【No.88】栽培種の起源2 ハマダイコン
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
ハマダイコン(アブラナ科)
Raphanus sativus. var. hortensis f. raphanistroides
ハマダイコンです。その名の通り海岸に生えるダイコン。早春に白で花弁の縁が赤紫になる花を咲かせます。私が毎年初日の出を見に行く伊豆の爪木崎にも、このハマダイコンが咲くところがあります。スイセンが咲く爪木崎の海岸にはみられませんが、爪木崎から須崎へと海岸沿いの遊歩道を歩いていくと、途中にわずかながらハマダイコンが咲いている所があります。地下にはダイコンほど太くはないのですが肥大した根ができ、辛みは強いが食べられるそうです。
ちなみに、これを畑に植えて育てると、普通のダイコンみたいになるそうです。
このハマダイコン、栽培種のダイコンと同種とされており、栽培種のダイコンが野生化して海岸に定着したものと考えられていましたが、最近のDNA解析では、栽培種のダイコンとは系統が異なり、古い時代に、栽培種とは別に穀物等に紛れて入り込んできたという説が出ています。
確かに、花の色や葉の様子等に、栽培種のダイコンとは違う雰囲気があって、私はなんとなく別系統説を信じたくなりますが。
ダイコンの起源ははっきりしておらず、野生の原種は見つかっていないそうですが、中央アジアや中東、地中海沿岸等が原産地なのではないかと言われています。
もし中央アジアが原産地だとすると、日本では原産地とは全く異なる海岸という環境に定着したことになります。ダイコンの種子にはコルク質の「浮き」がついており、水に浮かんで散布されるので、私は地中海原産ではないかという気がします。まあ、地中海原産の原種と中東や中央アジア原産の原種が複雑に交配されてダイコンが出来た、というのが正解なのかも知れません。
ダイコンは日本や中国、韓国、ベトナム等で食べられているそうで、ヨーロッパでも食べられるそうですが一般的ではないようです。ちなみに世界一の消費国は日本。品種も様々で、丸くて巨大な桜島大根や細長い守口大根等、特に日本で多くの品種が作られてきました。理由はいろいろあるのでしょうが、沢庵やべったら漬など、様々な種類の漬物で食べられることが、大きな理由のひとつのような気がします。それぞれの漬物に合ったダイコンの品種が作られた結果、こうなったのかも知れません。
ちなみに、ヨーロッパではサラダで生食されることがほとんどなんだそうです。なんだか勿体ないような気がします。煮ると美味しいのにね。シチューなんかにも合うと思います。
ダイコンの花、海岸以外でも見ることがあります。東京だと、皇居のお濠の周りの土手に結構な数が生えていて、春になると白紫色の花が群開して、なかなかきれいなものです。ここに生えているのは多分栽培種のダイコンが逸出したものでしょう。
皇居のダイコンの写真はないんですが、ハマダイコンの群開の写真をひとつ。
<群開するハマダイコン>
群開すると、美しさは菜の花に負けてない気がします。
ところで、ダイコンの一番美味しい食べ方って何でしょう?おでん?ふろふき?沢庵?
私の個人的な見解ですけど、大根おろしにしてご飯にのせて醤油をたらす。私はこれが一番好きかな。
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以上、ハマダイコンとダイコンの起源の話でした。




