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②⑧パーソナルスペースに彩りを



「葉子ちゃん!起きてー!!」



「う…、うるさ…」



土曜日の早朝に叩き起こされた。

平日の疲れを取るためにも、もう少し眠っていたい…



「よーうーこーちゃーーん」



「ああっ、もう!うるさい!!」



「起きた」



「まだ5時じゃないの…」



「5時だね」



「早いってば…」



「おばあちゃん家、遠いし…、車で行くなら何時でも大丈夫でしょ?」



「私が寝ぼけて事故っても知らないわよ?」



「葉子ちゃんは事故らないよ」



「…、あなたねぇ…」




運転したことないくせに、その自信はどこから来るのか…

遠いなら、なおさら気をつけるべきではないだろうか…



「でも、あたしは準備終わってるよ?持っていくものは詰め込んだし」



「…」



「葉子ちゃん、まだでしょ?」



「やればいいんでしょ?」



「うん。お急ぎでお願いね」



「はぁ…」



休みの日に早起きするなんて、今の私の常識では考えられない。

外はまだ梅雨でザーザーと雨が降っていて、ちょっと肌寒い。


でも、早朝の雨って、そんなに悪くないかも。


夏でも冬でも、朝が1番気温が低いべきだと思うし。




「準備、できたけど」



「了解。水、沢山あげたから、お泊りしても大丈夫だと思う!」



「はいはい。せっかく買ったんだから、枯らさないでよ?」



「わかってるって」




いつも、『お昼代』を子ねずみちゃんに渡して家を出るけど、最初は使ったためしがなかった。

最近、やっと使ってくれたと思ったら、鉢植えを1個買ってきた。


しかも、ケイトウ。


まだ咲き掛けだから、ほぼ葉っぱだ。

どうして、バラや朝顔みたいな花らしい花ではなくて、ケイトウなんだろうか…



「どうして、あの花なの?」



「え?」


車に乗り込みながら聞いていみた。


「こないだ買ってきたじゃん」



「ああ、あれね。おばあちゃん家にたっくさん生えてるの。赤とかオレンジとかピンクのやつ。絨毯みたいで綺麗なの」



「知ってるわ。ケイトウでしょ?」



「ん?毛糸じゃないの?」



「ケイト?違うわ。鶏の頭って書いて、ケイトウよ」



「そっか、そうだったんだ。おばあちゃん、ケイトウって言ってたのか。ずっと毛糸だと思ってた。なんか、毛っぽいし」



「ぷっ、毛糸だと思ってたの?」



「だって、ケイトって聞こえたし、毛玉っぽいじゃん。ふわふわしてて」



「確かにふわふわしてるけど、どっちかって言うと、鶏のとさかっぽいじゃん」



「うう…、でもまあ、勉強になったからいい」



「そうだね、ケイトって名前でも付けておく?」



「もう、すぐ馬鹿にする」



「ふふっ、そのうち名前用の土に刺すプレート、買ってきてあげる」



「…、可愛いやつにしてよね」



「はいはい。ちゃんとシートベルトして」



「はーい」



カチッという音を確認して、発進する。

隣に誰かを乗せて車を運転するのもかなり久々だ。



「葉子ちゃんの車って感じがする」



「どういうこと?」



「うーん…、余分なものがない感じ」



「そりゃ、運転に必要のないものは乗せないけど」



「今度、ゲームセンターでぬいぐるみ取ったら、持ってきてあげるね!」



「要らない」



「えー…、絶対可愛くなるよ?」



「この車で会社行くこともあるんだからね。独身アラサーの車にねいぐるみがあるなんて…、馬鹿にされるわ」



「部屋もだけど、葉子ちゃんのスペースには彩りがないよう」



「だって必要ないもの」



「いるよー!部屋が明るいと、気持ちも明るくなるし」



「あなた…、だから花を買ってきたの?」



「そうだよ。ケイトウはカラフルでしょ?」



「そういう謎の計らい、要らないから。ぬいぐるみなんて持ってきたら、即刻破棄」



「えぇぇ!?可哀想だよ」



「だから、持ってこないでね」



「はーい」



子ねずみちゃんはふくれっつらで、カラフルなチョコのお菓子を食べている。

1人のときは、すごく少食(断食?)なのに、私がいるときはご飯もお菓子もよく食べる。


かなり変わっている子だと思う。



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