閑話 王達の衝撃
レンがエルスを迎えに行っている間にウォルム王とは打ち解けることが出来た。
レンがウォルムで何をやったか、何を成したかを聞いて相変わらずだと苦笑しながらメイシェルでのあいつのやらかした事、話しても問題ない部分だけを笑いながら話している時にレンがエルスを連れて帰って来た。
「さて皆がそろった所で【転移の腕輪】について話し合うべさ」
そうこれからが本番、レンが持ってきた案件は数多あるがこれは神との遭遇の次に厄介な物だ。
【転移の腕輪】?もちろんそんな物存在せずレンの異常ともいえる付与魔法師としての能力を使い作った産物、これ一つで国家の戦力バランスが総崩れになる事は想像に難くない・・・・・胃薬持ってくればよかった。
「最初に言った通り二王家に【転移の腕輪】を献上する、理由はあたしとあたしの家族に害を及ぼさないため、でも一つだけ条件を付ける」
まあ王都のギルドで大々的に使ったのなら頷けるが巻き込まないで欲しかった・・・・・いや他の国にこの腕輪が流れないことを良しとすべきか。
「聞こう」
レンが珍しく条件を付けてきた、いつもなら『作ったからあげるよ!!』と言ってわらうのだが珍しい。
「悪用しない事、この腕輪を使えば一度行ったところはどこにだって行ける、敵国に侵入させた者に使わせ軍を送り込むなんて事も出来る、侵略や戦争には使わない事、これを約束して欲しい」
・・・・・・これは本当に驚いた、レンはよく言えば能天気な所があった、だが【転移の腕輪】に関しては真剣にその問題を感じ取りそこから起こるであろうことを深く考えていた。
「もし約束を破った場合は?」
「あたしが怒る、それはもうめちゃくちゃ怒る」
・・・・・・・・前言撤回だ・・・・コイツ何も考えてなかった!!
「まずあたしが王都に乗り込んで城を吹き飛ばして王族皆を逆さ釣りにする国民の前で、その後お尻1000叩きの刑をする、これも国民の前で」
・・・・は?こいつ何を言っている?そんな事出来るわけが・・・・・・・・出来そうだなコイツなら!
思わず顔を引き攣らせ尋ねてしまった。
「本気・・・・・か?」
レンが笑顔で・・・・それはとてもいい笑顔で頷く。
「もちろん!それくらいはできるよ!!」
こいつが言葉にするって事は本当に出来るって事だ・・・・・・頭が痛くなってきた・・・・頭痛薬も欲しい。
「そうか・・・・・他に条件は?」
「うーん・・・・ないね、悪用しなければ好きに使って」
良かった・・・・本当に良かったとは思っても顔には出さないで頷く。
「お前との約束を守るとメイシェル王国の名に誓おう、何なら誓書に残すか?」
これは心からの言葉だ、レンが我が国に齎しいてくれたものは計り知れない、俺はその気持ちを裏切りたくはない。
「いいべさ、ケインを信じるよ」
ニヤリとした笑顔で言ってきたのでおれも同じようなリアクションを取ってニヤリとする。
「我もウォルムの名に誓おう」
ウォルム王も気持ちは同じようだ、話を聞く限りレンのおかげで被害は最小限に抑えることが出来たみたいだしな。
ウォルム王の答えにレンが笑顔で頷くのを見つつこれからの事に思考を巡らせる。
「ハンナさんギルドの方には適当に情報を流しておいてくれるかな?」
レンがもう一人の客であるグラマスにお願いしていた。
それが目的だったな・・・・・お仕置きの事を聞いた時の衝撃で彼女がいたのをすっかり忘れていた!
「わかったわ」
流石にグランドマスターの席に座る人だ、もうどうやって話を広めるかを考えている、視線が此処であってここに向いていない思考の海で話を纏めているのだろう。
「レンよ済まぬがこの二人とエルスと四人で少し話がある、いいか?」
ある意味レンが退室した後からが大変なんだがそれは仕方ない。
「いいよ、カナデ結界を張ってあげて、あたしは子供達に会ってくる」
「畏まりました」
レン付きのメイドが結界を張ってくれたようだ、これは・・・・・多分【遮音結界】だな、優秀なメイドだな。
「レン少し残るわカナデちゃんを置いて行って一緒にそっちに行くから」
レンが頷いてメイドの頭を撫でて部屋を出ていく、さあこれからは頭が痛くなるような話合いだ。
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