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特撮ヲタ、姫騎士のヒーローベルトに転生!  作者: 椎名 富比路
2-4 『ヒーローの違う一面が見られるぞ!』「私も女なのですが……」

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エルフ女王直属騎士団長 クリス

「コウガだと⁉ ミーってば運がいいんだか悪いんだか。ま、コウガを倒せばスピード出世ってわけでよろしく!」


 大げさにポーズを取って、怪人は小刻みに踊る。


「あなたの思い通りには、させません!」

 コウガは、ピアノ怪人に殴りかかった。


 敵はすばしっこく、コウガの攻撃をことごとくかわす。


「どっひゃ!」


 ようやく、コウガのパンチが怪人を捉えた。鍵盤を殴り、床へ叩きつける。


 今のコウガは、いつもと一味違う。すぐに怪人の素早さに順応していった。メンテナンスが効果を発揮したように思える。


「やっぱ、荒っぽい戦闘はミーにはムリっしょ」

 追撃の踏みつけを、ピアノ怪人はあっさり回避した。逆再生映像のように転げては立ち上がる。


「ユーなんて一曲あれば十分っしょ! ミュージック、スターツ!」

 胸の鍵盤に指を当て、再びピアノ怪人が演奏を始めた。

「どうよ、戦闘が強い相手に、精神攻撃は基本っしょ!」

 流れるようなピアノさばきを、怪人は披露する。


「ぬううう!」

 コウガは耳を抑えた。光線銃を構えようとしても、音が耳を貫いて手が痺れてしまう。


「ムダムダっての! この音は、脳へチョク響くから。耳を塞いだぐらいじゃ鳴り止まない。ミーのハーモニーを子守唄に、死んじまいな!」

 ピアノ怪人の演奏が、激しさを増す。


「くっ! どうすれば!」

『音には音だ! ペガサスロード!』

「なんですかそれは?」


 痛む頭を抑えながら、コデロはバイクを召喚した。


『エンジンをふかせ! この音をかき消してしまうんだ!』


「なるほど!」

 コデロが、ハンドルを握る。


 轟音が音楽堂に反響し、ピアノの悪質な旋律をかき消した。


「頭痛が収まりました!」


 やはり、タダの音波である。


「くっそ、ミーのパーフェクツなハーモニーを爆音で消し去るとは!」

昻牙コウガ・ライジングフォーム!』

 モードをチェンジし、銀色のコウガへと変身した。

『トゥア!』


 竜巻となって、ピアノの屋根部分にローリング・ソバットを浴びせる。


「あぐう!」


 地面に打ち付けられ、怪人がもんどりうつ。


『トドメだ!』


 跳躍したコウガが、ライジングキックの体勢になった。


「寝ながらでも、演奏は可能!」

 仰向け状態のまま、怪人はピアノをかき鳴らす。


 しかし、コウガの耳がノイズで汚染されることはなかった。


「ぐう、なんだと⁉ 音が響かない!」

『ピアノの屋根をへし折ったからな!』


 グランドピアノの屋根は、音を反響させる役割を持つ。

 そこを破壊されたら、音は広がらないのだ。


 コデロの演奏風景を、退屈せずに見ていたのがよかった。そのおかげで、ピアノの構造を知ることができたから。


『ライジングキック!』

 押しつぶす形で、コウガはピアノ怪人にキックを浴びせた。


「ちくしょお、あとは頼んだぜ、レネゲイド様ぁ!」


 音楽堂に、怪人の悲鳴がこだまする。しかし、すぐに爆発音にかき消された。


 コデロが変身を解く。


「やったな。コウガ」

 クリスが、コデロに歩み寄る。


「兵士や市民の皆さんは?」


「無事だ。兵隊は、レプレスタ城内や祭りの会場に散らばっている。なーに、大丈夫さ。あいつらなら」


 ノアが作成した武具もあるのだ。抵抗はできるだろう。





「来たね、コデロ!」

 祭りの広場にはアテムもいる。幻装【ランドグリーズ】を着用していた。再生怪人たちを蹴散らしている。


 他の戦士たちも、ノア特性の魔道具(マギア)で武装していた。民衆の避難を優先し、退路を確保する。


 それでも、怪人たちに押され気味だ。総力で攻め込まれては。 


 コデロも、レプレスタ攻防戦に参戦した。クリスと背中を合わせ、戦闘員を撃退していく。


「きりがないな!」


「ならばこちらも。変身!」

 コデロは構えをとる。再びコデロはコウガへ変身し、戦闘員を相手にした。


『それより、あなたの正体が、オンディールの騎士とは』

 両手持ちの短剣を、コウガは振り回す。


「ああ。盗人とだけしか、情報を与えていなかったからな。具体的に何を盗んだのかまで聞かれていたら、返答に困ったところさ」

 言いながら、クリスはおどけてみせる。


『しまった。そう聞けばよかったのか』


 クリスが盗もうとしていたのは、レネゲイドについての情報だった。正体を知るまで、あと一歩というところまで追い詰めたらしい。


「しかし、有力な情報を掴む前に自分の正体がバレてしまったんだ」


 殺害されそうになったところを、イクスことエスパーダに助け出された。


「それ以来、オレはエスパーダを隠れ蓑にして、レネゲイドを追っていたの、さ!」

 遠くで狙撃しようとしていた戦闘員を、クリスが弓で処理する。


 頭を撃ち抜かれ、戦闘員が墜落した。


「イクスはあなたの正体を?」

「知らんさ。ただのレンジャーだと思いこんでいる」

 自信満々に、クリスは首を振る。


「あなたは、レンゲがレネゲイドだと分かっていたのですね?」


「いや、なかなかシッポを掴ませてくれなくてな」


 クリスの側面にいた敵を、コウガは撃ち抜く。

「身分を隠して、あなたは何を目的に動いていたのです?」




「レネゲイドの発見と抹殺。それが、オレの役目だ」

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