表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
特撮ヲタ、姫騎士のヒーローベルトに転生!  作者: 椎名 富比路
第六章 「試練を乗り越え、さらに強くなるぞ」「はい。まだ終わりではありません」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

64/119

圧倒的 魔王ヴァージル!

 最奥部に、デヴィラン最高幹部はいた。

 あのとき遭遇した黒騎士だ。


 黒騎士は、エース・スリーの面々と戦っている。冒険者最強と呼ばれる彼らは、軽くあしらわれていた。



「よくぞ参った。貴様のせいで、この砦はおしまいだ。さすがコウガよ」

 黒騎士が、ヘルメットを脱ぐ。金髪の男性が、苦々しい顔でこちらを睨む。


「だが、こちらもパワーアップが完了した。さきほど貴様が倒した北方の王女による貢ぎ物で、この肉体は新たなる力を得た。その褒美に新しい肉体をくれてやった。しかし、活かせずに死んだか」


 マントで全身を覆い、黒騎士は一瞬で早変わりした。自分が見たオオカミ怪人より、いかほどかたくましくなっている。


「やはり、オオカミ怪人の正体はあなただったのですね、ヴァージル王子」


「我が正体を知っているか。しかし、今の我は、これまでとは違う」


 黄金色に輝く体毛も煌びやかで、肉体は黒い金属の装甲に覆われている。王者の風格とも呼べた。


『再改造を受けたのか?』


「左様! これが我がデヴィランが誇る最強の魔物、【フェンリル】なり!」


 オオカミ怪人が、自身をフェンリルと名乗る。神話クラスのオオカミだが、それだけ言わせる自信があるのだろう。




「くっちゃべってるヒマがあるのか、てめえ!」

 ドワーフのモンクが、鉄球を全力で投げつける。


『エーススリー、退け。後はオレがやる!』


「うるせえ! こんな獲物を横取りされてたまるかっての」


 コウガの静止も聞かず、エース・スリーの面々は戦闘をやめない。

 オオカミ上位怪人は身をかわすが、鉄の鎖が怪人を縛り付けた。


 好機とばかりに、モンクジャンプキックを繰り出す。鉄球と挟み撃ちにする気だ。



「今はコウガと話している」

 怪人は鎖をたやすく引きちぎった。鉄球とモンクの蹴りを、掌打で抑え込む。


 掌打によって、鉄球が砂と化す。


 モンクの目が白くなり、身体が跳ね上がった。人間の死に方をしていない。掌打の衝撃で、全身の骨が砕けたのだ。



「舐めんじゃないわよ!」

 手のひらで炎の球を作り出し、魔女はオオカミ怪人に放つ。


「くだらん」

 真正面から炎を受け止めて、なおも怪人は前進する。


 魔女は何度も、怪人に火球を浴びせた。その技術だけでも凄まじい。だが、魔女は怪人の進撃を止められなかった。



 怪人の手刀による突きが、魔女の身体を貫く。



「よくも仲間を!」

 剣士が長剣を、怪人に振り下ろす。


 オオカミ上位怪人は、片腕による横薙ぎでカウンターの構えをとった。


 鍛え抜かれた剣を、怪人は片腕だけで防いでしまう。

 しかも、剣士もろとも武器を両断した。



「人間ごときが、人をやめた我に敵うはずもなし」



 最強クラスの冒険者すら、歯が立たない。一瞬の出来事だった。 


『オオカミ怪人! たとえ貴様がどれだけ強くなろうとも、オレたちは必ずお前を倒す!』

 ベルトから、コウガは銃を出す。


『フィーンドバスターッ!』

 ライジングフォームによって威力を増した魔法弾だ。


 しかし、黄金のボディはコウガの銃撃を弾き飛ばしてしまう。


『利かない!?』


「我を倒すことなどできん。我は神。魔物の神であるぞ」

 確かに、今までの怪人とは格段に違う。


『ならば肉弾戦だ、トゥア!』


 宙返りで接敵して、ハイキックを見舞った。

 相手が避けたところに、左フックを。


 こちらは上腕のガードで防がれる。ボディーへのヒザも止められた。


 イノシシ上位怪人ですら防御できなかった攻撃を、オオカミ上位怪人はすべて受けきる。


「無理だ。コウガの力を半分も引き出せておらぬ。そんな非力な腕では、魔王となった我に傷一つ付けることはできんぞ」

 コウガのキックは、軽々と持ち上げられ、放り投げられた。


 壁に激突する。


 オオカミ怪人の手刀が、コウガの胸を貫こうとした。


『まだ終わっていない!』

 突きと同時に、キックを放つ。


「ぬお!」

 カウンターの蹴りで、怪人の腕を弾き飛ばす。


「おのれ!」 

 反撃の裏拳を押さえ込み、つかみ合いになった。 


『なぜだ。なぜ人を襲う? お前がデヴィランに心酔する理由は何だ?』


 オーカスという上位イノシシ怪人が、ドランスフォード、主にコーデリアへ強い恨みを持っていたのは理解できる。逆恨みとはいえ、だ。


 しかし、この男がドランスフォードを手に掛けようとした目的が分からない。


「我こそが、コウガのベルトの装着者になるはずだったからだ!」


『なんだと?』


「生まれた月の周期が違うだけで、我はコウガの所有者になれなかった。これだけの力がありながら、我は!」


 大きく腕を振り上げ、怪人はコウガの拘束を解く。


「コウガの適合者は、コーデリア・ドランスフォードだと決まってしまった。ありえない!」


 オオカミ怪人は、憤りを拳としてコウガにぶつけてくる。一撃一撃は、コウガの装甲すら叩き割らんとするほどの力だ。


「我こそコウガを得て魔王になるに相応しい存在なのに! あんな小娘をコウガが選ぶなど!」


『そんなよこしまな考えだから、コウガに見放されたのだ!』


「黙れ!」

 咆哮に近い怒声を、怪人は浴びせてきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ