僕の親友
そして、次の朝、いつも通り登校したが、何やら僕を見て、
ヒソヒソ話をする者が少なくないような・・・・・。
あれか、図書館での一件か。もう、噂になっているのか。
大丈夫だろうな、龍美に襲われているところなんか見られてないよな。
見られていたら、僕は明日から不登校になる。
引きこもりはまずいから、塾に毎日通うぞ。
そんなこと考えながら下駄箱を開けると、手紙が入っていた。
『もしかして、ラブレターだったりして・・・』
ちょっとばかし期待して、何食わぬ顔してトイレに駆け込み、
中を見ると、ガッカリだよ。
『オッス、よく休まず学校にきたな。今晩の決闘の助っ人の件、
忘れんなよ。宜しく。』
龍美からだった。
あいつらなりに僕との接触を避けるよう、気を遣ったんだろう。
それにしても、この内容で文末にハートマーク付けるなよな。
どんなセンスしてんねん。
ブツブツ言いながら、クラスに行くと、コンタックこと近藤拓也が
僕の所へ飛んで来た。
「リー君、昨日は無事だったかい。心配したよ。」
こいつだけだ、僕のことをリー君と呼んでくれるのは。
僕も、彼のことは、タックンと呼んでいる。大事な親友だ。
「ありがとう。心配かけたみたいで。この通り、無事だ。」
「何か、君があいつらの仲間入りしたとか、実は陰のボスとか、
親衛隊隊長とか、色々噂が飛んでいるから、気を付けた方がいいよ。」
「了解。」
心配してくれるなんて、嬉しい。持つべきものは、やはり親友だね。
恐らく、コンカツこと近藤先生に僕の危険を知らせてくれたのも、
彼だろう。
でも、もう遅い。悪魔の契約をしてしまったから・・・・・。
そのことは、いくら親友でも言えない。
僕は、明るく笑顔で誤魔化した。