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僕は 君たちの玩具じゃない   作者: 三ツ星真言
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大三元に襲われる

このお話は、武術×恋愛小説×学園ドラマ×深い~みたいな=∞を

目指したものです。

 

僕的は、一番長いお話となりましたが、最後まで

お付き合いください。

 「おい、コンドウム、ちょっと付き合え。」

 日々、秋が深まる10月の放課後、下校しようとする僕を

待ち伏せする奴らがいた。

 よりによって、面倒くさい連中ではないか。

 「僕には、近藤 奏夢リズムという

 ちゃんとした名前があります。」などと、スンナリ

話が通じる相手ではない。

 リーダーは、白木龍美たつみ

 取り巻きが緑川葵あおい中野紅子べにこ

 三年の先輩だ。ちなみに、僕は2年生。

 僕は麻雀のことはよく知らないが、役満の大三元という

役にちなんで、うちの高校では大三元、大惨龍と呼ばれている。

 本人らは、デビルドラゴンを名乗っているけどね。

 確かに、見た目は小悪魔アゲハの表紙に載るような

イケてるルックスなんだけど、ちょっとこの辺では

知らない者がいないヤンキーのお姉さん方だ。

 怒らすと何をされるかわからない。

 触らぬ神に祟りなしと知らないふりをして通り過ぎようとした僕を、

すかさず葵と紅子が両側から両腕を絡めとる。

「姉さんの誘いを断るとはいい度胸してんじゃねえか。」

「こっち、こいや。」

 放課後になったばかりでまだ人目があるので、校舎裏に

連れ込まれた。

 女のくせにって言ったら語弊があるけど、並みの男より力が強い。

 簡単には、振りほどけない。

 そして、両腕の自由が利かない僕に、リーダーの龍美が無表情で

ジワジワと近寄ってくる。

「僕に、何の用ですか。何も、してませんよ。」

 怖いってもんじゃない。あちらが口を開く前に、勝手に

しゃべってしまう。

「ふん、騙されねえぞ。」

 龍美がいきなり、右腕を大きく振りかぶり、ロングフックを

僕の顔面に打ち込んで来た。

 実戦空手、喧嘩空手と謳われるあの流派でも顔面攻撃は

禁止されている。

 当たったら、僕の顔面はザクロのように砕けるだろう。

 そう思ったのもつかの間、気が付いたら僕は両膝を付いていた。

 両腕で葵と紅子の腕を固め、両膝を使って龍美を固めていた。

 三人をひとまとめにして身動きの自由を奪っていたのである。

「この野郎、離しやがれ。」

「か弱い乙女に何しやがる。」

 葵と紅子が叫ぶが、そんなこと知ったことではない。

 どこに、か弱い乙女がいるんだ。おまえらがそうなら、

百獣の王、ライオンも可愛い猫となるぞ。

 僕の心の声が聞こえたのかどうかは、知らないが、

「近藤君、話を聞いてもらえるかなあ。」

 龍美だけは、怖いくらい冷静に頼んで来た。

「僕には、何も話すことはありません。」

「そうかい。それなら、『助けて~、レイプされる。』って

叫ぼうかな。」

 この小悪魔め。僕は心の中で、ののしった。

「本当に、話だけですか。約束ですよ。」

「ああ、男と女の約束だ。」

 聞き方によってはかなり危ない表現だが、このままの状態も

確かに見方によっては僕が女子高生三人を

手籠めにしようとしていると見えないことはないか。

 悔しいけど、騒がれてもうっとおしいので、警戒しながら

三人から離れた。






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