表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
特撮ヲタ、姫騎士のヒーローベルトに転生!  作者: 椎名 富比路
第五章 「敵も強くなってきました」「それはこちらもパワーアップするフラグだ!」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/119

コウガ・ライジングフォーム

 自分の生体エネルギーが、月の石に流れ込んでいるのだとわかった。何が起きたのかは分からない。しかし、何かが起きそうな予感がした。



『変……身!』



 コデロと同じ変身ポーズを取る。


 だが、何かが違った。体中を駆け巡る魔力の質が、レイジングフォームと異質なのである。



 レイジング時は、血が沸騰するような痛みがあった。が、今はなんだか、温かい。体中が月の光を浴びているかのような、穏やかさに包まれている。


「なんでしょう? 不思議と力がみなぎってくる感覚があります」

 コデロまで、穏やかな声になっていた。


『オレもだ。不思議な感覚だぞ?』

 リュートは、変わりゆく自分の手足を見つめる。


『こ、これは!』


 コウガの全身が、銀色の姿になっていた。膨大な力が、溢れ出す。


「なんと、コウガにこれだけの力がまだあるなんて! さっきまで、死に体だったのに!?」


 生まれ変わったコウガの姿を見て、大怪人が恐怖に怯えている。


 そんなにスゴイのだろうか? 試しに、コウガのステータス画面を開く。


『これは、【コウガ:ライジング・フォーム】だと?』


 コウガの第二形態だという。レイジングフォームは、怒りに捕らわれている状態で、力は強いが鈍重だそうだ。このフォームはレイジングの腕力に加え、身体も軽くなっているらしい。


 だが、この姿には見覚えがある。

 リュートが死んだあのとき、コウガはこのフォームだった。


 歓喜、興奮するリュートは、叫ぶ。 

『レイジングがコデロのコウガなら、こっちはオレのコウガなんだ!』

 ライジングフォームの両手を、コウガは握りしめた。


「怒りを超えて、誰かを守るための力に目覚めた、と?」

 疑問点をコデロが告げるが、リュートは首を振る。


『分からない。正義感がピークに達したフォームという可能性だってある。とにかく、今は全力を尽くすのみだ!』


「はい。あの化物をやっつけましょう」


 コデロも前向きになった。今なら、あの大怪人を倒せる気がする。 


「キラッキラになったから、なんだっていうのです? その体中から膨れ上がってくる魔力、すべてワタクシがいただきますわ。そしてワタクシは、王をも超える存在に!」

 大怪人が、王笏を振り下ろしてきた。コウガを叩き潰す気だ。


『トゥア!』

 ハイキックで、コウガは王笏を押し出す。


 丸太のような腕が、吹っ飛んだ。背骨を抱きしめるかのようにへし折れ、あらぬ方向へと曲がる。


「ああああああ、ワタクシの腕があああああ!」

 巨大な腕を、いとも容易く砕くとは。


「パワーでは、ありませんね」


『相手の力を利用して、跳ね返したんだ』



 ライジングフォームには、レイジングフォームのような腕力はない。だが、相手のパワーを反射する力に長けるようだ。 



「まだですわ! これでも喰らいなさい! カオオオオオッ!」

 大きく息を吸い込み、怪人は口から火炎を吐き出す。

 

 炎のブレスは、ガレキを溶岩へと変えた。

 溶岩は大怪人の足さえ焼くが、怪人は涼しい顔をしている。


『冷凍ガス!』

 コウガは両手からガスを発生させ、炎を完全に消し去った。溶岩さえ固めてしまう。


「な、なにいいいい!」

 これは勝てないと踏んだのか、怪人は背を向けようとした。

 だが、固まった溶岩に足を取られ、バランスを崩す。


「冷凍ガスの威力も増しています」

『魔力も高まっているのか』


 レイジングとは逆に、魔法の威力が上昇しているらしい。



『とどめだ! 憤激・改(リ・ボルケーノ)!』



 ベルトから、光子の剣を召喚した。

 ジジジと、剣が火花を散らす。



『トゥア!』

 憤激・改を上位イノシシ怪人に投げつけた。


「こしゃくな!」

 剣を、王笏で弾き返そうとする。


 しかし、光の剣は黄爵を真っ二つに切り裂いた。勢いに任せ、上位怪人の胸を貫く。


「ぎゃあああ! なぜぇ!」


『これが闇を断つ光の力だ! いくぞ、トゥア!』

 コウガは大地を蹴った。


 これまでとは違う。身体が異常に軽い。

 大怪人さえ飛び越える勢いだ。

 風の魔法で全身を包み込む。上空に火炎の魔法を発動し、爆風を起こした。勢いに任せ、その身を嵐の弾丸と化す。


 月光を背に、足刀を突き出した。


『くらえ、【ライジング・キック】!』

 光の剣を蹴り込み、上位怪人の胸に突き刺す。


 今のコウガは、物理的な攻撃力こそ低かった。

 が、魔力によって勢いを上昇させた蹴りは、レイジングキックの数一〇倍の威力を持つ。


 脂肪だらけの肉体に、コウガの破壊エネルギーを流し込む。

 怪人の全身が、膨らんだりしぼんだりする。コウガの撃ち込んだ魔力が暴走し、巨大な肉体を内部から破壊しているのだ。


「うぎゃああああ! 魔王ヴァージル、デヴィランの王よおおお!」

 伯爵夫人の巨体が、コウガのキックを浴びて爆砕した。自分の屋敷さえ粉砕して。


「コウガ、脱出しろ! こっちだ!」


 ダニーとアテムの先導で、コウガは建物から逃げ出す。


 怪物のアジトだった伯爵の屋敷は、瓦礫の山となった。


『そうらしいな』


 ベルトに収まっていた宝玉は、太陽の力を有していた。月の石が太陽の石と反応して、第二の変身を遂げたらしい。

 詳しいことは分からないが、コウガは新たな力を手に入れたといえた。


「ドレイク様に聞いてみるか?」

 アテムの意見をは一理ある。


 伯爵討伐の報告も必要だ。一度は顔を出していいかもしれない。


「とはいえ、コウガについては明るくないようですが?」


「行こう。伯爵をけしかけた奴らがどこにいるか、突き止められると思う」

 ダニーの一言により、ドレイク卿と面会することを決めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ