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特撮ヲタ、姫騎士のヒーローベルトに転生!  作者: 椎名 富比路
第四章 「やはり、怪人は幼稚園のバスを襲わなくてはな!」「幼稚舎の馬車ですが?」

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馬車襲撃と遭遇

 もうすぐイスリーブに到着という地点である。


 リュートは相変わらず、特撮ソングをベルトから流していた。


「三日三晩聴かされたとあって、飽きてしまいました」

『そうか? 今やっと昭和世代の特撮ソングが終わったところだぞ。まだ平成時代の曲が、三〇年分楽しめる』

「熱血系の歌に溺れ死にそうです」


『まあまあ……む?』

 リュートが、異変に気づく。


 眼前で、大型の馬車がデヴィランの戦闘員に襲われていた。

 子どもたちの叫び声が、荷台から聞こえてくる。


「あれは、幼稚舎の馬車だ! お貴族様の子どもたちが乗っているぞ」

 ダニーが、双眼鏡を覗き込んだ。


 数名の冒険者が、馬に乗ったデヴィランの戦闘員と戦っている。


 逃げる馬車の大型荷台に、人影が乗っていた。怪人だ。


「子どもたちが襲われています!」

『急ぐぞ!』



 馬車には、一〇代前半ほどの子どもたちが乗っている。泣き声や悲鳴が痛々しい。


『やはり秘密結社といえば、幼稚園のバス襲撃だな!』

「幼稚舎の馬車ですが?」


 コデロのツッコミを無視して、戦闘態勢に。


 世間の情勢もあり、幼稚園のバスジャックなんてシチュエーションは、最近では減ってしまった。が、いまだにこの作戦は有効らしい。

 子をさらって、貴族を意のままに操る腹づもりだろう。


 リュートのいた世界なら即座に潰されるが、ココは異世界だ。


『待て! 貴様ら、許さん!』

 リュートが叫び、戦闘員の注意をこちらに引きつける。


 ダニーが荷台から顔を出した。

「コデロ、自動運転に切り替えた。バイクに乗ったままでも戦えるぞ!」


「はい。やってみます!」


 バイクに乗ったまま、コデロは変身のポーズを取る。息を吐きながら、左手で腹回りを撫でた。変身ベルトが現出したのを確認し、右手を挙げる。


「変身!」

 コウガへと変わったコデロが、戦闘員たちをバイクに乗ったまま蹴り上げた。


 戦闘員の一人が落馬する。


 バイクから降りたコウガは、戦闘員たちを蹴散らしていく。馬車へは誰も近づけさせない。


 落馬した戦闘員を、冒険者たちが攻撃した。


「コウガ、その調子だ! 俺も手伝うぜ!」

 自身の馬車から、ダニーも戦闘員たちを狙い撃つ。


 戦闘員を馬から突き落とす役を、コウガは買って出る。


 後始末は、冒険者たちに委ねた。


 しかし、一筋のカマイタチによって、戦況は一変する。


「ぐぎゃあああ!」

 冒険者の一人が、背中から切られた。大量に出血し、絶命する。


 カマイタチは、幼稚舎の屋根の上から放たれた。


「役に立たないヤツらだわねぇ!」


 馬車の上から、人影が降りてくる。

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