引っ張るんだもん!!
あたしはリュージュの店を出た後に孤児院に行くことにした。
リクの働く姿を見て他の子がどうなったのかを知りたかったからだ。
「こんにちわー」
孤児院の中に入りながら挨拶をすると、近くに居た先生に声を掛けられた。
「あら?レンちゃんじゃない?どうしたの?」
「メリッサスさんに会えます?」
「・・・・・うーーん・・・会えるよ」
「?何かあったの?」
「会えば分かるわ」
なんかはぐらからされたようだけど会えば分かるならいいか。
あたしはそのまま院長室に向かい、付いたのでノックをする。
「・・・・誰だい」
「レンだけど?」
なんか声に元気がない、何かあったのかな?
「入りな」
「あいよ」
中に入るとメリッサスさんが何もせずにソファーに座りこっちを見ていた。
「・・・・・・・何があったの?顔色すごく悪いよ」
メリッサスさんの顔色が悪い、部屋が暗いからとかではないと思う。
「・・・・・・・悪ガキが・・・・イデが死んだと・・・・・昨日知らせがあったのさ・・・」
ため息をつきながら吐き出されるように告げられた言葉があたしの心を襲う。
・・・・・・え?・・・・・・そっか・・・・イデが死んだのか・・・・そっか・・・・これは・・・・・つらいなぁ・・・・・・・・
「ごめんなさい」
あたしはメリッサスさんに向かい頭を下げ謝罪する。
「何でレンが謝る?」
「あたしのせいだ、多分【スタンピード】の時にダンジョンの前まで送った中に居たんだ・・・・あたしが立案した作戦だったし・・・・・・だから・・・・ごめんなさい」
「レンのせいじゃないよ、悪ガキが下手を打ったのがいけないんだ」
あたしを抱き寄せて頭を撫でてくれるメリッサスさんに何かを言おうとして何も言えなくなる。
あたしと今まで行動してくれた連中はかなり危険な目には合っても誰も死ななかった、あたしの中で『あたしが何とかすれば大丈夫、知り合いは誰も死なない』って気持ちがあったのかもしれなかった。
だが現実は違う・・・・こうして知り合いであるイデが死んだ・・・・・きっついなぁ・・・・
「いいレンちゃん?貴女は私達の為に出来ることをした、結果イデは死んでしまったけど、貴女のおかげで生き延びた人もいる、それもまた事実、貴女が救った命もあるの、だからそんな顔はしないで」
あたしは泣いていた、あたしが考えた作戦で何人死んだんだろう?その考えが頭いっぱいになってしまい目の前が真っ暗になっていた・・・・でもメリッサスさんに『救った命もある』と言われて光が戻ったと思ったら涙が出て来た。
それからしばらくそのままメリッサスさんに抱き付きながら泣き、10分位で離れる。
「すいません、メリッサスさんだって悲しいのに」
「気にしないで、貴女もイデの死に悲しんでくれたんですものお礼よ」
「うん」
それからメリッサスさんと向かい合って座り色々話をしてから孤児院を出た。
それからすぐウォルムの本拠地に戻り部屋で寝転がる。
すぐそばで寝転がるギンガに抱き付きぼーーーっとしてるとノックの後エルスさんが入っててきた。
「レン様お食事の用意が出来ました」
「あたしはいらないから皆に食べさせてあげて」
「・・・・・・・・・」
エルスさんが動かないどうしたんだろう?
「失礼します」
「ん?むぅぅぅぅぅぅぅ?」
何故かエルスさんがあたしの両頬をつまみ左右に思いっきり引っ張り始めた。
「レン様、私は言いましたよね?余計な物まで抱え込まないでくださいと?話は聞きましたがあなたが悪い所なんて一つもございません、むしろ貴女が罪悪感を抱く事こそ散っていった者たちを侮辱していると思ってください、彼らは自分の意思で戦場に向かったのです、今の貴女の考えは彼らの考えを軽んじています」
・・・・・・そっか自分の意思で決めた事をあたしのせいにしちゃいけないよね。
「分かりましたか?」
「ひゃい」
「では皆で食事をしましょう、皆が心配してますよ?」
「うん」
あたしは両頬を摩りながら皆と食事をすべくリビングに向かった。
まだ頬が痛いです、エルスさん思いっきり引っ張るんだもん!!
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