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46話:各国の情勢。

 



 王太子殿下ご一行様を玄関で見送り、室内に戻りました。

 ジョルダン様の執務室で地図や書類を見つつ、明後日にお会いする隣国の第二王女殿下の事をお伺いしました


「あっ! 結婚式の時期に来られた使節団の!」

「そうだ。ランクスター王国は鋳造が盛んなんだ」


 ジョルダン様たち騎士団が使っている剣も、ランクスター王国のものなのだとか。

 前回の使節団はランクスター王国が苦手である細やかな政治や商業的技術などを学ぶために来られたのだとか。


「細やかな政治……それは言っても大丈夫なのですか?」

「あそこの国王は、なんというかマクシムみたいな感じでな、公言してしまっているんだよ」


 ………………脳筋、なのですね。


「そして、王女殿下も……かなりの脳筋だ」


 現在の世界情勢は、近隣国同士の力関係はかなり危ういところも多々あります。

 我が国は大陸の端に位置するので、港を使った貿易で各国との力関係は経済においてバランスを保っている状況です。


「我が国は、『あそこの貿易を滞らせたら各国に恨まれ戦争になる』といった印象を植え付ける事に成功している」


 ランクスター王国が今まで国同士の諍いなどに巻き込まれなかったのは、国王陛下の野性的勘とカリスマ性なのだとか。

 次代の王太子殿下がそれでは拙いと判断され、国同士の交流が数年前から始まったのだそうです。


「そこで…………まぁ、色々とあって。本当に色々とあったが、ウチの殿下が恋に落ち、あちらの王女殿下が意気投合?したんだ」


 ――――あら?


「えっと、あの……意気投合?」

「ん。意気投合、だったな。ぎりぎり恋愛感情もあるのかもしれなかったんだが……今回のことで少しだけ認識を改めている」


 なんですかその王太子殿下のみ茨な道の恋愛は。

 気になって仕方ないではないですか!

 私、基本的に他人(ひと)の恋愛話は大好物なんですよね。お会いしてお話するのが楽しみになってきました。


「ドレスの色合いとしては、彼女は基本的に赤系統を好むので、そこを外しておけば大丈夫だと思う」

「……殿下の瞳の色も外しておきましょう」

「そういうものか?」

「はい。そういうものです。恋する乙女は、好きな人の色を少しでも堂々とでも、身に着けたいのです」


 ジョルダン様がじっと私を見つめて来られました。

 どうかしましたか? と首を傾げて見つめかえしましたが、無言です。

 そしてなぜか腕を組み、ふいっとそっぽを向かれてしまいました。耳が真っ赤です。


 ――――照れてる?


「…………まぁ、分からないでもない。瞳の色も外しておくに越したことはないな」


 ですと、黄色やオレンジ系になりますが持っていたでしょうか? ピンク色などは嫁入りしたあとなので、流石に着るのは憚られますし。


「肌着は桃色を着ているのにか?」

「そそそそ、それとこれとは違うんですっ!」


 謎の照れから一転、夜の帝王一歩手前くらいのジョルダン様が出てきてしまいました。

 まだ夕方ですのでお帰り願いたく存じまっす!




次話も明日の朝に投稿します。

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