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特撮ヲタ、姫騎士のヒーローベルトに転生!  作者: 椎名 富比路
2-3 『まるで劇場版の様相だな!』「まとめて始末しましょう」

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バイソン怪人【ミノタウロス・亜種】

「いちいち、名前の読みを変えたんですね」

『違いがあったほうが、わかりやすいだろ』


 怪人が襲ってこなかった間、リュートはずっと、漢字とにらめっこしていたのである。


「私にとっては、どれもコウガなので」

『確かにそうだが!』


「もっと有意義な時間の使い方はなかったのですか? 装備を新調するとか」

 コデロは、相変わらずの塩対応だ。


「ほら、来ました」

 取り囲む戦闘員を前に、コデロは銃を構える。


『フィーンドバスターッ!』 


 銃の威力が上がっていた。戦闘員程度なら、一発で弾が貫通して倒せる。


 襲ってくるのは、戦闘員ばかりだ。武装はしているが、コウガの敵ではない。消耗すらしていなかった。徒手空拳を繰り出すだけで、数を減らせる。


『ダブルスラッシュ!』

 両手の短剣と銃を変換し、戦闘員たちを斬りつけた。


『装備を新調しろと言っていたな。見せてやる!』

 コウガは短剣に、銃口を追加する。 


『バースト・ダブルスラッシュ!』

 ノワール映画さながらに、コウガが二丁拳銃をぶっ放す。フィーンドバスターの半分に下がる。だが、戦闘員程度ならこれで十分だ。


『さて、再生怪人の実力は?』


 懐かしいイノシシ怪人が数体、投擲用の槍を構えた。

 体格は一回り大きい。が、武装は鉄製の投げ槍と貧弱だ。言葉も話さない。野盗を改造したのだろう。品格どころか人間性も失ってしまったらしい。


「ぎいい!」

 怪人が、槍を投げてきた。槍の先には、火薬弾が仕込まれている。


 投擲槍を、コデロは蹴りだけで弾き飛ばす。

 イノシシ怪人のバックにいた戦闘員たちに、爆発する槍を突き刺した。


『トゥア!』

 怪人たちには、魔力を込めた拳を見舞う。


 城塞の踊り場にて、こちらを狙う影が。

 

 物陰に隠れていても、コウガのマルチアイで探し当てて撃ち抜ける。上にいた三体倒した。


「数はどのくらいですか?」

『見えているだけで、二〇〇だ。その先はわからない!』


 戦闘員ばかりなら楽だ。

 しかし、そんな軍勢で戦争など起こすはずがない。

 おそらく強力な隠し玉があるはずだ。


「ザコは、一気に潰しましょう」

『OKだ』


 今度は、短剣同士を並列にくっつける。ソードオフ・ショットガンのような形状にした。


「銃と融合させたんですね」

『おうさ。名付けて、メガ・フィーンドバスターッ!』


 コウガは破壊光線を発射し、コマ状態に旋回する。

 拳銃モードでは魔力の弾丸を撃つ。このモードだと光線を放つのである。


 周囲にいた戦闘員や再生怪人が、破壊光線を食らって溶けた。


『やはり、再生怪人は弱体化していると、相場が決まっているな!』

「感心している場合ですか! 来ますよ!」


【ミノタウロス】らしき怪人が、斧を振り下ろす。


 間一髪のところで、コウガは攻撃をかわした。


 かつて倒した牛型怪人が水牛(バッファロー)型だった。対して、今回の相手はバイソン型である。


『こっちも! メガ・フィーンドバスターッ!』


 バイソン怪人に、破壊光線を浴びせた。


 しかし、斧によって弾かれてしまう。


 反射した光線が、他の再生怪人に命中して爆発を起こす。


『強いヤツもいるな』


 再生怪人ではない。

 基礎から新しく作ったような印象を受けた。


『牛怪人の改変型だな』

「この怪人は、動物がベースのようですね」


 人間の肉体に、体温を感じない。死体をベースに作ったようだ。


『ならば!』


 ボモオオ! という雄叫びを上げながら、バイソン怪人が暴れ狂う。味方すら蹴散らし、執拗にコウガを追い立てた。


『こっちだそ、子牛ちゃん!』


 コウガの挑発に、バイソン怪人はまんまと乗せられているようである。さらに怒り出して、角を前方に突進してきた。


『やばいな』

「あなたのせいでしょうが!」


 バイソンの角が伸び、コウガの心臓を狙う。


『トゥア!』


 跳び箱の容量で、コウガは跳躍した。


 バイソン怪人は、真後ろから迫っていた牛型戦車と正面衝突をする。大量の戦闘員が、衝撃で吹っ飛んだ。バイソン怪人も、角が戦車を貫いて身動きが取れない。


『トドメだ』


 ようやく戦車を振りほどいたバイソン怪人が、仕切り直しとばかりに再び迫る。


「コウガ・レイジングキック」

 ローからの回し蹴りを、コウガはバイソン怪人に放った。


 背の高い相手なら、足を狙うと考えていたのだろう。虚をつかれたバイソン怪人は、首を折られた。うつ伏せ状態で絶命し、そのまま爆発する。


「敵の印象は?」

『頭数を揃えたような印象を受けるな』


 まだリュートには、敵戦力を分析する程度の余裕はあった。


「相手は、本気ではないと?」

『出し惜しみされている気分だ。こちらの戦力を測られているような』

「これだけのザコが、コウガの分析だけに登用されていると?」


 コウガの力は、扱っているリュートでも未知数なのだ。ダニーですら、どこまでやれるのかわかっていない様子である。


「魔力残量は?」

『力はみなぎっている! 今日のオレは、劇場版仕様だからな!』


 大技を繰り出しては、細かい技を挟む。


「調子に乗って、魔力切れを起こさないように」

『心得ている! 作戦もあるしな!』

「それを見せる前にやられたら。目も当てられませんよ」


 やはり、塩対応だ。 

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