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異世界転移RTA

作者: こ~りん

 最近異世界転移や異世界召喚というのが流行っているらしい。ニュースでもやってた。

 私はそれを今になって思い出す。


「おお、あなたが勇者様ですか……!」


 目の前にはラノベでよく出てくる王様っぽい人が。

 時間がもったいなので、説明しようと前に出てきた老人を無視してステータスを開く。

 え? なんで分かるんだって? そんなの異世界から帰ってきた人達が「ステータスはこうやって開くんだぜ!」ってよく言ってるからに決まってるでしょう。


 こちらステータスです。


――――――

響・リリー・フライルディア


種族:人間(異世界人)

職業:勇者

《固有スキル》:リアルタイムアタック

――――――


 はい、確認終わり。《固有スキル》の効果は大体察しがつくのでそのまま使います。

 職業勇者って何? と疑問はありますが無視です無視。そんなことに突っ込んでたら異世界では生きられないんですよ。


 まず床の魔法陣を踏みます。これで魔法陣が誤作動を起こします。魔法陣が誤作動しない可能性なんてゼロなので有り得ます。

 次に誤作動を起こした魔法陣から溢れた魔力が勝手に魔法を発動させます。これだって可能性がゼロじゃないので有り得ます。

 発動した魔法は別の空間と繋がる魔法のようで、目の前に聖剣らしき武器が突き刺さった岩が見えます。勇者なので聖剣は簡単に抜けます。


「そ、それは伝説の……! って、どこから?」


 次に聖剣を振るいます。どんな力があるか知りませんが、狙った相手に命中する効果がある可能性だってあるのですから、そうなります。

 はい、この世界を脅かしている敵に命中しました。魔王のようですね?


『グフゥ……コレハ聖剣ノ!? ……エ?』


 ですが致命傷にはならなかったようです。大幅な時間ロスですね……私は速く帰って冷蔵庫のプリンを食べたいというのに。

 仕方ないので、聖剣の攻撃の余波で再び誤作動した魔法陣が発動した転移で魔王の元に向かいます。

 目の前に来たので聖剣を振るって討伐します。運良く一撃で倒せる可能性があるのは常識なので倒せます。


『ク……シカシ第二第三ノ我ガ……』


 あ、面倒なのでカットで。魔王という存在そのものごと倒す可能性だってゼロじゃないので、もちろん要求は通ります。

 はい、倒した魔王から溢れだした魔力で転移が発動して最初の魔法陣の元に戻ってきます。これだって以下略。


「おお、見事魔王を討伐したか! ――速すぎね?」


 そして聖剣を魔法陣に突き立てます。これで帰還する魔法が起動しないわけがないので私は無事に元の世界に戻ります。

 鞄の中に仕舞っていた形態で時刻を確認すると、異世界に行って大体二分ですか……一分台じゃないのはやはりあの大幅なロスが原因でしょう。


 ……え? つまらないって? 時間かけて苦労してなんやかんやするより効率的でいいでしょう?


「さ、帰ってプリン食べよ」

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