表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/20

スキル確認

ふーむ……やることがない。


歩きだしてから変わる事のない辺りの景色にやれやれと首を横に振り、斜面を滑り降りる。


足に力を込め、砂煙を撒きながら斜面を降り、身体を隠せる程度の大きめの岩に身を隠す。


この山がさっきのようなゴーレムを狩ろうとする人間がいる以上、安全策はしっかりと行わないと満足して休息もとれない。……とは言っても、疲れは感じないけど。


だが、とりあえずの身の安全はとっておかないとステータスを見ることも出来ない。


==========

個体名:なし


種族:ロックゴーレム


レベル:2 ランク:E


年齢:鉱物にそんなものあるわけないだろ


生命力:魔核が破壊されない限り無限


魔力:魔核が破壊されない限り無限


攻撃力:130 防御力:1500 素早さ:16


通常スキル:《第六感》《記憶保持》《集中》《鷹の目》《狙撃》《物体模倣》《錬金術》《魔力視認》《肉体構造把握》《肉体改造》


固有スキル:《鉱物接合》《形状変化》《情報開示》《玄武》


称号スキル:《転生者》《狙撃手》《魔核》《愚鈍なる者》《キラー》

==========


こりゃどうも。とりあえず、俺の種族から説明を頼む。頭の中にいつの間にかある知識にはないからな。


《種族:ロックゴーレム

ランク:E

長い年月を経て地中の魔力が結晶化し、それを核として周囲の岩を合体させ人に近い姿になった魔物。

関節以外の防御力は非常に高く、攻撃力も低レベルでも鉄製の武器を砕くほど。

しかし、他のゴーレム系の魔物よりも防御力は低く、また、魔核も他のゴーレム系よりも貫きやすく、矢でも貫ける。動きも他のゴーレム系よりも鈍い。

また、体となる岩は魔力が籠っており低品質の魔石となっている。

そのため、初心者の冒険者がよく狙う》


弱い訳ではないが、上のゴーレムに比べれば弱い、と言ったところか。


それにしても、関節が弱いのか……。確かに、斧で左腕が切り落とされた時も関節部を切り落とされた、間違いない事実だろう。


だが、俺がいつ覚えたか分からない知識にあるのだが魔物はレベルが上がると進化をする。レベルを10まで上げれば上位個体に進化できるそうだ。


欠点を補うためには進化を目指すことが最適解だろう。それなら、目についた人間を片っ端から殺していけば良いか。何せ、この山に登ってくるのは俺や他のゴーレムたちの鉱石目当てなんだ、殺したところで罪悪感は抱かない。


まあ、これは置いといて……次はランクとレベルだな。


《ランク:魂を階級。

E、D、C、B、A、S、Kの順で魂の階級が高い。

上の位であればあるほど、能力の上昇値が上がり、下のランク以上の能力値を持つ。

冒険者組合はランクを危険度の目安としている》


《レベル:魂が上の階級に至るための段階の表示。

年齢の上昇や魔物の討伐等がある。

魔物がレベル10以上になると進化できる。

人間は一部を除き進化しない。

レベルが上がると全能力が上昇する》


なるほど……。簡単に纏めると、ランクは魂の階級、レベルは段階を示しているのか。


レベルが上がるのはRPG風に言えば『レベルアップ』と言うべきだろう。


そして、それがレベル10以上になれば進化することができるのか。この説明風に言うのなら『魂の階級が上がる』と言うべき代物だろう。


細かいところまで詰めるとなると、かなりの情報を頭に詰め込まないといけないしおおよその事は理解できた辺りで良いだろう。


それじゃあ、次は気になるスキルを見ていくか。

とりあえず、《転生者》のスキルから説明を頼む。


《転生者:称号スキル

異界で死に、この世界で新たな生物として生まれ変わった者の証。

効果:《通常スキル:記憶保持》の自動獲得。

《通常スキル:情報開示》の自動獲得。

前世の経験、記憶に基づいたスキルの自動獲得。

この世界の基礎知識を自動獲得》


なるほどねぇ……私が記憶を持ったまま、この世界に生まれ変われたのはこのスキルのおかげ、と言うことか。それと、私が何故かこの世界の知識を持っていたのもこれが原因か。


だが、《前世の経験、記憶に基づいたスキルの自動獲得》ねぇ。一応高校では弓道部に所属していたから長距離攻撃の手段があるのは納得できるけど……弓を使う事を前提としていないスキル構成だよな、これ。


考えられるのは……あの事件だろうな。あの事件の記憶と経験が私のスキル構成に変化を生じさせた、と言ったところか。


次は《転生者》のところで自動獲得したスキルで良いかな。最初に《記憶保持》の説明を頼む。


《記憶保持:通常スキル

効果:記憶を選び、忘れる事なく保存できる》


シンプルだが、シンプル故に強いスキルだな。

体験、経験、知識を自由に選び、それを忘れない。聞くだけでも強いと分かる。


これが前世にあれば数学の公式を全て覚えていたり周期表を覚えたり、はたまた教科書の内容を一言一句、自由に覚えたりすることができただろうな。まあ、前世の世界に戻る事はできないだろうけど。


それじゃあ、次は《情報開示》を頼む。


《情報開示:通常スキル

効果:生物、植物、現象の説明を開示する。

生物を対象とした場合ステータスを閲覧できる。

スキルの入手条件を閲覧できる》


ステータスを見れたのはこのスキルの力だったのか。これも《記憶保持》と同じくらいありがたいスキルだ。


これがあれば、相手のステータス由来の切り札を丸裸にできるも同然だ。それだけでも戦闘においては大きなアドバンテージになる。


専門書が詰まった本棚を自由に持ち運べる、または常にインターネットで調べものができる、と言ったところだな。


いやー、純粋に強いスキルを手に入れる事ができたし、次はよく分からないスキルを中心に見ていくか。


とりあえず、まずは《第六感》から。


《第六感:通常スキル

効果:生物由来の魔力を察知可能。

直感がよくなる。

気配を読みやすくなる》


うん、地味に強いな。


純粋な戦闘には関わらないが、相手の実力を何となくで察知できるのなら逃げる時に使える。私は素早さがトロいから相手が知覚するよりも速く動かないといけないし、これは使えるスキルだ。


次は《物体模倣》にするか。


《物体模倣:通常スキル

効果:記憶している物を寸分違わす製作できる》


生産系スキルの極地みたいなスキルだな。え、これをこのタイミングでこれを入手して良いの?気前が良すぎるだろ。


だが、これなら……この身体でも戦闘が極めて楽になり、尚且つスキルを最大限使える武器、銃を。


銃器全般は前世で嫌と言うほど使っていた。《記憶保持》の中にキチンと細かい部品も含めて持っているし、何百、何千と撃った経験も保持している。運用は可能だ。


……本来なら、何十何百と試行錯誤するものだろうけど、それをたった一回で入手できるのならありがたく利用させてもらう。それだけだ。


思考が脱線したが、スキルの方の確認をしておくか。それじゃあ……《錬金術》にするか。


《錬金術:通常スキル

効果:魔力を消費し物質を別の物質へ変化できる。

調合した薬の効果上昇》


あ、これ凄く便利だ。


この身体は鉱物を身体に接合できる。これなら、どんな物質にでも変更できる。


それに、銃を使うのに必要な弾丸や金属はこのスキルで解消できる。というか、それをするためにこのスキルが手に入っているに等しいだろう。


これは《転生者》の《前世の経験、記憶に基づいたスキルの自動獲得》によって手に入ったスキルの一つ、と見て良いだろう。


それと、薬に対する効果か。前世における錬金術の目的とその副産物がこの世界においては当たり前、と言うことか。


……もし、銃を生み出す事に成功すれば、私はそれなりに強くなれるだろう。この世界、ゴーレム以外にもドラゴンもいるし、銃だってどこまで通じるか定かではない。


最強を目指すつもりもさらさらない。そんな面倒臭い事をするつもりはない。


だが、私は生き残る。意地でもこの世界で生き残ってやる。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ