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特撮ヲタ、姫騎士のヒーローベルトに転生!  作者: 椎名 富比路
第四章 「やはり、怪人は幼稚園のバスを襲わなくてはな!」「幼稚舎の馬車ですが?」

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ミレーヌと入浴

 コデロとミレーヌは、二人揃ってシャワーで身体を洗った。


 狭い浴槽に、二人して浸かる。女子二人だから、多少はマシか。


「ねえベルトちゃん、美少女二人がハダカなんだから、もうちょっとリアクションすれば?」

 肩に湯を掛けながら、ミレーヌが、からかい半分でリュートに声をかける。


『そんな感情はない』

 リュートは、きっぱりと言い切った。


『オレは、ヒロインの水着回でも倍速で見るからな。オレが関心あるのは、バトルシーンとストーリーだけだ』


「ちょっと何言っているのか分からないわ」

 ミレーヌが呆れている。


「そりゃあ、あたしはコデロよりオッパイ小さいから、見てもうれしくないでしょうけど」


『そこまで言っていないぞ!?』

 リュートは抗議した。


 確かに、ミレーヌは平坦と言えるが。


『悪い。思わずムキになって、本気で持論を展開してしまった。性欲なんて、最初からないんだ。こんな身体だからな』


「別に、照れ隠しってワケではないのね?」


『そうなんだ』


 これまで三〇年間、リュートは男女交際なんて一切したことがない。

 コデロとこうして話していること自体が、奇跡と言えた。


 ベルトという第二の命を手に入れて、リュートはようやく人とまともに接することができるようになったのだ。


「すいません、こういう人なんです。ベルト様って」

 苦笑いしながら、コデロがリュートにフォローを入れる。


「でも、笑えるうちは大丈夫よ」

「私、笑っていましたか?」

「うん。あなた、笑うとかわいいわね」


 ミレーヌに指摘され、コデロは赤面した。 


「あんな風に、お父さんは脅かしているけどさ、コデロはベルトなんかに負けやしないわ」


「分かっています」


「それにさ、お父さんはコデロのこと、信頼しているから」

 浴槽に頬杖を突きながら、ミレーヌは微笑む。


「そうなのですか?」

「お父さんさ、気に入った人にしか、コーヒーを淹れないの。だから認めてくれているのよ」



 二人は風呂から上がった。


 仕込みを始めるというミレーヌを残し、コデロは寝室へ。


 ベッドで横になったコデロに、リュートは語りかける。


『キミは、何のタメに戦う?』

「私は、復讐のため」


 まだ、憎しみの心は消えていないようだ。


『オレでは、キミを癒やせない。キミの心を和らげてくれるのは、キミだけだ』


 このままだと、コデロは自分が戦闘マシンになることだって厭わないだろう。


 人間の心まで捨ててしまっては、ヒーローではない。

 ヒーローの力は誰かのためにあるべきだ。


 だが、どうすればコデロに伝わるのか。


 答えは、まだ見つけられない。



 ならば。





『イスリーブへ向かうぞ』




「ベルト様? 今なんて」


『君の気持ちが晴れるまで付き合おう。ロデントス伯爵が仇なら、好き放題暴れてやればいい』


 どのみち、デヴィランの悪行は止めなければ。本拠地へ赴いて、打倒することの悪くない。


「準備不足だと言ったのは、あなたです」


『装備面に問題があると思ったからだ。ダニーがサポートしてくれるのなら、めったに苦戦を知られることもないだろう』


 自分一人で戦っているわけではない。今は仲間がいる。

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