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ライジング・サーガ ~初心者エルフとチート魔人~  作者: 秋原かざや
第3章 大海原を越えた先に

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SAVE11 ひとりぼっち……じゃないかも?

 えっと、その……。


 前回までのあらすじ。

 迷子になって、そのまま船に乗ったら、さらに迷子に拍車がかかりました!!

 しかもお金、あまりありませんっ!! 隊長、ピンチですっ!!


「誰か、助けてー!!」

 誰にも聞こえてないと思うけど、一応、叫んでみた。

 けれど、何も答えがない。


『もう、駄目な子ね。だから、あんまり遠くへ行っちゃダメって行ったでしょ?』

 ふふっと笑みを浮かべるミスティさん。


『何処に行ってた?』

 心配そうに覗き込むとうさん。


『ひよっこが、何してるんだよ』

 ぺちんとデコピン。アルフさんがくしゃって、頭を撫でる。


『サナちゃん、サナちゃん! ほら、見て!!』

 あのとき買ってくれたピンをセレさんが見せてくれて。


『バカサナ!! すごくすごく探したんだから!! ……よかった、ここに居たんだね』

 ラナ君が優しく抱きしめてくれて。


 うるっとしたら、止まらなくなった。

 確かめたんだ、戻れるかどうか。でも、帰りのチケットは……買えなかった。半分しかなかった。

 だから、ここで何とかしなきゃいけない。

 たった、一人で。


 ひとしきり泣いて、すっきりした。

 うん、ここで泣いてばかりじゃダメだ。

 みんなにまた会えるように、がんばらなきゃ。

 ただでさえ、ログアウトできないのに、ここでくじけてたらきっと、笑われる。

「うん、がんばる」

 ぎゅっとロッドを抱きしめて、私は立ち上がった。

 まずは、冒険者ギルドを見つける。

 そこで、私が受けれそうなクエストを見つけて、お金を貯めて、帰るんだ。

 ファーストレインの町へ。

 みんなのいる、町へ!!


「嬢ちゃん、そこで何してるんだ?」

「はい?」

 声をかけられた。振り向くと、そこには、にやにやした顔で近寄ってくる、悪そうな人達。

 ガタイが良くて、けれど、顔は最悪だ。イケメンじゃあない。お世辞でも無理だ。

「あ、どうも、ご心配なく」

 嫌な予感を感じつつ、私はじりじりと後ずさり。

「なんなら、俺達が良いトコ、連れてってやろうか?」

「結構、ですっ!!」

 持ってる力、全部使って、アロー系の魔法をいっぱい放った。

「どわああ」「ぐおおお!?」「やりやがったな!?」

 そして、私は駆け出した。走って走って、どこをどう走ったのかわからない。

「誰か、誰か助けてっ!!」

 そう叫びながら、逃げる逃げる逃げる。彼らはそれでも追いかけてきていた。

 絶体絶命。

 ラナ君も居ない。

 最悪なシナリオが頭の中でぐるぐる回る。

 もうだめだっ!!

 角を曲がって、私はよろめいた。

「誰か……たすけ」

「こっち」

 小さな声が聞こえた。扉が僅かに開いて。

「こっち」

 手を伸ばしたら。

 ぐいって引かれて、扉が閉じた。


『おい、どこいった?』

『あの女、見つけたら今度こそ……』

『おいおい手加減してやれよ? へへへ』


 そんな声が遠ざかってゆく。

 そして、聞こえなくなった。

「もう、大丈夫だよ。災難だったね。大丈夫?」

 真紅に燃えるような髪。琥珀色した瞳。淡いピンクのルージュを付けてる。

 軽そうな革鎧を付けて、肩にロープがくくりつけられている。

「あ、ありがと……ございまひゅ」

 最後の言葉は言葉にならなくて、しくしく泣いてしまった。

 赤い髪のお姉さんは。

「よしよし」

 優しく背中をとんとん叩いてくれて。

 しばらく、そうしてくれた。


「あの……本当に、ありがとう……ございました」

 ぺこりと頭を下げる。

「いいってことよ。気にしないで。あいつら、小さい子を見るとああやって追いかけるから、まずは隠れる。そしたら、さっきのようにやり過ごせるから」

「はい、今度からそうします」

 と、そこまで言った後で。

「うん、返事はいいね。あたしはクリムゾン・キッド。キッドって呼んで」

「あ、私はサナって言います。えっと、魔術師してます。ゲーム初めて2日目、ですけど」

 いつの間にか自己紹介タイムに入ってた。

「じゃあ、初心者だね。がっつり。で、一人?」

「少し前までは、みんなと一緒だったんですが……迷子になってしまって……」

 私は、今まであったことを全部話した。

 そしたら、キッドさんは、同情してくれた。

「大変だったんだね。よし、決めた! お姉さんが一肌脱ごうじゃないか!!」

「えっと、ここで脱がないでください」

 真面目に脱ごうとするキッドさんに、思わずツッコミしてしまった。

「ツッコミもいける口か、やっぱ、相棒にするにはいいかも」

「相棒、ですか?」

 私の言葉にキッドさんは苦笑を浮かべた。

「実はさ、一緒にいたパーティメンバーが、あたし以外、全員引きこもっちゃって、あたし一人でクエストに挑んでたんだ。でも、二進も三進もいかなくってね。仲間を探してたんだ」

「そうだったんですか……」

「そこで、サナに偶然会ったってワケ! これも幸運の女神様の思し召しだと思うんだ!」

 ぎゅっと私の手を握って。

「あたしと、パーティ組もっ!!」

「え、あ……」

「ねっ!! あたしを助けると思ってっ!!」

「は、はいっ」

 いつの間にか、私はキッドさんのパーティメンバーに加わることになっちゃいました。


 でも、これはこれで、いいのかも?

 そういえば、キッドさんの受けてるクエスト、何だろう?

 こうして、海を越えてきた町で、新たな仲間を見つけたのでした。

 

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