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特撮ヲタ、姫騎士のヒーローベルトに転生!  作者: 椎名 富比路
第五章 「敵も強くなってきました」「それはこちらもパワーアップするフラグだ!」

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イスリーブの街

 イスリーブの街が見えてきた。


 門番に見えない場所で、バイクをベルトに収納する。


『こんな大きい品物まで、ベルトに収まるのか』

「コウガの持ち物なら、な。俺のバギーなど、他人の私物は持ち出せん。気をつけろ」

『分かった』


 馬車の停留所で、アテムや子どもたちと別れた。


「じゃ、ギルド前で待っていてくれ。この子たちを送り返したら、すぐに戻るから」


 子どもたちから、手を振られる。


 コデロも振り返した。


「少しは落ち着いた感じがするわね、コデロ」

 ミレーヌが、コデロの様子を伺う。


「子ども相手ですから。私だって愛想くらいは振りまきますよ」

 これ以上茶化せば、また頑ななコデロに戻りそうだ。


『それにしても、大きい都市だな』

 気を紛らわせるために、話題を変える。


「これだけ活気があったら、きっと純喫茶も受け入れてくれるわ。行ってくるわね」 

 さっそく、ミレーヌは商業ギルドへ。空き店舗がないか、調査へ向かってしまう。


「商売っ気の強い女だぜ」

 呆れながら、ダニーが頭をかく。


「いいじゃないですか。アグレッシブな子で」


 すぐに、ミレーヌが帰ってきた。


 ドランスフォートと同等か、それ以上に発展した街だ。産業革命というか、スチームパンクっぽい世界観だ。国境を越えるだけで、ここまで風景が変わるとは。バイクを隠さなくても違和感がなかったかも。


「珍しいだろ? でもな、もはやドランスフォードのような街の方が珍しいんだ。ほとんどの街が、魔術と科学とが入れ替わりつつある」


「ドランスフォードがよその国に負けたのは、必然だと?」


「怒らないでくれ。お前の祖国をバカにしているわけじゃない。こんな激動の時代で、よくあれだけの魔法技術を残せたと思っているよ」


 追い出された身とはいえ、ダニーは決してドランスフォードの悲劇を面白がっているわけではないと主張する。


「いえ。そう聞こえたなら謝ります。ですが、ここまでとは」


 

 コデロは、時代の移り変わりを痛感しているようだった。



「だが、発展が急激すぎる。国王も懸念しているのだが、ロデントス伯爵は開発を強引に推し進めているらしい」


 そうやって私腹を肥やしているとも聞こえる。


「お待たせ」とアテムが戻ってきた。


「じゃあ、ギルドに依頼の報告へ向かおう。こっちだよ」

 アテムに連れられて、イスリーブの冒険者ギルドへ。


 依頼達成の報酬を受け取る。

 貴族の子どもたちを守ったということで、相当な額だ。


 成り行きで助けたコデロにさえ、結構な量の金貨を受け取る。

 これなら、ミレーヌが欲しい店舗も借りられるだろう。


「これは、あんたらが全額もらってくれ」


 あろうことか、アテムは大量の金貨をすべて、コデロに差し出した。


「こんなにいただけません」

「あの化物を追っ払ったのはアンタだ。受け取ってくれ」

「あなたが生活できないじゃありませんか!」

「いいんだ。その代わりに、これでアタシを強くして欲しいんだ」


 コデロが拒んでも、アテムの意志は固い。


「ワケを話してください、アテム」


 事情を聞こうとすると、そこへミレーヌがやって来た。


「お店の営業許可をもらえたんだけど、お取り込み中かしら?」

「いいえ。ちょうどよかったです。ではアテム、お店の開店を手伝ってください」


 頭にハテナマークが浮かんでいる状態のアテムを、コデロは無理矢理引っ張っていく。

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