表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
特撮ヲタ、姫騎士のヒーローベルトに転生!  作者: 椎名 富比路
2-4 『ヒーローの違う一面が見られるぞ!』「私も女なのですが……」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

113/119

老獪! 機関車機怪人 【タラスク】!

 重い言葉に、コウガも動きを止めた。


「レネゲイドは危険人物だ。見つけ次第始末せよと、通達があった。オレは任務をまっとうするため、探りを入れていたんだ。殺す目的で」

 直後、クリスは苦笑する。

「いや。目的だった、って言うべきかな?」


「……だった?」

 言葉の意味がわからず、コウガは首を傾けた。


「もう、ヤツを殺していいのかどうかわからない」


「今は迷っていると?」


 クリスは、コウガの問いかけにうなずく。

「もし、ヤツの目的が本当にレプレスタへの復讐なら、とっくにディアナ様を殺していたはずだ。魔力を奪う以外に、利用価値なんてないんだから」


「たしかに、そうですね」

「それに見ろよ。アテムとかいう女もそうだが、装備品を細工されていない。オレなら、もう戻れない覚悟で、幻装に仕掛けを入れるぜ」


 クリスの言う通りだ。

 リュートが悪の道にいるなら、その考えを真っ先に思いつく。


「何か理由があるはずなんだ。レネゲイドが、復讐に踏み込めない理由が」

 思いつめた様子で、クリスは眉を寄せる。

「コウガ、あんたがレネゲイドを見定めてくれないか? あんたなら、レネゲイドの真意がわかるかもしれねえ」


 二人が話し合っていると、突如、地割れが起きた。


「なんだあれは⁉」


 巨大な島が、レプレスタの空に浮かび上がる。


「ヌホホ! これぞクイラス要塞なり! 我らデヴィランの最終兵器よ!」

 老人のような口調で、大砲のような長い首を持つ怪人が現れたではないか。

 上空から、民家の屋根に舞い降りた。

 その拍子で家が天井から崩れ落ちる。


「あいたたたたーっ! もちっと頑丈に作れんのか! しまらぬではないか!」

 腰を打ち付けた怪人が、気を取り直す。

 火かき棒を杖代わりにつき、大砲の頭部分についた白く長いアゴヒゲをなでた。

 シルエットは鋼鉄の甲羅を持ったカメである。


「ワシは大砲機怪人【タラスク】! 若き戦士たちよ、ワシの装甲を貫けるかな?」

 バカにしたような口調で、大砲怪人は口角を吊り上げた。


「なめるなよ、ジジイ!」

 戦士の一人が、ロングソードで大砲怪人の首に斬りかかる。


 だが、剣は大砲怪人の首にヒットすると、無情にも折れてしまった。


「ムダと申すに」

 火かき棒をクルクルと回し、大砲怪人は戦士のプレートメイルを先端で数カ所突く。


「あ、が……」

 戦士が血を吐いて、絶命した。


「これがウワサの魔道具かえ? 脆いのう」

 立ったまま死んだ戦士を、怪人はスコップで押す。


 戦士が倒れた瞬間、プレートメイルが粉々に砕け散る。


『魔法石で強化したヨロイを、簡単に』

「手強いです。あの老怪人」


 首をポキポキと鳴らしながら、大砲怪人が杖を突き立てた。

「この頑強な肉体は、要塞の動力源となる魔力石を起動実験するために作られたのじゃ」



「だったら、コイツをくらいな!」

 アテムが斧を抱えて、怪人に背後から打ち込む。



「ぎょほお!」

 さしもの怪人も、オーガ族の怪力を叩き込まれてつんのめる。


「忌まわしいオーガ族かえ。デヴィランの誘いを断って滅ぼされた一族ごときぃ!」

「エルフの誇りを捨てて、悪魔に魂を売ったヤロウなんかに言われたくないね!」

「ぬかせや小娘が!」

 大砲怪人の首が、蛇腹状に動く。アテムとゼロ距離となり、怪人は大きく口を開けた。


 なにか、危険な攻撃が来るに違いない。


 コウガは確信した。


「ヒャハーッ! 大艦巨砲主義ィイ!」

 凶悪な威力のブレスが放たれる。


「盾を構えなさいアテム!」

「やべええ!」


 盾を構え、アテムは踏ん張った。それでも、ブレスの勢いは殺せない。アテムは一〇メートル以上吹き飛んだ。転がるように地面に叩きつけられ、変身も解けてしまった。


「ヤロウ、今までの魔物とはダンチだ!」

 全身から血を流しながら、アテムは横たわる。死んではいないが、動けそうもない。


「機怪人の戦闘力は、並の怪人より二倍ほど強い。大怪人に迫ろうと言うほどだ」

 退屈そうに、怪人は火かき棒をもてあそぶ。


「ノームの施した武具で挑むほうが無謀というもの。さてさて」

 ヒゲをなでながら、怪人の視線がこちらを向いた。


「お前さんは楽しませてくれるのじゃろ、コウガとやら!」

 フェンシングのように、大砲怪人が火かき棒で突撃してくる。


 とっさに下がっていなければ、目を突かれていただろう。


「早いです!」

『どんくさいと思っていたら、強敵だぞ!』


 他の戦士たちを下がらせ、大砲怪人と一騎打ちに。


「賢明な判断よ。とはいえ、クイラス要塞には近づけさせぬ」

 大砲の頭部から、煙を蒸す。


「本気で参る!」

 怪人の突き攻撃が、速度を増した。


 コウガはそのすべてを、キックで撃ち落とす。


「あなたの攻撃など、止まって見えます」

 コウガが、大砲怪人の懐に飛び込む。

 怪人の胸板に、キックが確実にヒットした……はずだった。


『なにいい⁉』

 怪人は倒れない。むしろ、コウガを弾き返してしまった。


「なんと見事な蹴撃。ワシじゃなきゃ腹を貫かれておったわい。ならばぁ!」


 火かき棒を、怪人はクルクルと回す。コウガのアゴをかち上げようとしてきた。


 先を読み、コウガはサマーソルトキックを浴びせる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ