【No.86】人が好き? マヤラン
マヤラン(ラン科)
Cymbidium macrorhizon
マヤランです。
このエッセイに時々出てくる、葉っぱのない植物のひとつ。成長や繁殖に必要な養分の全てを菌類からもらって、自分では光合成をしません。「菌寄生植物」とか「菌従属栄養植物」とか言われます。花期は秋。
何で今の季節にこのネタを引っ張り出したかというと、あれです。以前シュンランの時に出てきた「リゾーム」というやつ。地上に出てこずに地下でイモみたいな状態で成長するというやつですけど、写真が用意できなかった。
ところが、この間、筑波実験植物園の蘭展に行って来たら、このマヤランの地下部分、つまりリゾームが標本で展示されていたんです。そういうわけで、シュンランのものではないんですが、同じシンビジューム属ということで、リゾームの姿をご紹介します。こんな感じ。
<マヤランのリゾーム>
黒い線から下が地下部分。リゾームになります。シュンランは何年かするとここから葉を出しますが、マヤランは葉を出さずに、いきなり花を咲かせて実をつけます。共生菌はロウタケ科のキノコ。このキノコはブナ科やマツ科の樹木と共生しており、これらの樹木が光合成で生産した養分を、キノコを介して受け取り、成長します。
ちなみに、大株になるとこんな。
<マヤランの大株の標本>
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こうした菌寄生植物は、普通は暗い樹林の下なんかに生えるんですが、このマヤラン、どういうわけか歩道の脇とか、比較的明るい所で良く見る。暗い樹林の真ん中で咲いているのは見たことありません。
生える場所も、緑地や公園なんかで良く見かける。なんか、人が好きなんじゃないか、と思うくらい、目立つ所で咲きます。都内の緑地や公園でも結構みかけます。
冒頭の写真は、千葉県の某緑地公園で撮影したもの。ここでは、毎年かなりの数のマヤランが咲きます。で、咲いている場所はほぼ全部遊歩道の脇。踏まれないか心配になるくらい。
まあ、人が好きというより、ハナバチ類が飛んでくる明るい場所で花を咲かせたいんじゃないでしょうか。理由についてはそんな風に推測しています。
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で、いつものように調べてみました。花言葉。
ありました。こんなの(失礼)にも花言葉がついてました。
「謙遜」「忍耐」「高潔」「清純」「気品」だそうです。




