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特撮ヲタ、姫騎士のヒーローベルトに転生!  作者: 椎名 富比路
2-2 『めんどくさそうな女だな!』『ボクも同じ意見だよ……』

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翼竜怪人、【ワイバーン】

 コデロはバイクで、レプレスタへの道を進む。


 ミレーヌ含め、他のメンバーは、自動運転の装甲車両で移動していた。ダニーか魔力を供給している。


『キミのお兄さんのことを、聞いていなかった。どんな人なんだ?』

「ベルト様のお言葉を借りるとするならば、いわゆるオタクです」


コーデリアの兄ノーマンは、魔術師になりたがっていた。二〇を超えても結婚せず、魔法学ばかり学んでいたという。


「何が、彼をそうさせたんだ?」


「彼には、師事している教授がいました。コートニー・スケルディングという女性魔道士に弟子入りして、魔法学にのめり込んでいきました」


 しかし、様子を見た限りでは、それだけではなかったらしい。


『なるほど。初恋の人だったんだな?』

「そうなんでしょうね。けれど、コートニー教授は相手にしていないようでした」


 魔法の先生としては優秀だったようだ。しかし、プライベートは全てにおいて謎に包まれていた。


「ですが、あるとき師匠は行方不明になって」


 それから、さらにノーマンは魔法の道を進む。


「潜在魔力の総量においては、おそらくベルト様に匹敵するでしょう」

『オレと、ほぼ互角だというのか?』

「はい。戦闘経験の差から、まだベルト様の方に分があると思いますが。魔法の知識も、あなたより兄のほうが上でしょう」


 アドバンテージがあるとすれば、実戦経験の有無しかない。


「付け入るスキがあるとすれば、イクスの方でしょう」

『どうしてだ』


 聞いた限り、かなりの危険人物と思われるが。


「好戦的すぎる性格が災いして、私相手には勝てていませんでした」

『なるほど』

「とはいえ、手強いことには代わりありません。まして、彼女はデヴィランを倒す力を手に入れました。その力が、正しく使われればいいのですが、彼女は自分の都合を優先するきらいがあるので」



 城壁の前に、コデロはバイクを止める。



「あれが、エルフの民が住まう、オンディール半島です」


 レプレスタのあるオンディール半島は、森に囲まれた大陸だ。ドランスフォードの北東、イスリーブの南東に位置する。


 だが、向かいに浮かぶ島に、魔物が棲み着いた。街へ降りては、度々悪さをしてくるとか。


 かつては、冒険者たちも魔物退治に息巻いていた。しかし、あまりの強さに尻込みしているという。


『おそらく怪人の仕業だろう』

「少しずつ国を疲弊させ、一気に叩く作戦でしょう」


 急激に攻め込まないのは、エスパーダの存在があるからに違いない。しかも、彼女はコウガに匹敵する戦乙女の力を手に入れた。厄介さは増している。


「言ってる側から、おでましたぜ!」

 ダニーが銃を抜く。


「あれは?」

「ゲアアアア!」


 手のない龍が、大空を飛び回っていた。怪人が追いかけ回しているのは、白いペガサスである。


「イスリーブの王子を迎えに来たのが、運の尽き! おとなしくこの【ワイバーン】のエサとなるがよい!」

 ワイバーンと名乗った翼竜怪人が、口から火炎の球を吐き出す。


『あのペガサスは、怪人ではないな』

「森の住民のようですね」


 ペガサスは回避するが、翼に炎がかすり、燃え移ってしまう。


 車両の窓から、ラキアスが身を乗り出す。

「おそらくペガサスは、イスリーブ王子の案内を勤めていたのですわ。しかし、魔物に襲われているようですわ!」


「ならば、急ぎませんと」

 ペガサスを援護しようと、コデロは変身ポーズを取った。

「変、身!」

 右手を天へとかざし、コウガへと変身する。


「フィーンドバスター」


 コウガはベルトに手をかざし、銃を取った。

 しかし、敵の位置が高すぎる。


「これでは、狙えません!」

「銃弾も届かねえ!」


 そうこうしている間にも、ペガサスはワイバーンの吐く火球を浴びて、今にも死にそうだ。


「見ていられませんわ、コウガ!」


 崖の上から、凛とした声がした。黒い馬に乗ったエスパーダが、崖からこちらを見下ろしている。


「見てらっしゃい、とう!」


 なんと、高い崖からエスパーダが急降下した。ワイバーンの背中を狙って。


「無茶です!」

「そんなのは承知の上!」


 エスパーダは無謀にも、ワイバーンの背後に取り付こうというのだ。


「何を、小癪な戦乙女!」

 エスパーダの攻撃に気づいた翼竜怪人が、首をエスパーダに向ける。必殺の火炎を吐き出さんとした。


 そこへ、ペガサスがタックルする。


「ごへえ!」


 火炎を吐く直前で、ペガサスは怪人の首に重い一発を食らわせた。骨が折れる音がする。


「おのれ、こざかしい!」

 翼竜怪人が、ペガサスの脊髄に噛み付く。


「その汚いお口を開けなさい! お覚悟を!」

 直後、エスパーダの一撃が、怪人の背後に突き刺さった。


「えがああ!」

 怪人が、ペガサスの首から口を放す。


「ダメージが浅いですわ! ならば」

 エスパーダは剣を引き抜き、翼をもぐ。


「今ですわコウガ、トドメを!」

「分かっています。レイジングキック!」


 真上から落ちてくる翼竜怪人に、コウガは前蹴りを食らわせる。


「ごおおお! おのれコウガぁ!」

 翼竜怪人がきりもみの体勢で墜落、爆発した。

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