⑯遊びたい盛り
彼女がお風呂に入っているうちに、と仕事をしていると、お風呂から上がった子ネズミが頬を上気させて駆け寄ってきた。
「シオリちゃん!あたし、いいこと思いついたの!」
「良いこと?」
「そう!明日もお仕事ある?」
「いえ…、おかげさまであと1時間もすれば持ち帰った分は終わるわ」
「じゃあね、お出かけしよう!」
「ヤダ」
「なんでぇ!?女の子2人で、日曜、といったらお出かけじゃん!」
「あいにく、もう女の子っていう歳ではないから」
「歳は関係ないよ!」
「あるわよ。私はそんな体力ないもの。土日って、平日で疲れた体を休ませるものでしょ」
「じゃあ、大人はいつ遊ぶの?」
「さあね。私は遊ばない」
「やーだー!あたしはシオリちゃんと遊びたいのー!!」
「私は結構だわ」
「なんでぇ…」
子ネズミちゃんがちょっと泣きそうになっている。
私、子ネズミちゃんの涙に弱いみたい…
「う…、はぁ、しょうがないわね。どこ行きたいの?」
「ほんと!?えっとね、えっとねぇ~」
「あなた、また泣き真似したのね!?」
「涙は女の武器ってお母さんが言ってた」
「女の武器を女に使ってどうするの!?」
「でも、シオリちゃんには効果抜群じゃん」
「…、否定できないわ…」
「でねでね、6月限定でこのイベントがあるの!」
「七夕フェスティバル?」
「そうそう!アーケードのところで、屋台とか周辺のショップが出店したり…、あ、ステージもあるみたい」
「混みそう」
「そりゃあ混むよ」
「遠慮したい…」
「だめ。1回行くって言ったからね!前言撤回は駄目」
「はいはい。それにしても、あんなところでイベントしてたんだね」
「去年も一昨年もしてたよ?」
「へぇ…、世の中、わからない事だらけね」
「その通り!だから、世の中を知るためにも行こう!」
「はぁ…、それって屁理屈」
「でも、絶対楽しいと思うの。だって、あたしとシオリちゃんだよ!?」
「わかったわかった」
「やったー!ワクワクして、今夜は眠れないかも!」
「早く寝て。私、あと1時間は仕事しなきゃいけないから」
「はーい」
土日に外出なんて、久々だな。
楽しみではあるけど、ちょっとめんどくさい。




