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特撮ヲタ、姫騎士のヒーローベルトに転生!  作者: 椎名 富比路
第五章 「敵も強くなってきました」「それはこちらもパワーアップするフラグだ!」

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囚われ? のコデロ

 さらってきた女性を乗せた大型馬車が、街に入ってきた。検問を圧力で突破し、ロデントスの屋敷へと向かっている。周囲に護衛が複数、併走して馬車を囲む。


 これだけ見え見えの誘拐事件を、イスリーブはよく見逃していたモノだ。それだけ、ロデントスの力は強いのだろう。


 ロデントスは始末するべきなのでは、と、リュートは思い始めていた。


 アサシンなどの冒険者と連携し、馬車を止める作戦に入る。全員が、アテムの知り合いだ。



『あれぇ~』

 ボロをまとったコデロが、馬車の前に飛び出した。

 自分でも下手な演技だと思う。



 慌てた御者が、馬車を急停止させる。

「邪魔だ! ひき殺されたいか!」

 苛立つ御者が馬車を降りて、コデロの髪を掴む。


「どくのは、そっちです」

 エルボーを一発見舞い、御者を昏倒させた。


 アサシンたちが、馬車を囲む戦闘員を排除する。


 安全を確認した後、シーフを呼ぶ。


 シーフと共に、馬車のホロ内部に入った。長方形の牢が複数あり、女が数人ずつ押し込められている。


 助けが来て安心したのか、女たちがわめく。


「静かに!」

 アテムが一括し、女たちに言い聞かせる。

「いいか、鍵を開けたら黙って出るんだ。騒いだら連中に気づかれて、また牢屋へ逆戻りだから。いいね?」

 コワモテのアテムが、騒ぐ女たちを脅して黙らせた。


 シーフが牢のカギを開ける。

「役所は開けてもらっている。助けを呼びに行くんだ」


 蜘蛛の子を散らすように、女たちは役所の方へ。


「お次は?」


 アテムが問いかけると、ダニーは首を振る。


「こいつらを役所に突き出してくれ。ロデントスの屋敷へは、俺たちだけで行く」


 みすぼらしく見せるため、ダニーはコデロの顔に泥を塗りたくった。自分にも。


「マジで言ってんのか? 敵の本拠地に二人だけで向かうなんてさ。死ぬぜあんたら」

「大まじめさ。相手は怪人なんだ。お前らが束になったって敵わん」



 ダニーが御者に化けて、作戦が決行された。




「一時間で決着を付けます。それでも連絡がなければ、我々は死んだと思ってください」


 女たちを拘束していた手かせを、コデロは自らはめる。


 牢に入り、シーフに改めて錠をしてもらう。


「心得た。一時間後に役場のヤツらと共に突撃する」

「お願いします。では、おやっさん」


 ダニーが、馬に鞭を打つ。


 しとしとと、雨が降っていた。ホロを雨粒が叩く。



 牢屋越しに、ロデントスの屋敷が見えてきた。

 外見こそ普通に貴族風の家だが、異様な気配が漂っている。

 壁を覆うツタすら、今にもヘビのように動きそうだ。


「女を連れてきた」

 門番に、ダニーは呼びかける。


「一人だけか?」

「みんな抵抗したんで、殺してしまったぜ」

 ダニーが口をつり上げた。


「貴様、伯爵様は数も要求なさるのだぞ」

「知るかってんだ。その代わり、とびきりの上物を連れてきたぜ」


 確認のため、門番がホロの向こう側へ。


 オリ越しに伝わるいやらしい視線に、コデロは耐える。


「ほほう。確かに」

 コデロの美貌に、門番はアゴをさすりながらうなずいた。


「コイツさえいれば、伯爵様もさぞお喜びになるだろう」

 下卑た笑いをダニーが浮かべる。思いのほか、様になっていた。


「地下へ連れて行け」


「あーん、どっちだったけな?」

 道をしらないダニーは、バカのフリをしてすっとぼける。


「地下への道を忘れたのか?」

「ここんところ、物忘れがひどくてな」

「しょうがねえな」

 門番の案内で、地下室の入り口へ向かう。


 地下通路を降りると、番兵らしき男が木の椅子に座っていた。

 コデロに気付き、顔だけをこちらへ向ける。


「案内人は?」

「金の交渉へ」


「こっちだ」

 立ち上がった番兵が、コデロを誘導した。


 案内されたのは、陳列台だ。女性たちが手首を鎖で繋がれ、並ばされている。二〇人近くいるだろうか。人種もエルフやドワーフなど、様々だ。暗いので、もっといるかもしれない。だが、彼女たちから浮かぶ表情は、一様に絶望だけ。


 コデロは吐き気がしそうになる。リュートも同じ気持ちだ。


「ええい、こっから出さぬか!」

 ドワーフの少女が、力を振り絞って暴れ出した。


「うるせえ、おとなしくしろ!」

「がはっ!」


 みぞおちに棒を叩き込まれ、ドワーフは咳き込む。ドワーフが、一般人に打ちのめされただけでおとなしくなった。よほどヒドい扱いを受けたのか。あるいは、弱らされているのかもしれない。


 彼女たちと同じように、コデロも端の位置に立たされる。鎖で両手を持ち上げられて。


 服の裾がめくれ、サラシがほどける。ベルト痕が剥き出しになった。


「おい、このやろう、淫紋があるぜ」


 コデロのベルト痕を見て、兵士がニヤニヤと笑う。


「へへっ、マジだぜ。ゲヒヒ。前の飼い主に仕込まれたんだろうよ」

「けどよぉ、処女じゃないと価値が低い」

「なあに。これだけベッピンなら、ロデントス様もお喜びになるだろうさ」



 作業員たちが、下卑た笑いを浮かべる。


「ロデントス伯爵が、この外道な行いを主導なさっているのですね?」


「そうだぜ。お前さんたちは、伯爵様に見初められたんだ」


 言質を取った。これでロデントスは黒だ。

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