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特撮ヲタ、姫騎士のヒーローベルトに転生!  作者: 椎名 富比路
2-3 『まるで劇場版の様相だな!』「まとめて始末しましょう」

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アインヘリヤル

 再生怪人の脅威は去った。


 だが、アロガント城内まで追い詰められ、コウガは死闘を演じている。バイクの弾薬も尽きて、魔力も残り少ない。


「そろそろ奥の手とやらを見せていただかないと、持ちません!」

 壁を使ったパルクールを駆使し、コデロは不満を漏らす。


『持ちこたえてくれ! もうすぐだ』


 大勢の戦闘員に、囲まれる。


「ここまでだ。最期だよ、コウガ!」

 勝ち誇ったように、コブラ大怪人が指示を出す。


 できれば、体力を温存したかった。しかし、こうなれば全力で。


 次の瞬間、戦闘員たちが魔法矢の雨によって全滅する。


「なんと⁉」


 多数の冒険者が、魔道具(マギア)で武装して戦闘員を撃退した。中には、簡略版のコウガを思わせる集団が。


「お待ちどうさん」


 機械のヨロイじみた武装をしたクリスが、光線銃型のショットガンで戦闘員を蹴散らす。クリスの隣には、同じようなヨロイを着たレンゲが。


「すぐさま、反撃いたします」

 矢も何もない弓を、レンゲが放った。


 戦闘員の操る戦車が、振動のような攻撃でひび割れる。


 レンゲの攻撃は、超音波らしかった。


 男女混合なので、戦乙女とは言い難い。


「助けに来たぜ!」

 冒険者を従えているのは、ダニーだけじゃない。


「このノア・ハイデン! ただの科学者と思っていたら痛い目を見るぞ!」

 後方で指示を出しているのは、ノア・ハイデンだ。彼女は専用車両の天井にあぐらをかき、魔法石が先端についたワイヤーで武装していた。

 魔法石は優先式ラジコンのように浮遊し、迫りくる戦闘員に魔法石から火球を浴びせる。


 ファンタジー世界で、自律兵器を見られるとは。


「お待たせした。【アインヘリアル】の調節に手間取ってね」

 専用車両の天井から、ノアはコードを引っ張り出す。


「この車両は、魔力石のタンクになっている。使うといい」

「ありがとうございます」


 ベルトにコードを取り付けて、コウガは魔力を補充してもらった。


『あやうく、パワー切れを起こすところだった』 


「カレーもあればよかったのですが、贅沢は言えません」

 空腹なのだ。コデロはため息をつく。


 さすがに、血や武器が飛び交う戦場に、ミレーヌは連れてこられない。


「数分もあれば、万全の体制が整う。それまで持たせよう」


『そうさせてもらう』

 コウガは立て膝をついた。

 戦うことはできる。

 しかし、今の魔力ではシャイニングフォームには変身できない。

 力を使いすぎた。



「ベルト様。まさか、コウガを量産するとは思いませんでした」

「吾輩も、そんな提案をされるとは思っていなかったよ」


 コデロが眠っている間に、リュートがテレパシーでノアに伝言を頼んだのである。

 コウガとはいわずとも、近しい存在を開発してくれないか、と。


「どうして、私に相談もなく!」

『キミは反対するだろ?』

「もちろんです」


 コデロは、何事も自分で決着をつけたがった。自分の仇であるという理由もある。だが、誰も危険な目に遭わせたがらない。相手を気遣い過ぎなのだ。


 イクスとのケンカを見て、リュートは確信した。


『オレたちはもう、一人で戦っているわけじゃない。今や、デヴィランは世界の敵。キミ一人で全部背負う必要はないんだ』


 エスパーダという心強い味方もいる。


 コデロは、もっと他人を信用すべきだ。


「ラキアスから、テレパシーで通信があった。アテムも無事、【ランドグリーズ】への変身を遂げたらしい」


『オレも確認した。ノーマンから連絡があったよ』

 レプレスタも襲われ、エスパーダが撃退したらしい。


「あなたは、兄とも連絡を取り合っていたのですね?」

『オレとノーマンだけでな。文章だけのやり取りだが』


 細かい調整段階となり、互いにメッセージを送信し合って、計画を練っていた。アドバイスなどをもらいながら。


「それで、完成したらお披露目と」

『うむ。前段階で知られれると、止められる可能性があったからな』


 慎重に、事は進めた。

 コデロの就寝中しか、リュートは行動しなかったのである。


 今回の作戦で、全貌を明らかにした。


 なにも、フェアプレーを気取りたかったわけではない。

 

 不意打ちは、冒険者に任せようと思ったのだ。

 冒険者も生活が掛かっている。

 コウガだけが活躍すれば、冒険者などいらなくなってしまう。


「なるほど、自身が囮になろうと」

『そういうわけだ』


 ダニーの腕を、疑っているワケでもない。

 彼はよく仕事をしてくれた。


 コウガといえど、この数を相手にはできないと思ったのである。


「決して、ベルト様が高台の上で目立ちたい、という目的ではなかったわけですね?」

 まったくリュートを信用していない口ぶりだ。


『おいおい、オレをなんだと思ってるんだ?』

「ただの英雄(ヒーロー)マニアとしか」

 否定できない自分が悔しい。 


「ベルト殿だけを責めるな。吾輩も興味があったのだ。戦乙女の開発には」


「とはいえ、それが発展すれば第二のデヴィランが生まれる危険だって」


「吾輩は自称マッドサイエンティストだが、命を粗末に扱う悪魔ではないよ」


 実験に興味を持っているだけ。

 対象を危険にさらさない心得は持っていると、ノアは主張した。


 しかし、指示を聞かない奴らも出てくる。手柄を狙ったグループが、先行しすぎた。

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