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特撮ヲタ、姫騎士のヒーローベルトに転生!  作者: 椎名 富比路
2-4 『ヒーローの違う一面が見られるぞ!』「私も女なのですが……」

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地獄の旋律! 機怪人‼

 ディアナは、レンゲに腹を抱えられた。これで安心だろう。



「貴様、ディアナ様に何を⁉」

 兵隊が数名、コデロを取り押さえる。


「避難してください! そのピアノは魔物です!」

 コデロが、ピアノを指差す。


「見なさい、あれを!」

 イクスが、舞台を指で示した。


 ピアノが煙を上げながら、もぞもぞと動き出す。

 なんと、怪人はピアノに化けていたのだ。


「おのれええ、ミーの超パーフェクツな変装を見抜くなんて、どこのエージェンツだい?」


 ピアノ怪人が、本性を現す。

 右半分が鍵盤、左半分が調律部分と、おぞましい姿である。


「ひいいい!」

 コデロを抑え込んでいた兵隊たちが、腰を抜かした。


 会場もパニックになる。


 だが、もっとも驚いていたのは、楽団だった。楽器を捨てて、我先に逃げていく。

 ピアノを用意したのが彼らだから、てっきり一味かと思っていたが。


「何者です⁉」

 イクスが、怪人に怒鳴る。



「ミーはピアノ機怪人、【セイレーン】! レプレスタの血が濃いディアナは、我らデヴィランがいただいていく!」



「機怪人ですって⁉」


 無機物からも、怪人を作れるのか。


 ようやく本性を表し、ヒーローの出番、と思いたかった。


 だが、リュートは不安しか感じない。

 まだなにか一手、残っているような。


「ディアナを離しなさい!」


「シャラップ! ディアナ・レプレスタは、クイラス要塞の燃料となってもらうのだ! このためにどれだけレッスンを受けさせ、彼女から生気を奪ってきたか!」


 ピアノ怪人が、これまでも犯行を自慢気に語る。


「ディアナが病弱なのは、あなたの仕業だったのですわね」

 ならば……。




「逃げてくださいディアナ様! レンゲは!」


 コデロが言うと、イクスが呆然とした顔でコデロを見た。


「いったいレンゲが、なんだというのです?」


 レンゲの正体は、ピアノ機怪人によって明かされる。


「この場はお任せを。あなたは要塞へ。レネゲイド!」


「レネゲイド……レンゲが?」

 イクスが、耳を疑うような顔になった。



 冷たい目になって、レンゲはディアナを抱いたまま、天井へ跳んだ。

 その顔は、どこか悲しげで。


「ディアナ!」

 レンゲに連れ去られそうになるディアナに、イクスは手をのばす。


「おのれ! ディアナ様は渡さん!」

 兵隊が弓を構えてレンゲを撃ち落とそうとする。

 魔法の杖をかざして、氷の矢を召喚するものもいた。


「やめんか! ディアナに当たったら!」

 レプレスタ王が、兵たちを掴んだ。


 だが、兵士たちは錯乱していて、弓を撃ち続ける


「やらせるか!」

 ピアノ怪人が、自分の体を雑に弾く。


「ぎゃあああ!」


 弓兵士、魔法兵士が頭を抑えながらひざまづいた。

 怪音波によって、脳へ直接ダメージを与えるようである。


 コデロも例外ではない。


 だが、コデロにはもう一つの魂、リュートがいる。

 リュートがいなければ、コデロも戦闘不能になっていただろう。


「待ってレンゲ、どうしてなのです⁉ レンゲ!」


 頭を抑えながら、イクスが空へと呼びかける。


 だが、レンゲは答えない。音楽堂の天井を突き破って、外へ。


「あなたはレンゲを追いなさい! ここは私が!」

 コデロがイクスの背中を押す。


『行こうイクス。この場はコウガに任せるんだ』

「でも、レンゲが」

『事情は、直接聞くしかない! 今はディアナの救出が先だ!』


 ノーマンの一声もあり、イクスはようやく我に返る。


「レプレスタはお任せいたします!」

 エスパーダの衣装へと早変わりして、イクスはレンゲが空けた穴を追跡する。


「逃がすか!」

 ピアノ怪人が、さらに演奏を続けた。


 逃げようとしている観客のエルフたちも、頭を抑えながら泡を吹いている。


 このままでは。


 コウガに変身して撃退しようにも、これだけの人を巻き添えにするわけにはいかない。


 そこへ、何者かが火炎の矢をピアノ怪人に打ち込んだ。

 

 怪人の全身に、炎が燃え移る。


「うわっちゃちゃちゃ!」

 ピアノ怪人が、火の粉を振り払おうと体をはたく。



 アテムかと思ったが、違った。



「今のうちに! 全員、ここから脱出してください!」



 豪華な騎士風のエルフたちが、音楽堂に押し寄せる。



 先導しているのは、クリスだ。

「エルフ女王の命により、レプレスタの民は、我らオンディール半島騎士団が守護する!」

 雄々しいクリスの声が、音楽堂に轟く。


 オンディールということは、エルフ女王直々に動いたということか。



「コウガ! 市民はオレたちに任せな! 者共、やれ!」

 クリスがコデロに告げて、兵士に号令をかけた。


 弓を構えた騎士団が、怪人に炎の矢を浴びせ続ける。


 その間に、クリスたちが住民を避難させた。


「もう十分です。皆さんも早く」

 兵士たちの前に立ち、コデロがピアノ怪人と一対一になる。


 いくら魔法矢を浴びせても、怪人に致命傷は負わせられていない。


 潮時と見て、兵士たちはクリス主導で避難していった。


「許しませんピアノ怪人、あなたは!」

 コデロは、ドレスをマントのように脱いだ。

 衣装はベルトに収容する。

 あらかじめ用意していた戦闘の装束に早変わりした。


「変……身!」


 構えを取り、コデロはコウガ・レイジングフォームへ。

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