまだ下っ端ですけど。


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