愛犬の想い・2
夢の中の僕は、犬用ベッドに寝ているおちょめを見つめていました。
周りには仏花が飾られ、大好物のおやつと水が供えられ
おちょめの体には保冷剤が・・・。
「おちょめの体が冷えてしまう!」
そう思った僕は保冷剤を取り、何故かホッカイロをおちょめの体に当てました(笑)
するとおちょめは勢いよく飛び上がり、部屋の中を走り回ったのです。
(おちょめが死んだなんて、悪い夢だったんだ!!!)
僕は心底喜びました。
おちょめはまるで猫のようにジャンプし、テーブルに乗り、棚に飛び移り
僕の胸の高さくらいの位置だったかな・・・窓の外へ飛び出しました。
「危ない!!」
僕はそう叫んで窓の外へ身を乗り出しました。
するとそこからは空まで続く階段がのびていました。
うっすら透明で、虹色に光りすごく綺麗な・・・。
(余談ですが『アンモニカ』のラスト、過去へ続く階段のモデルはこの夢から来ています。)
その階段に、女の子が立っていました。
女の子は困ったように
「もう!私早く行かないといけないんだから、用があるなら早く言ってよね?」
腰に手を当て頬を膨らませ、そう言いました。
いろいろ言いたいことがある、謝りたいこともある
でもその時僕が発した言葉は
「大好きだよ。」
女の子・・・いや、おちょめは、少々驚いた顔をした後、にこーーーっと微笑み
「私も!!!」
と元気よく答えてくれました。
僕が手を伸ばすと、彼女は僕の手を握り返してくれました。
そこで目が覚めました。
僕の顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃに・・・。
でも不思議です。
握手した感覚が、恐ろしいほどリアルだった。
手の、ぷにゅっとした感覚というのか・・・そして、温かさ。
泊まりに来てくれていた友人は、僕の無残な泣き顔を訝し気に見つめ
僕が夢の内容を伝えると
「ちょっと待って。」
カレンダーを手に取り卓上へ置きました。
特に何も言うことなく、自然に二人で日数を数え始めました。
「1,2,3、4・・・」
1週間(7日)×・・・という数え方はしたくなかった。
敢えて、一日ずつ指を当て、数えました。
「28,29、30、31・・・」
指が震えることも、心臓が早鐘を打つようになることもない。
ただ数えることのみに集中。
「46、47、48・・・・」