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⑳ケーキと花火で、はしゃげと言われても…



「わーおいしー!ケーキなんて、久々だぁ」



「そう。そんなに良いものかしら」



「シオリちゃんは食べなくていいの?」



「最近、生クリーム食べると体調が悪くなるの」



「ええ!?損な体だね」



「…」




私が彼女くらいのときは、ケーキなんて誕生日かクリスマスのときしか食べられなかったし、ケーキという単語だけでワクワクしていた。


でも、大人になってわかったけど、ケーキなんて500円もあれば食べられるし、ワンホールだって、選ばなければ5000円で買える。

特別な日じゃなくたって、お金さえ払えば食べられるのだ。



それに、世の中には、ケーキ以上に魅力的なものが沢山あって、少しくらいの美味しいものでは一々感動できなくなった。




だからこそ、この数百円のケーキで、こんなにもはしゃぐころができる、純粋なこの子が羨ましい。




「シオリちゃんってやっぱり美人だよ、彼氏いないの?」



「な、何よ、突然…。美人とか言ったって、ケーキは買わないからね」



「もー、そういうのじゃないってば!…で、彼氏は?」



「いないわ。いたら、あなたを泊まらせるわけないじゃない」



「そう?なんだか、惜しいね」



「惜しい?」



「うん。もったいない」



「悪かったわね、売れのこちゃって」



「そういう意味じゃないって。シオリちゃんは、ちゃんとした恋ができるんだから、するべきって話」



「ちゃんとした、って何よ」



「あたしとは違うってこと」



「どこが?あなたのほうが、よっぽど純粋じゃない?」



「純粋だけど、普通じゃないの」



「ごめん、ちょっと分からない」



「分からないように言ってるんですー。あ、あたしね、欲しいものがあるの!一緒にいこう?」



「はいはい。じゃあ、お会計するから残りのミルクティ、全部飲んじゃいなさい」



「はーい」




会計を済ませて、外に出ると、外の湿気と微妙な熱がむわっと包み込んだ。

この感覚がいつも気持ち悪くて苦手だ。


入るときはあんなに心地いいのに…



「うへぇ…、なんだか暑さ2倍って感じぃ」



「で、欲しいものって?」



「えっとね、花火」



「花火?」



「うん。一回やってみたかったの、手持ち花火ってやつ」



「やったことぐらいあるでしょ」



「でもぉ、遠い記憶だし、今やりたいの!」



「あー、はいはい。おもちゃやさんにいくか…」



それこそ、私は何年ぶりなんだろ。

花火って言われて、手持ち花火を想像する人って少ないと思う。


花火って、誰かが打ち上げるのを見るためのものだと思う。



花火大会の会場を探すよりも、苦情がこない手持ち花火ができる場所を探すほうが圧倒的に難しいし…


うちのマンションの近くにそんなところ、あるだろうか…



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