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特撮ヲタ、姫騎士のヒーローベルトに転生!  作者: 椎名 富比路
2-5 「決着をつけます」「長きに渡る因縁もここまでですわ!」

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エスパーダ・ローデス、爆現!

『一人で勝てる相手じゃないぞ!』


「皆様には、外の敵をお願いしたいのですわ」


『そうは言うが……』

 コウガは悩んでいる様子だ。


「ベルト様、ここにはレンゲやディアナ様もいます。彼女たちを救助し、この場は退きましょう」

 現状を最も理解したらしく、コデロが察してくれた。


『そうだな! 死ぬなよ!』


 ベルトの発言に対し、イクスはフッと行きを短く吐きながら笑う。


「誰に口を利いているのです? ワタクシはイクス・レプレスタ! 偉大なるエルフ国家の王女ですよ!」


『まだ余裕がありそうだな! トゥア!』

 コウガがディアナを抱えて、窓から飛び去った。


 続いて、レンゲとクリスは同時に窓から退散する。


「ナメられたもんだね、怪神であるこのアタシに、一人で挑むなんてさ!」

 杖をバトンのように回し、コブラ怪神は戦闘態勢を取った。


「いいえ。一人では、ありませんわ」

 剣を抜き、イクスは変身の構えを取る。


「このベルトには、レプレスタのみならず、すべてのエルフたちの思い、願いが込められていますわ。ワタクシは、その思いを背負って戦うのですわ」

 イクスは剣で、追加武装のバックルを撫でた。エスパーダの魔力が膨れ上がるのがわかる。


「なにを戯言を!」


「戯言かどうか、身を持って知るといいですわ! 変身!」

 ポーズを取った直後、エスパーダのヨロイがイクスを覆い尽くす。

 蒼い装甲の隙間を、燦爛たる黄金の装飾がカバーしていた。

 軍刀も、壮麗なデザインへと変わっている。

 マントに、オンディールの紋章が追加されていた。


『イクス。この形態は、女君主(ローデス)モードというそうだよ』



「ならば『エスパーダ・ローデス』と名乗りましょう。エスパーダ・ローデス、爆現!」

 エスパーダが、剣を身体の前で立てる。

「その生命、森へお返しなさい!」



「なにをこしゃくな! レプレスタごときに、アタシが遅れを取るものかよ!」

 杖をムチ状にして、コブラ怪神が振り回した。


 ムチの複雑な軌道を、エスパーダは軽々とかわす。


 今までの動きとは段違いだ。装飾の力によって、スピードがアップしているらしい。


 エスパーダが、軍刀でコブラ怪神を斬り裂かんとする。


 怪神も杖をサーベル状態に変形させて打ち合った。


 だが、エスパーダの猛攻を止められない。


 刃が怪神の身体に滑り込む。


 怪神の装甲から、火花が散った。


「がああああ! だが、この装甲はヤワじゃないんだよ! 大怪人だったら、致命傷を受けていたところだろうけどね!」


 装甲の特殊効果か、怪神の傷口がみるみる塞がっていく。

 体力までは回復しきっていないようだが。


「どうだい、コウガ・シャイニングフォームのダメージすら受け止めたこの身体は! もはや、どれだけ戦乙女(ラーズグリース)が力をつけようが、アタシに敵はない!」

 怪神が、杖を振り回した。

 先端から、紫色の毒々しい駅を放つ。


 ピアノの影に、エスパーダは隠れた。


 まるで酸を浴びたかのように、ピアノがドロドロに溶ける。


『腐食毒攻撃だ!』


 あんなものを浴びれば、エスパーダがどれだけパワーアップしても溶解してしまうに違いない。


「ならば、これでいかが?」

 エスパーダが、マントを翻す。


「何をやっても同じことさ。この腐食毒は……な⁉」

 マントが風のマジックアイテムとなって、腐食液を怪神へ弾き返した。


「ぐおお!」

 毒液が左肩に当たった途端、怪神がうめき声を上げる。


『イクス、左肩の傷がふさがりきっていない。あれは、コウガが攻撃を浴びせた部分だよ!』

 エスパーダのマルチアイによって、ノーマンが分析した。


 弱点を探る機能まで備わっているとは。


「あそこにエスパーダの力を注ぎ込めばよろしくて?」

『そうだ。お見舞いしてやれ!』


「参りますわ!」

 腕の装飾に、イクスは剣の背を滑らせた。


 剣にエスパーダの全魔力が注ぎ込まれていく。刀身が、蒼い炎を上げた。


「生意気な小娘が!」

 息を吹き返した怪神が、刺突するように杖を突き出す。


 ヘビのムチによる無軌道突進を、エスパーダは縫うようにすり抜けていった。炎の刀身を旋回させる。


 怪神の方も、杖をサーベル型に変形させた。フェンシングのように刺突を繰り出してくる。


 敵のサーベルが、エスパーダの仮面をかすめた。


「トドメですわ! トンラセンド・ペネトレイト!」


 狙い通り、炎の剣は怪神の左肩に命中する。蒼い炎が生き物のごとく、怪神の体内へ。


「あああああ!」

 炎が全身に広がって、怪神の体組織を焼き尽くす。


 怪神の装甲が、焼け落ちた。ベルトに戻り、二つに割れて落下する。


「これまで死んでいった犠牲者の痛み、思い知りなさい!」

「なにを。思い知るのは貴様の方だ!」


 皮膚が焼けただれてもなお、コブラ大怪人の憎悪は止まらない。


「こうなれば、元の姿に戻らなくてもいい。要塞と一体化して、アタシ自らがこの世界を焼き尽くしてくれる!」


 要塞の壁や床、天井から、細長い器官が伸びてくる。器官は大怪人の身体に突き刺さった。


「あはははぁ! みんなぶっ壊れてしまいなぁ!」

 大怪人が、勝ち誇ったかのようにわめき出す。


『イクス、ここはヤバい! バイクの修理が完了したから逃げるぞ!』


 バイクを召喚し、イクスは脱出した。

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