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特撮ヲタ、姫騎士のヒーローベルトに転生!  作者: 椎名 富比路
第二部 二号は悪役令嬢! 蒼き戦乙女 エスパーダ! 2-1 『ライバル出現だな!』「お仲間ができてうれしそうですね」

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イスリーブ国王と、故ノーマン王子

 広々とした安全な道を使い、特に魔物の気配もない。


 馬車を使わず、ダニーの車両を利用している。ダニーが運転をして、王の向かいに、コデロは座っていた。



 ノーマン王子の墓前にて、イスリーブ王はヒザをつく。


 手が震えている。よく見ると涙を流していた。


「キミのお兄さんとボクは、親友同士でね。お互いの子どもたちを結婚させようよと、話し合っていたんだ」


 しかし、兄は命を落としてしまう。


「さぞ無念だったろうね」


「しかし、ノーマンには王という同士がおります。きっと安心して逝けるでしょう」


 コデロは、優しく王の肩に手を添えた。


「ありがとう。コーデリア王女」

「ここでは、コデロとお呼びください」


「そうだったね、コデロ」

 城下町や、周辺も見て回ることに。


「ひどい有様だ。デヴィランとは、ここまでやるのか」


 ラキアスが連れてきた人手が、ガレキを撤去している。


 王に気づいた一人が挨拶をしようとした。


 しかし、王は手で制し、作業に戻らせる。


「私も手伝ったのですが、まだ何も手を付けられない状態でして」


 広大な土地でミレーヌのスパイスを栽培し、各都市に売り込んでいる。それでかろうじて、村として機能している程度だ。


「あのー、こんにちは。ここの責任者ってのは?」


 二人組の冒険者が、コデロに頭を下げた。


 一人は女剣士だ。細身の剣を携え、長い黒髪が印象的だ。

 もうひとりは、チャラいレンジャーである。羽のついたベレー帽をかぶり、背中には弓をかけていた。微量の魔力が漂っていて、握る部分に魔法石が付与されている。


 特徴的だったのは、どちらもエルフだったことだ。


「陛下、しばしお待ちを」と、コデロは王のもとから離れた。


「私ですが。コデロといいます」



「どうも。オレはクリス。こいつはレンゲだ」


「レンゲです。どうも」


 クリスは見た目通りあいさつもチャラいが、レンゲは丁寧な口調である。


「見たトコロ、シティエルフの方々みたいですが」


「そーなんだよ。俺たちは、レプレスタから派遣されたんだ」


 イスリーブとドランスフォード、二つの国との間には、レプレスタという小国がある。森に囲まれた城で、エルフが統治していた。



「エルフ王国ですか。どうしてまた」


「エスパーダだよ、エスパーダ」


 めんどくさそうに、クリスが語る。


「そいつから、ここのガードを依頼されたんだよ」

「亡き友のためだ、とおっしゃっていました。報酬は、エスパーダが支払うと」

 クリスに続き、レンゲが語った。




 コデロが、難しい顔をする。

 

『エスパーダとは、何者だ?』

 リュートが聞くと、コデロはため息をついた。

「古い友人です。何かと喧嘩をふっかけてきたので、覚えています」


 コデロが考え事をしていると、手を上げてクリスが尋ねてくる。


「オレたち、何をしていればいい? 何にもねえんだが?」


 確かに、戦闘要員に「畑を耕してくれ」とは頼みづらい。


「周囲を巡回してください。怪しい影などがあれば、スパートタグで連絡を」


「承知しました」

 クリスに代わり、レンゲが答えた。




「おまたせしました。ご帰還の準備を」



「うむ。キミのいない間、だいたいのことは、把握した」

 イスリーブ国王が、コデロに今後の方針を話す。

「手が空いた冒険者たちを手配する。報酬はこちらで支払おう。腕の立つ大工なども配備して、少なくとも街としての機能を取り戻させる」


「そこまでなさらなくても」


「一人では、限界があろう?」


 図星をつかれ、コデロは黙り込んだ。


 実際、コデロはドラスフォードに残っていた財産をすべて、国の復興に当てている。それでも、人件費すらまかなえていなかった。


「旧ドランスフォードは、この大陸でも有数の中心的な都市だった。一時期は、イスリーブを凌ぐほどだったとも聞く」


 ドランスフォードは水の豊富な土地で、農作物の生成には困らない。

 きれいな水は、ポーションの材料としても最適だ。毒などで水が死んでいたら、この復興さえままならなかっただろう。


「街に活気が戻れば、我が国も潤うというもの。恩は、そのときに返してくれればよい」

「ありがとうございます。陛下」


 請求書や事務手続きなどは、ラキアスに回すという。


「礼には及ばない。キミにはもう一仕事、頼みたいからね」

「なんなりとお申し付けください」


 ここまでお膳立てをしてくれたのだ。


「では、ボクの息子を護衛してくれないか。縁談があるので向かいたい」


「仰せのままに」


「本当は、キミのような女性こそ、息子の后にしたいのだけれど。先方がどうしてもというので。あまりにうるさくて、つい」

「もったいなきお言葉です。陛下」


 実際、こんな身体でなくても、コデロは縁談は断っていただろう。

 デヴィラン殲滅しか考えられないから。


「しかして、どちらの国まで?」


「レプレスタ王国だ」


「えっ」

 コデロを通して、悪寒が走った。


『どうかしたか?』


「国王が話していたレプレスタは、エルフが収めているのです」


 リュートは、コデロと脳内で会話する。


 レプレスタ王国はコーデリアに、因縁が深いらしい。


「特に三女とは、因縁がありまして」


『帰ったら、詳しく聞く』

 リュートは引っ込んだ。


「では、縁談の相手というのは」



「イクス第三王女だ」



「そうですか……」

 後に聞かれないよう、コデロは小声でつぶやいた。


「あの『エスパーダ』に、縁談ですか」


 これは一波乱ありそうだ、と。

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