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あてどない植物記  作者: 蘭鍾馗


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【inntermission】あてど植物園企画展示2 「田んぼの雑草展」

 あてど植物園へようこそ。二度目の企画展示です。

 今回のテーマは「田んぼの雑草」。


 田んぼの中には、結構いろんな種類の雑草が生えています。

 オモダカやイヌビエなど、イネと同じくらいのサイズになるものもありますが、その多くは背丈10cm以下の小さなもの。一年草がほとんどで、それも夏遅くにようやく発芽して、秋に咲くものが多い。これは水田の草取り等の管理に適応した結果だと考えられています。

 こういう生活史をもつ植物を、雑木林の「春植物」になぞらえて、「水田秋植物」と呼ぶことを提唱している研究者もいます。


 そして、もう一つの特徴。それは、小さいながらも花の美しい種が多いこと。

 では、ご覧ください。順路はこちらから。


  <順路☟>


 

①イボクサ(ツユクサ科)

 Murdannia keisak

挿絵(By みてみん)


 田んぼの端のほうに、マット状の群落をつくることがあります。田んぼで一番よく見かける雑草かもしれません。10月頃に淡紫紅色の1cmくらいの花を咲かせます。名前は、葉をもんだ汁をつけるとイボがとれると言われることから。本当に効くかどうかはわかりませんが。


  <順路☟>



②コナギ(ミズアオイ科)

 Monochoria vaginalis var. plantaginea

挿絵(By みてみん)]


 これも田んぼで比較的よく見かける雑草。背丈はせいぜい十数cmくらいでしょうか。花は2cmくらいかな。昔は食用にしていたんだとか。

 小さいけれども、濃い青紫のなかなか美しい花です。


  <順路☟>



③ウリカワ(オモダカ科)

 Sagittaria pygmaea

挿絵(By みてみん)


 冒頭で、イネと同じくらいの大きさになる雑草としてオモダカを挙げましたけど、それのミニチュア版みたいなやつ。背丈はやっぱり十数cm。オモダカは矢じり型の大きな葉をつけますが、ウリカワは線形の小さな葉をつけます。このウリカワの葉が、実はオモダカの発芽したばかりの幼植物にそっくり。いわゆる「幼態成熟」というやつかも知れません。


  <順路☟>



④キクモ(オオバコ科)

 Limnophila sessiliflora

挿絵(By みてみん)


 これもちっちゃいです。浅い水中に生え、水が引いたり、水上に顔を出したりすると開花します、花は径5mmくらいかな。でも色はなかなか美しい紅紫色です。現在、数が減少していて、県によってはレッドリストに記載されていたりします。


  <順路☟>



⑤ミゾカクシ(キキョウ科)

 Lobelia chinensis

挿絵(By みてみん)


 学名はロベリア シネンシス。花屋で鉢花として良く売られている「ロベリア」と同じ仲間。キキョウ科ですが、多くのキキョウの仲間のような星形や釣鐘型の花ではなく、扇や手のひらを思わせるような形の花を咲かせます。茎の高さはやっぱり十数cm、花は径1cmくらい。花色は白~ピンクの間で変異があります。よく見ると、なかなか上品な美しさを持っています。


  <順路☟>



⑥タカサブロウ(キク科)

 Eclipta thermalis

挿絵(By みてみん)


 最後はこれ、タカサブロウ。

 名前の由来は、筆が買えなかった「高三郎」という人がこの草の茎で字を書いていたからとか、爛れに効く薬草だったので、爛れの古語である「タタラビ」から来た、なんていう説があるそうですが、はっきりしません。高さはやっぱり十数cmなんですが、場合により数十cmほどになることがあるそうです。

 花は径1cmくらい。真っ白なヒマワリみたいです。種もなんだかヒマワリに似ている。


  <出口☟>



 お疲れ様でした。

「田んぼの雑草展」、いかがでしたでしょうか?





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