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特撮ヲタ、姫騎士のヒーローベルトに転生!  作者: 椎名 富比路
2-4 『ヒーローの違う一面が見られるぞ!』「私も女なのですが……」

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怪人はどこに⁉

 レプレスタの祭り当日、コデロはミレイアの出す屋台で朝食を済ませた。やはり、朝はミレイアのカレーを食べないと始まらない。


 コデロの出番は、昼過ぎだ。とはいえ、ここに戻ってくる余裕はないだろう。今のうちに腹に溜めておく。


「そんなに食べたら、ドレスが入らなくなっちゃいますわ」


 ラキアスとアテムが、隣であんみつをシェアし合っていた。


「ご安心を。レプレスタの音楽堂に着いたら、ストレスで痩せますので」


「その油断が命取りにならないといいけどな、コデロ」

 アテムが憎まれ口を叩く。


「残念です。こんなにおいしい屋台がたくさんあるのに、全部回りきれないなんて」

「まあまあ。演奏会が終わるまでの辛抱だって。本番は、見に行くからな!」


 あのドレス姿をアテムに見られるのは、少々抵抗があるが。


「くれぐれも、ご用心を。敵は、何をしてくるかわかりません。お願いします、アテム」

「よっしゃ。外はあたいら【ランドグリース】に任せな」


 ラキアスとアテムは、主に外回りを警戒するという。


 食事を済ませ、コデロは音楽堂へ急いだ。 



 

 音楽堂の控室にて、コデロは準備をする。

 ドレスを着させてもらいながら、口臭をチェックした。カレーの残り香がないか、入念に。


『緊張するなぁ、コデロ』

「ええ。こんな大舞台は初めてです」


 コデロは、ピンク色のドレスに身を包む。

 こんな短いスカートを履くのは、幼少期以来だとか。


 美しく変わっていくコデロを、リュートは感心しながら眺めていた。


「ベルト様も、おかしいでしょう? 着せかえ人形みたいな扱いを受ける私が」

『そんなことはないさ。新鮮な気持ちで見ている。キミにも休養が必要だ。今日は楽しもう』

「ええ。ベルト様」


 この祭りで、コデロも多少は癒やされるといいのだが。

 

 舞台前には、すでにイクスがいた。


「よく似合っていますわ。さすがわたくしの見立てた衣装ですわ」



 こればかりは、イクスの手腕を認めざるを得ない。

 コデロが自分で選ぶと、イクスの豪華さに負けていただろう。 



「これはこれは、久しぶりですわね。レンゲ」


 コデロとイクスは、レンゲと再会した。


 レンゲは黒いドレスを着て、髪もセットしている。


「その格好は、どうしたのです?」

「実は、本番ではワタシが歌うことになりまして」

「まあ! それはそれは!」


 もともと、レンゲの職業は吟遊詩人だ。問題ない。


「当日の演目は?」

「ディアナ様とセッションをいたします」

「あなたは、講師役だけなのではなくて?」


 レンゲがパートナーなら、ディアナも安心して演奏に集中できるだろう。


「楽団側のアイデアなのです。戦えるものが舞台にいるほうが安全だろうと」

「ええ。その方がよろしいですわね」


 ただ、とレンゲが舞台に目を向けた。


「本番まで、楽団の用意したピアノを使えないというのが気になります」


 試験ではないのだからいいだろうと抗議してみたが、覆らなかったという。


「調節に時間がかかるのかもしれませんわ。悲観なさらぬよう」

「何事もないと思いますが、用心します」

「とにかく、ディアナの演奏を楽しみにしていますわ」


 イクスの激励に、レンゲが一礼した。舞台袖へ。


『コデロ、感じないか?』

「ええ。妙な気配が致します」


 二人が話していると、イクスが割り込んできた。


「レンゲが怪しいと?」

「そうは言っていません。全体の雰囲気が重苦しいと言っているのです」

「気のせいだといいのですが」

「はい。それと、クリスがいないのが気になっています」


 いつも、レンゲの側を離れない男だ。

 しかし、アロガント攻防戦以来、一度も顔を見ていない。

 



 演奏会の本番が近づく。


 会場が、観客を入れだした。


 レプレスタ王は、ジョージ王子と一緒に最上階のロイヤルボックスへ座る。


 コデロたちも、すぐ下の階を用意された。一応、VIP扱いを受けるらしい。


「これはこれで、緊張しますね」

『席がイクスの隣だから、いいじゃないか』


 それより、気になることが一つ。


「確実に、怪人がどこかに潜んでいます」


 席を外したいが、この格好ではうかつに動き回れない。

 また、番人である兵もいる。


 なにより、自分はイクスのメイン監視も任されていた。

 自分が目を離せば、イクスが勝手な行動を起こすのは目に見えている。


『この場こそ、アテムに任せるべきだったな』

「まったくです。ラキアス様のような貴族組に、頼めばよかったですね」


 コデロは、アテムに外回りを依頼したことを後悔した。


 会場の様子を伺う。


 デヴィランなら、貴族に化けて会場入りしているのではないか。

 

 コデロは目を凝らす。


 しかし、それらしい客の姿はない。


 コブラ怪人なら、すぐにわかる。

 腕をケガさせたから、そこをチェックすればいい。


『腕をケガされているご婦人がいるぞ』


 右腕に包帯を巻いた、老婦人を見つける。


「いいえ。彼女は改造されていませんね」

『そうだな。なんでもかんでも疑わしく見えるぞ』

 

 純白のドレスに身を包んだディアナが舞台に上がった。


「ディアナですわ!」

 イクスが立ち上がった。


 続いて、レンゲが舞台に一礼する。


 ディアナのドレスとは対象的な、漆黒のピアノが用意される。







 観客が二人に拍手を送る中、コデロはひとり立ち上がった。

「フィーンドバスターッ!」

 ためらいなく、ピアノに向かって銃を撃つ。



 銃弾は、ディアナが座ろうとしたピアノに命中する。

「きゃあああ!」


 ピアノから飛び退いて、ディアナが悲鳴を上げた。後ろに倒れそうになるのを、レンゲが抑える。



 だが、不気味な悲鳴が「ピアノから」聞こえた。

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